映画/オペラ座の怪人(2004) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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2022(12)2022/1/18観:WOWOW放送

(初観:2005/1/27:試写会=Tジョイリバーウォーク北九州)

『Le Fantôme de l'Opéra』  2004年  アメリカ×イギリス合作  143分

原作/ガストン・ルルー

監督・脚本/ジョエル・シューマッカー

脚本・製作・作曲/アンドリュー・ロイド=ウェバー

製作総指揮/ポール・ヒッチコック 他

美術/アンソニー・プラット

撮影/ジョン・マシソン

編集/テリー・ローリング

音楽スーパーバイザー・指揮/サイモン・リー

音楽共同製作/ナイジェル・ライト

振付/ピーター・ダーリング

衣装/アレキサンドラ・バーン

【キャスト】

ファントム/ジェラルド・バトラー

クリスティーヌ/エミー・ロッサム

ラウル/パトリック・ウィルソン

マダム・ジリー/ミランダ・リチャードソン

メグ・ジリー/ジェニファー・エリソン

フィルマン/キアラン・ハインズ

アンドレ/サイモン・カロウ

カルロッタ/ミニー・ドライヴァー

【あらすじ】1919年パリ。廃墟となったオペラ座で映画を忍ぶ品々のオークションが開催。老子爵ラウルは亡き妻クリスティーヌの思い出に繋がるその場所を訪ね、かつてオペラ座のバレエ教師だったマダム・ジリーと再会。2人の目当ての品はシンバルを持つ猿のオルゴール。その持ち主は凡そ50年前、オペラ座で凄惨な事件を起こした「ファントム」と呼ばれる男だった・・・。─ 1870年、音楽家の父を幼くして亡くし天涯孤独のクリスティーヌはオペラ座の練習生でコール・ドを務める16歳。マダム・ジリーの娘メグと親友同士。だが彼女にも秘密の「音楽の天使」から指導を受けていた。そしてプリマドンナ・カルロッタの代役としてソロとして歌う事に。そのステージを客席から見つめる若きラウル子爵は、実はクリスティーヌの幼馴染だった。再会と共に恋が芽生える2人の間に立ちはだかる者が。彼こそ「音楽の天使」であり怪人ファントムであった・・・。

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シアター鑑賞したミュージカルの中では一番好きな作品、久々に再観しました。

試写会に当たってバッチリはまり、その後3回リピートしたほど好きな映画でした。

あの頃は元気やったなあ(しみじみ)。その後TV他では観ていませんので実に17年ぶり。

 

ゴシックホラー好物お子ちゃまゆえ、学校で原作は読んでおりました(詳細うろ覚え)。

それだけにあの怪奇物を、よくここまでロマンティックなメロドラマ(適度にサスペンス)に

アレンジするなんて、ロイド=ウェバー天才!・・・と初観当時の感想に書きなぐってます(笑)。

クライマックスで、クリスティーヌがファントムにキスをし、ファントムが涙を流すシーンで

一緒に泣いたものでした。 マスクを取られ醜い素顔を晒しながら真に美しい場面です。

 

派手なミュージカルらしく導入から見事な演出が目を引きます。

1919年をモノクロで、そして有名なテーマ曲と共に巨大シャンデリアが持ち上がり

1870年の煌びやかなオペラ座がカラーで蘇ってゆくシーンは心をかき立てられました。

全編、音と光の洪水といった感じ。ファントムが棲む暗い地下でさえ灯り溢れてます。

 

さて主演は今じゃすっかりマッチョなジェリー兄貴。この頃の少し細身の彼が好きだった(遠い目)。

原作の怪人(本名はエリック)は顔全体が妖怪だけど、ジェリー・ファントムは左半分美形♪

完全に反則技です。醜い部分だけ隠すマスクもおしゃれなデザインでした。

 

ヒロインを演じるエミー・ロッサムは当時17歳にも関わらず見事な歌唱力。

親友役のジェニファー・エリソンとデュエットする「音楽の天使」が私の一番好きな曲です。

ヒロインの初舞台のコスチュームと髪飾りは殆どシシー(皇妃エリザベート)。

ラウル役のパトリック・ウィルソンもブロードウェイに立つ程で歌唱は見事でした。

ジェリー兄貴だけが何だかオペラでなくロック調だったのが斬新で素敵(笑)。

 

原作の怪人は最後に死んでしまうけれど映画ではそこを暈した演出で

1919年のクリスティーヌの墓に黒いリボンの赤い薔薇が一輪置かれたラストシーン。

そんな風に薔薇を彼女に贈っていたのはファントムだった。彼は今も・・・・・・

と、ロマンティックな余韻にも感動が蘇って暫し浸りました。

 

映画の本当のタイトルは英語ですが、原作のままフランス語で表記しました。

『Le Fantôme de l'Opéra(ル ファントム ドゥ ロペラ)』は1909年に発表され

日本語訳は1930年の『オペラの怪』(田中早苗氏訳)とのことですが

一体いつから『オペラ座の怪人』という邦題になったのか分かりません。

『Le Petit Prince』を『星の王子さま』と訳した仏文学者の内藤濯氏や

『Anne of Green Gables』を『赤毛のアン』と訳した村岡花子氏と同様にセンスが素晴らしい!

誰が付けたのか探索中です♪ご存じの方、どうぞ教えてくださいませ。