2022(44)2022/2/27観:WOWOW放送
『望み』 2020年 日本映画 108分
原作/雫井脩介
監督/堤幸彦
脚本/奥寺佐渡子
音楽/山内達哉
主題歌/森山直太朗「落日」
撮影/相馬大輔
編集/洲﨑千恵子
美術/磯見俊裕
衣装/宮本まさ江
【キャスト】
石川一登(建築家)/堤真一
石川貴代美(妻)/石田ゆり子
石川規士(息子、高校生)/岡田健史
石川雅(娘、中学生)/清原果耶
寺沼刑事/加藤雅也
野田刑事/早織
高山(建設会社社長)/竜雷太
左官職人/渡辺哲
織田扶美子(貴代美の母)/市毛良枝
内藤(雑誌記者)/松田翔太
飯塚杏奈(規士の同級生)/松風理咲
理学療法士/三浦貴大
【あらすじ】建築デザインの仕事をしている石川一登と校正の仕事をしている妻・貴代美は、長男の規士、長女の雅と共に幸せに暮らしていた。規士は高校生になってからというもの無断外泊が頻繁となっていたが、一登と貴代美は特に注意を払ってはいなかった。夏休みを迎えたある週末、無断外泊をしていた規士が翌日になっても帰宅せず、連絡も出来ず行方不明に。そして、息子の友人が複数人の何者かに殺害されたとのニュースが流れる。逃走している少年2人の中に息子がいるとすれば、殺人者なのか、それとも行方不明の被害者なのか。息子の無実を信じたい父と、たとえ殺人者であろうとも生きていて欲しいと願う母の貴代美の思いが交錯する…。
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原作は未読でしたがチラシを読んで心惹かれた作品です。
こういう事件物は落ち込む内容も多いのでちょっと冒険ですが…。
高校生の長男が、部活でケガさせられサッカーの夢を絶たれて少し荒れ
両親に心配をかけるように成った矢先に少年たちによる殺人事件が起き
被害者が長男の学友(そして父の仕事関係者の孫)であり
事件の夜から行方不明になった長男は、加害者?というスタートです。
冒頭の短い尺で分かり易くそれを示す上手い演出でした。
マスコミも仕事関係者も、長男が加害者側だと決めつけ
そこからは想像に難くないバッシングの嵐が描かれます。
予想に違わぬマスゴミ攻勢がえげつない。
松田翔太記者は、憔悴する母親に「警察が教えない情報あげます」と
甘い罠の様な言葉をかけ取り入る。このくらいが実際の取材方法かも。
乗っちゃマズイよな~と思っても藁にも縋る親なら聞き入れますね。
家族間でも必ずしも同じ思いではなく、
加害者でも良いから生きていて欲しい母親、
死んでるかも知れないけれど息子は罪など犯せる人間じゃないと信じる父親、
犯人だったら非難されるので正直死んでる方がいいと呟く妹。
どの気持ちも頭では理解できます。
家族を演じる俳優それぞれ上手いんですが
最近めきめき注目の清原果耶さんが、複雑な妹を好演していました。
どちらであっても結末は辛いものだけど、
精神的に落ち着く結果だったのは家族にとっては良かったと思います。
こんな言い方は残酷かも知れないのですが…。
物語の母親自身も、辛い結果でも「良かった」という言葉を口にします。
願わくば、こんな事件に巻き込まれないよう若い人達も自身を律して生きて欲しい。
丸投げ感の無い納得できる終わり方なので観易かったです。
ちなみに、原作者 雫井脩介氏の作品では何と言っても『犯人に告ぐ』が大好きです。
こちらは原作も面白かったし、原作をアレンジしてる映画も大変良かった!お薦め作でした。
…って何で違う映画お薦めしてますのん!(;^_^A