2022(200)2022/12/22観:WOWOW放送
『Les Diaboliques ─ 悪魔的な』 1955年 フランス映画 114分
原作/ボワロー=ナルスジャック
監督・脚本・製作/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
脚本/ジェローム・ジェロミニ
音楽/ジョルジュ・ヴァン・パリス
撮影/アルマン・ティラール
編集/マドレーヌ・ギュ
【キャスト】
ニコール(ラテン語教師、校長の愛人)/シモーヌ・シニョレ
クリスティーヌ(英語教師、校長の妻)/ヴェラ・クルーゾー
ミシェル(校長)/ポール・ムーリス
フィシェ(元警視の探偵)/シャルル・ヴァネル
【あらすじ】フランスのサスペンス映画の巨匠H=G・クルーゾー監督が、その息詰まる話術と驚愕のどんでん返しで世界をアッと言わせた作品。パリの郊外で寄宿制学校の校長を務めるミシェル。学校の経営は彼の妻のクリスティーナの財産に支えられていたが、ミシェルはクリスティーナと同じく学校で教鞭を取る女性教師ニコルを愛人にし、我が物顔で振る舞っていた。彼の暴力はニコルにも向けられるようになり、本妻と愛人が女性同士いつしか互いに同情し合うようになっていき、ついに共謀してミシェルの殺害を立案実行するのだが…(WOWOWサイト参照)。
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2022年最後の映画感想記事でございます。
ホラーじゃないのに「おばけ屋敷」に入れたくなる素晴らしさ♪
これが私の求めるホラー映画です。良い映画観ました。
現在のどんでん返しに次ぐどんでん返し手法ビギニング(かな?)です(^^♪
監督は、フランスのヒッチコックと称されるアンリ=ジョルジュ・クルーゾー。
と、言われてもどなたなのか知りませんでした。スミマセン!
代表作の「恐怖の報酬(1953年)」は昔BSで観たこと有ります!
また、原作者ボワロー=ナルスジャックは2人共同の作家、
藤子不二雄かエラリー・クイーンみたいですね。
ヒッチコックも映画化している作品を発表しています。
横暴な男に耐え兼ね、互いに励まし合う(?)妻と愛人が共謀して殺害する物語。
概ねのプロットを愛人が考え、実行は2人共同作業。
殺人を実行し計画通り死体遺棄(溺死させ学校のプールに遺棄)して
発見を待つばかりなのに死体が忽然と消え、そこから恐怖が始まります。
殺人計画を実行していく段階でもハラハラドキドキ満載で面白い。
自分たちで殺したはずの男が消え、彼が着てたスーツのクリーニングが届き
男子児童の1人が「校長先生を見た」と言い出して
元々心臓が弱い本妻は体調不良に成り、強気の愛人も逃げ出す始末。
遺体安置所で出会った元警視の探偵が営業をかけて来て
校内で捜査したり聴き取りを始め、じわじわ追い詰められてしまう。
タイトルからして愛人が怪しいんじゃないの?って思いつつ
死体が消えたのはどうしてか?観てる方も翻弄されます。
で!ある夜とうとうバスルームから殺した男の幽霊が出現!
殺した時の状態で現れ、かなり恐ろしいシーンのハズが
さすが67年間だけに生きてるおっさん感丸出しで
悪いけど大爆笑しました。そしたらホントに生きてましたよ(笑)。
恐怖の余り弱い心臓が止まってしまう哀れな本妻の前に
愛人が現れ「やったわね!」と幽霊と抱き合う。
つまり最初から本妻の財産狙いで夫と愛人が共謀した犯罪だった。
そこへ元警視登場「そうはいきませんよ」
なるほど!本妻と元警視もタッグを組んだのか?
と、思ったら本妻は本当に死んでしまったのでした。
もっと早く助けに来いよ!探偵!という何だかおマヌケな印象でしたが
全て終わって学校が閉鎖になる時、例の校長目撃少年が
「校長夫人に会ったよ」とポツリ。それは本妻が既に亡くなった後の事。
周囲が「マダムは亡くなった。バカなことを」と諫めても
「僕、本当に会ったんだけどなあ…」と呟く少年の後ろ姿で暗転…FIN!
最後の最後でゾゾゾゾ~っとした心憎いエンディングでした。
こういう怪奇がいいんだよ!途中の怪奇っぽい雰囲気も素敵(モノクロだし)
恐いビジュアルを見せなくても演出で感じさせる恐さが好き!
来年も素敵な恐い映画を1本でも多く観たいものです♪