大江山酒天童子(1960) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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皆様、ごきげんよう。最近、無料動画でも映画を観ている風森です。観たいと思える作品を無料の中から探すのは発掘に似て楽しい♪(いや、無料ってのが一番心引か・・・)本作もその中から見つけた一本です。

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大江山酒天童子 ─ おおえやましゅてんどうじ

1960年  日本映画  114分
監督/田中徳三(『眠狂四郎殺法帖(1963)』)
原作/川口松太郎
脚本/八尋不二
製作/永田雅一
撮影/今井ひろし
編集/菅沼完二
美術/内藤昭
音楽/齋藤一郎
【キャスト】
酒天童子・備前之介(藤原政権に反旗を翻す)/長谷川一夫
源頼光(関白藤原氏の臣下)/市川雷蔵
渡辺綱(頼光の側近。四天王の一人)/勝新太郎
坂田金時(同上)/本郷功次郎
卜部季武(同上)/林成年
碓井貞光(同上)/島田竜三
菊王丸(頼光の小姓)/中村豊
大和守(藤原氏に意見できる貴族)/二代目中村雁治郎
こつま(綱の妹、頼光の恋人)/中村玉緒
渚の前(関白に奪われた備前之介の元妻)/山本富士子
茨木童子(大江山の賊、妖術使い)/左幸子
袴垂(大江山の賊)/田崎潤
鬼童丸(袴垂の手下、妖術使い)/千葉敏郎
土蜘蛛(大江山の賊、妖術使い)/沢村宗之介
藤原道長(関白)/小沢栄太郎
安倍晴明(陰陽師)/荒木忍

平安末期(10世紀)の京の都。栄華を誇る関白道長の愛妾 渚の前は、妖魔に魅入られ度々藤原の屋敷は襲来される。道長は治安を守る為として、大将源頼光に渚の前を下げ渡す。渚が頼光の屋敷に移った夜頼光の側近・渡辺綱は夜道で典雅な婦人と出会う。その正体は鬼の茨木童子であり、奮闘の末 綱は茨木の片腕を切り落とす。しかし、伯母に化けた茨木に腕はまんまと取り返されてしまう。道長は妖怪討伐を頼光に命じる。鬼の首領は大江山に棲む酒天童子と呼ばれていたが、その正体は渚の前の夫であった橘備前之介だった・・・。

どうしていきなり古いジャパニーズ・ファンタジーを鑑賞したかと言いますと、少女であった太古の昔『大江山花伝』という少女漫画が好きで、茨木童子を主人公とするストーリー(確か二編くらい)を読んでいたからでした。
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物語の元ネタとなった酒呑童子という鬼の伝説については、ちらほらと幼児期から金太郎さんの絵本で読んでいたんじゃないかな~というくらいの記憶と、簡単な粗筋くらいの知識です。

本作はそれらの伝説をモチーフに、60年代の大映が威信をかけて製作したオールスター・キャストの娯楽作品。さすがにCGを観慣れた目に、鬼や土蜘蛛といったモンスターが幼稚な演出に見えます。3Dや4DX流行りの現代こそ、日本の古典ファンタジーをどんどん実写化すると面白いのに。今や、絵コンテが既に出来ている漫画の実写化が多く、技術は凄いけど独創力は・・・(以下自粛!)。

さて、オールスターだけに名前ならば知っている大スタアばかり出演しています。
市川雷蔵様の映画を初めて観ました。また、アイドル時代(?)の中村玉緒さんが、目の覚める様な愛らしさでビックリです(そりはもの凄~く失礼なっ!爆!)。この頃、お付き合いされてたのか?御主人の勝新太郎さんと兄妹役で、もしかすると当時のマスコミがアンジー×ブラピみたいに大騒ぎしたかも知れませんね。

少女漫画の「大江山花伝」(宝塚歌劇団が舞台化しています)では、茨木童子は女と見紛う程の美青年、幼馴染の人間の娘との異種族悲恋が描かれています。渡辺綱から腕を取り返す下りは元ネタ通りです。

そして本作「大江山酒天童子」は、天下の大スタア・長谷川一夫様が主演なので、「酒呑み」ではイメージダウンと嫌ったのか「酒天童子」と字を変え、鬼でなく志高い武士が正体です。また、茨木童子は美しい女性(本性は鬼)という設定になっています。若い頃の左幸子さん、田中麗奈さんに似てるな~と感じました。

お目当ての雷様は、長谷川様や勝新様や他のスタアさんのメイクがあまりにも濃・・・、いえ、主張が素晴らしいので?とっても地味(爆!)。それが逆に爽やか印象でやっぱり好みですわ~。

日本映画が華やかだった頃の雰囲気たっぷりの映画で面白かったです。・・・と言う訳で雷様出演作初観賞記念♪(ど~ゆ~タイトルだよ!汗!)久々に「勝手にキャスティング♪」で遊んでみたいと思います(次頁につづく♪)