皆様、ごきげんよう。お住まいの地域は台風の被害に遭っていないでしょうか。くれぐれもご用心ください。毎度のろまな更新でご無礼しております。昨日書きかけたままだった『おばけ屋敷』第1弾をお届けします。今年のテーマは「子供」です。

MAMA ─ ママ
2013年 スペイン×カナダ合作 100分監督・原作/アンドレス・ムスキエティ
脚本/ニール・クロス×アンドレス&バルバラ・ムスキエティ
EP./ギレルモ・デル・トロ
撮影/アントニオ・リエストラ
編集/ミシェル・コンロイ
美術/アナスタシア・マサロ
音楽/フェルナンド・ベラスケス
衣装デザイン/ルイス・セケイラ
【キャスト】
アナベル(ロックバンドのメンバーだった)/ジェシカ・チャスティン
ルーカス(イラストレーター・アナベルの恋人)/ニコライ・コスター=ワルドー
ジェフリー(ルーカスの兄・投資会社を経営)/ニコライ・コスター=ワルドー(二役)
ヴィクトリア(ジェフリーの長女)8歳/ミーガン・シャルパンティエ
3歳/モーガン・マクガリー
リリー(ジェフリーの次女)6歳/イザベル・ネリッセ×1歳/マヤ・ドウ
ドレイファス博士(精神科医)/ダニエル・カッシュ
ジーン(ヴィクトリアとリリーの大叔母)/ジェーン・モファット
バンジー(森のハンター)/デイヴィッド・フォックス
ロニー(森のハンター)/ドミニク・カッゾクレア
ドレイファスの秘書/エルヴァ・メルフーヴァー
ルイーズ(公文書館の職員)/ダイアン・ゴードン
尼僧/パメラ・ファロート×クリス・ホブス
イーディス・ブレナン(MAMA)/ハビエル・ボテット
MAMAの声/ローラ・ガットラス×メリナ・マシューズ
投資会社経営に失敗したジェフリーは精神に恐慌を来たし、共同経営者と妻を殺害。幼い娘達を伴い逃走する。雪の中 深い森林の奥で荒れ果てた小屋に辿り着き無理心中しようとするが、怪異により殺されてしまう。3歳と1歳の幼女達は状況を理解できないまま無人の小屋に取り残される。─それから5年 ジェフリーの弟ルーカスは事件後行方不明のままの兄と姪達を探索し続けていた。ある日、ルーカスに依頼されたハンター達が山奥の廃屋を発見。そこには獣同然の少女達がいた。精神科医の治療を経て叔父とその恋人の保護下で暮らすことになった二人の少女たち、不明当時まだ赤ん坊だった次女は普通に言葉を発しようとせず、ただ押し殺した声で「ママ・・・」と繰り返すのみだった・・・。
※新作ではないので多少ネタバレします。 |
ギレルモ・デル・トロが製作総指揮のホラー映画ならという安心感から鑑賞。監督もアルゼンチン人のムシエッティ、私はスペイン系のホラー映画と相性が良いのです♪細かい点に「?」はあるものの、スプラッタとか造形がエグい系でないので良いです。
冒頭から狂った父親の暴走が炸裂、如何にもな廃屋に辿り着き長女のヴィクトリアが「パパ、女の人がお空に浮かんでるよ?」などと無邪気に問いかけ(「女の人」の映像は無し)ゾッとする想像が膨らみますが、パニくったパパちっとも聞きゃしない!お約束通り最初の血祭りに。取り残された子供達に暗闇からサクランボを転がす誰かが
・・・・・・と、ちらっと見える「ママ」がおるやん~
・・・・・・と、ちらっと見える「ママ」がおるやん~
5年経って発見された少女達は殆どアヴェロンの野生児状態でした。ヴィクトリアはすぐに言葉が話せたけれど(3歳なら忘れると思うけど・・・)、リリーは動物さながらの状態。この6歳のリリーを演じた子役が上手過ぎです!彼女の視線の先に「ママ」がおるんや~と思わせる目芝居がタダモノじゃない。

