ドラマ/アガサ・クリスティー「蒼ざめた馬」(2020) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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『The Pale Horse』  2020年  イギリスBBC One 制作(全2話)

3/13、3/20 NHK総合放送

原作/アガサ・クリスティー

監督/レオノラ・ロンズデール

脚本/サラ・フェルプス

音楽/

撮影/ジェアリン・ブラシュケ

【キャスト】

マーク(ロンドンの古美術商)/ルーファス・シーウェル

ハーミア(マークの現妻)/カヤ・スコデラーリオ

デルフィーヌ(マークの亡き妻)/ジョージナ・キャンベル

ルジェーン警部/ショーン・パトウィー

オズボーン(金物店店主)/バーティ・カーヴェル

ジェシー(リストを残して変死)/マデリーン・ボウヤー

デイヴィッド(マークの名付け子、遊び人)/ヘンリー・ロイド・ヒューズ

クレメンシー(デイヴィッドのおば、富豪)/サラ・ウッドワード

ポピー(デイヴィッドの妻)/エレン・ロバートソン

トマシーナ(富豪の不良娘でショーガール、マークの愛人)/ポピー・ギルバート

イヴォンヌ(トマシーナの継母)/クレア・スキナー

<蒼ざめた馬>の女達

シビル/キャシー・キエラ・クラーク

サーザ/シーラ・アティム

ベラ/リタ・ウィエインハム

【あらすじ】1961年、ロンドン。古美術商のマークは美しいハーミアと再婚したが、1年前に浴室の事故で亡くなった前妻デルフィーヌのことが忘れられずにいた。ある日、街角で病死らしき女性の遺体が発見され、靴の中から謎の人名リストが見つかる。そこにはマークの名前もあった。リストの人物が次々と亡くなっていく中、身の危険を感じ謎を調べていたマークはマッチ・ディーピングという村にたどりつく。村で占いの家「蒼ざめた馬」を運営する風変りな3人の女達は、人を呪い殺す事ができる魔女だという噂が…。

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やっぱりアガサ・クリスティー♪毒殺と不気味な女♪

こんなミステリーが観たかった(^^♪

オカルト風味たっぷりだけど、生きてる人間が一番恐いという定番のお話。

原作未読なので犯人を想像しながら楽しく観ました。

どうやら原作からかなりアレンジを効かせているようですので

クリスティー・ファンには不評なのかも知れませんけれど。

 

新約聖書 ヨハネ黙示録でお馴染み、死を象徴する「蒼ざめた馬」。

何やら土着の信仰なのか?奇祭が行われる村。

(※王に見立てた藁人形の首をはねる!ガーン…という村の奇祭)

 

その村に在る占いの館に住む3人の女。

まるでシェークスピア劇の様な舞台設定でワクワクしました。

「魔女?」と思わせる3人の女達の雰囲気が見事です。



浮気相手のショーガールが、目覚めたら隣で死んでいたというスタートから

サスペンスに巻き込まれた主人公マークと見えましたが

掘っていくと、彼の前妻は入浴中感電死しという疑惑一杯の過去の持ち主。

亡き妻は死亡した日、なんと「蒼ざめた馬」を訪ねていた!

 

そして1年後、既に再婚したマークでしたが

街中で行き倒れて死んだ女の所持するメモに名前が書かれていた。

マークだけでなく既に不慮の死を遂げた人物の名前も。

その行き倒れ女性ジェシーも「蒼ざめた馬」を訪ねていた!

リストに名が挙がっていたオズボーンという男は

魔女の存在と呪詛をしきりとマークに訴えて来ます。
なので、あ!こいつが怪しい(笑)と思ってしまったのでした。

 

せっかくのミステリーなのでネタバレは程々に致して

マークがリストの人間を追ってゆくと

死者に関係する人間達の欲望が明るみに出て来ます。

さすがクリスティー、ドロドロした人間ドラマが秀逸(褒めてます!)。

無駄なキャストがおらず、其々短い登場で物語上の役割を充分に発揮させます。

私にはとても面白いオカルト・ミステリーでした。