みなさま、こんにちは。
子供たちが日本と世界について英語と日本語両方で表現できるように真のバイリンガルを目指す勉強会を主催してますKayです。
このブログは海外生活の長い息子が当時中1で英語の方が強くなりかけた頃、日本語維持のために日英両方バランス良く思考力が身につけられればと始めた小さなオンライン教室の様子を綴っています。
今ではクラスも増え、世界中の帰国生中心に楽しく日本語や英語で深く考え、英語の文章力を一緒に研鑽しています。
教材は新聞のコラム「天声人語」をメインに使用しており、英訳したり、コラムのテーマから英検や帰国編入対策にもなるエッセイを書いております。
今週はエッセイの週で比較的身近なテーマである食料問題を扱い、イントロダクションでは数字を効果的に使うテクニックを紹介します。
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トランプ大統領、ついに就任して、色々とニュースになってますね!
今日もトランプ大統領に少し関係のあることかもしれません。
では早速コラムを読んでいきましょう。
(子供達とまずこれを日本語で読んでいます。私のグループレッスンでは新聞のコラムなどを読み、それを英訳したり、それに関連した英検形式などのエッセイを書いています。今週はエッセイです。)
今回のコラムを理解するためには読者の最低限の知識が試される、知的なジョークや引用が散りばめられている、面白い文章です。
人間が「考える葦(あし)」ならば、タコは「考える足」である。
で文章が始まります。
「考える葦(あし)reed」と言ったのは17世紀のフランスの哲学者のパスカル、著書「パンセ」の中の言葉で人間は自然のうちで最も弱い一本の葦(あし)にすぎない。しかしそれは考える葦である」と言ったそうです。
自然界の中で唯一の考える生き物の人間の偉大さを語ったわけです。
葦はススキみたいな草で、それと足をかけたんだね
賢人アリストテレスの『動物誌』
という言葉が出てきましたが、アリストテレスは紀元前6世紀ごろのギリシャの哲学者。
名前聞いたことある??
聞いたことのある生徒(中高生)はいませんでした。
それまではギリシャ神話を中心とした学問だったのが、自然哲学というちょっと科学的な考え方が広まり始め、動物に関する本まで書いてたんですね!!
ギリシャ哲学では他にソクラテスとプラトンが有名。
ソクラテスは「無知の知」"recognition of one's own ignorance"を提唱したことでも有名です。
みんなもない?
色々とやればやるほど、自分はまだ未熟だと実感することって??
サッカーなどのスポーツ、勉強などでもそういう気持ちになる、と子供たちも共感してくれました。
私も英語はやればやるほど自分の未熟さに自己嫌悪になります
小売と卸売価格
retailとwholesaleについてや
需要と供給
supply and demand(順番に注意!)
についても少し説明
タコよ、お前もか
は「ブルータス、お前もか」という古代ローマカエサルが部下のブルータスに裏切られた時に言ったとされる有名な言葉から来ています。
「タコ、お前も値上げするのか!」
と大袈裟に嘆いているのが、なんだか笑えますよね
実際、先週はキャベツやレタスの値段がスーパーで一つ600円などと、本当に食品の値段は上がっています。
手を組み、足を組んで、2本足の胃袋の貪欲(どんよく)さを嘆いているに違いない
8本の手足を絡ませながら嘆いているタコの姿を想像すると、これまた笑ってしまいますよね
「2本足の胃袋」って誰の胃袋のこと??
「人間!?」
その通りです。表現が面白いですよね。
そして、高価な海の幸も、夜になればスーパーで廃棄されてしまいます。
どのぐらい世の中の食べ物って捨てられているか知ってる?
農林水産省(2018)によると、世界の食品ロスは13億トン、
全食料の三分の一!
だそうです。
日本は600万トン、そのうち、事業系が54%、家庭が46%
驚くほど、家から出る無駄が多いんだね!
私は賞味期限切れても結構食べちゃってほとんど捨てないけれどね
それだけ、捨てられているのに、世界中に飢えに苦しんでいる人はいるよ。
現在世界で飢餓や栄養不足に苦しんでいる人は約8億人
全世界の人口の9分の1ぐらい。
だから、捨てられた3分の1の食料があれば、世界に飢えはなくなる計算!
ハンガーマップと言われるFAOの地図、みてみてください。どこが飢餓に苦しんでいますか?
予想通り、アフリカ、インド、あとは南アメリカも多いですね。
「FAOだ、この前模擬国連でやった」
と言ってくれた子も。。。
そして
「え!!!日本は白じゃない!!」
気づいてくれた子がいました
そうなんです。私もこれを見てショックだったんですが、
なんと、日本も薄ピンク色がついています。
母子家庭中心に貧困家庭の問題になっていたり、子ども食堂とか、給食が唯一の栄養源である子供がいる、というニュースを見たことがありますが、ショックすぎませんか??