ルーカス叔父ちゃんの恋人が母親代わりを努めるも、彼女はロックバンドをやっててビジュアル系風のメイクと腕にタトゥーという出で立ち。子供達の大叔母(母親の叔母)は司法の許可に納得がいきません。実は精神科医ドレイファス博士が特異な症例として観察する為、支援と協力を申し出た事がルーカス側に有利に働いたのでした。提供された立派な一軒家で疑似家族の生活がスタート、と思ったら叔父ちゃんたら呆気なく「ママ」にKOされて病院送り。全く男って役に立ちゃしねえ!(こらこら
)

ルーカスの恋人アナベルはサバサバした性格なので、甘ったるい事はしませんが、見た目ほどドライじゃなく子供に向き合う姿勢で好感が持てます。ジェシカ・チャスティンなので優しい雰囲気が自然に出てるのかも知れません。

ドレイファス博士は「ママ」は極限状態に置かれた子供が作り上げた人格、つまり多重人格ではないかと考えます。しかしアナベルは、家の中で「ママ」の気配怪異現象を目撃します。次第に子供達を怪しい者から守ろうと必死になっていくアナベル、ガンバレ!と応援したくなります。
そして怪異の起こりを探って行くお約束の展開。分かり切った事柄ですが、こういう進行で如何にゾクゾクさせてくれるかが演出の腕の見せ所♪まあ、その辺はあんまり特筆できる程のでなく定番な感じ(笑)。
「ママ」と思われる人物が120年以上前にいたらしい事実が判明。彼女の名はイーディス。公文書館の記録では1887年に閉鎖された精神病院の患者で赤ん坊を産んで間もない母親だったと。ここで既に「ママ」の目的とか何で化けて出るのか想像出来ちゃいますね(笑)。ですが資料として残ってる生前の写真が非常に恐い! 流石は「ママ」!
この「ママ」を演じたのがスペイン系の男優というのがオドロキ!独特の、手足が異常に細長い体型で「ママ」の恐さを存分に魅せてくれます。
この「ママ」を演じたのがスペイン系の男優というのがオドロキ!独特の、手足が異常に細長い体型で「ママ」の恐さを存分に魅せてくれます。

叔父ちゃん不在でもドクターが頼みになるかも・・・とは、観馴れてくると誰も思いませんよね~(笑)。あの深い森に何か秘密が?と出かけるドクター。あんたは精神科医か児童心理学者じゃなく、心霊研究家だったのか???と軽く迷走を感じましたが、とにかく「ママ」の姿が明らかになる重要シーンでした。ドクターを襲う「ママ」の見せ方が非常にきれい、尚且つ恐いです!
ちょっと犠牲の数が少ないか?何せまだパパとドクターしかヤってない(こらこら)、という訳で親権を争うシーンでチラッと登場の大叔母ちゃんが「パンクで子育てした事ない女がちゃんとやってるか?」粗探しに再登場。もう飛んで火にいる夏の虫とはこの事です。(≧∇≦)ノノノ☆☆☆
大叔母ちゃんに憑依した「ママ」は車も運転できちゃうんで、問題の廃屋に再び子供達を連れ去りました。アナベルは子供達を救う為に「ママ」に真っ向勝負を挑むます。正に大岡裁きみたいな展開に(子供を取り合う二人の母親が引っ張り合うって話)。
いろいろあって山場のシーンに参加する叔父ちゃん(笑)、最後くらいはビシッと子供達を守って欲しいものですわ。生きている親代わりと死の世界の「ママ」、果たして子供達はどちらの手に?? もし興味を持たれた方は本編をご覧下さいまし。スペイン系ホラーは恐いだけじゃなく哀愁を醸し出すラストで切ない後味も・・・。

冒頭から暴走するパパと、てんで役に立たない叔父ちゃんの二役を演じたのはニコライ・コスター=ワルドー。「オブリビオン」で主役より風森のハートを鷲掴みにしたイケメンです
パパが「ママ」に登場10分?20分?で始末された時には「ぎょえええええ!勿体ない!」と叫びましたが、その後すぐ弟として登場。叔父ちゃんがパパとそっくりというのも長女が家族を思い出すポイントとして描かれていました。しかし何で男って弱・・・(以下自粛♪)。