地図をクリックすると年々増えていることがわかり、人口の3%が栄養が足りていないという。。。
先進国、消費社会 consumer societyで廃棄される食料をきちんと分配できれば、Hungerに苦しむ人は出ないはずです。
一体どうしたらこの矛盾に満ちた状況を解決すればいいのか??
私の夫は現在、ヨーロッパのベルギーに一人で住んでいるのですが、Too good to goというアプリが便利で使っているそうです。
Too good to go
夕方に今日中に売り切れなさそうな食品の値段を下げて販売し、それを登録者は簡単に調べることができます。
日本の同じようなサービスの会社ができたようです。
早速登録してみました。
お得に買えて、社会貢献した気分にさせてくれる良いアプリだと思います。
コラムの最後はビートルズは名曲「オクトパス・ガーデン」で締めくくられています。
いやはや、タコをネタに様々な引き出のあるコラムニスト、さすがです。
そして、今回のエッセイのテーマはこちら
"Governments should do more to combat rising food prices. Agree or disagree?"
一瞬当たり前じゃないか、Yes、Agreeだ、と思いますし、ほとんどの子がYesでエッセイを書くことにしたのですが、このエッセイの問題形式、ちょっとややこしいのです。
この問題のAgreeとDisagree、Disagreeの場合
「政府が」食品の金額を下げることに協力することに反対な場合もあるでしょうし
そもそも、食品の値段はあげたほうが良い場合も反対ですよね。
「食品の値段をあげたほうが良い、と考える人なんているんですか?」
そういう考え方もあるんですよ。
そもそも日本の食料自給率がすごく低いの知ってますか?
つまり、私たちが食べる食品の何%が日本製だと思いますか??
世界と日本の食料自給率
カローベースでは40%切っています。
つまり、日本は島国ですから、戦争や災害などパンデミック、何かの理由で輸送手段がなくなると、毎日食べている食事カロリーの60%は得られなくなるということ!!
怖くないですか??
なぜ、自給率が低くなるのか?
それはまず、日本では農業に携わる人が少ないから。
農家は大変だけど儲からない仕事だからです。
それなら、もっと食品の値段をあげて、農家の人にお金をあげるべきではないでしょうか?
そして、外国の食品のほうが安いからです。
私が昔住んでいたトルコは食料自給率が100%を超えていました。
輸入品にはものすごく高い関税がかけられていて、メープルシロップや醤油などは輸送費などは変わらないであろうドイツの3倍の値段で売られていました。
トランプ大統領はアメリカを守るため、関税をあげる!と宣言しています。
ちなみにカロリーベースの自給率は正確には英語で
calorie-based food self-sufficiency ratio
と言います。
でも、食品の値段が上がって困っている人がほとんどですから、シンプルに、Agreeにして書いてくれて、もちろん大丈夫ですよ!!
今回は食料関連で色々な数字をあげました。
みんなメモをとっておいてくださいね。
そして、イントロダクションにその数字を使い、自分の主張をサポートできるような数字をイントロダクションに使ってみましょう。
食品廃棄の数字でもいいし、飢餓の人数、日本人のことでもいい、食料自給率のことでもいい
とにかく食料問題大変!
このエッセイ面白そう!と思わせるようなイントロにしてみましょう。
このテクニックを
Fascinating numbers
と呼びます。
みなさん色々な意見が出ました。
政府は食料問題の教育に力を入れるべきだ
食品の税金を下げるべきだ
などなど。
難しいテーマですが、良いエッセイ、期待してます!!
イントロダクションに数字を使うことを忘れないでくださいね!!
最後にコラムにあった「タコは賢い」ということを証明するようなネットフリックスの人気ドキュメンタリー、ご存知でしょうか?
ネットフリックスmy octopus teacher
毎日タコに会いに行って関係を築いていく男の話みたいです。
その番組が原因かどうか知りませんが、カルフォルニアではタコ養殖を禁止したそうですよ!!
賢い動物でなければ食べてもいいのか?
これまた別のエッセイが書けそうですね。
では、また来週!!
実況中継終わり。
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今回授業を準備していてFAOの栄養不足の日本人の数字には本当に驚きました。
自分でできることはなんだろう?
まず、食べ物を捨てず、使い切ること。
今通っているジムが不要の食品を集めているので、そういう活動にも参加したいし、授業で紹介したfood wasteを減らすアプリも活用してみたいです。
子ども食堂などでの活動、やってみようかな?
子供達には紹介していませんが良記事だったのでこちらに貼っておきます。
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kayvoxtakeuchi@gmail.com
My commitment to my cause is teaching both English and Japanese to children, empowering them to bring peace to the world.
最後までお読みくださりありがとうございました。