みなさま、こんにちは。

世界で活躍する英語力を身につけていただくため英語のオンラインレッスンを主催しておりますKayです。

 

 

このブログは海外生活の長い息子が当時中1で英語の方が強くなりかけた頃、日本語維持のために日英両方バランス良く思考力が身につけられればと始めた小さなオンライン教室の様子を綴っています。

今ではクラスも増え、世界中の帰国生中心に楽しく日本語や英語で深く考え、英語の文章力を一緒に研鑽しています。

 

 

教材は新聞のコラム「天声人語」をメインに使用しており、英訳したり、コラムのテーマから英検や帰国編入対策にもなるエッセイを書いております。

 

 

今日は私が最も日本社会において関心の高い事柄の一つである「死刑制度」について子供達と考えてみたいと思います。

 

重たいテーマゆえ、拒絶感がある子には「京アニ事件と青葉被告に死刑判決が言い渡されたコラム」の英訳を選択肢に与えました。

 

 

 

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おはよー、こんにちは~、こんばんは!

 

今日のコラム読んでみた?

 

京アニの事件、みんな知ってた!?

 

 

海外に長く住んでいる子たちも、ほとんどが京アニの放火事件のことを知っていましたが、確認のため、まずコラムの前にNYタイムズのこちらの記事で復習。

すぐ読める短い記事です。

 

 

 

 

続いて今日のコラムはこちら。

(子供達とまずこれを日本語で読んでいます。私のグループレッスンでは天声人語を読み、それを英訳したり、それに関連した英検形式のエッセイを書いています。今週は英訳またはエッセイです。)

 

 

青葉被告が感銘を受けた「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」は英語のタイトルはThe Melancholy of Haruhi Suzumiya と言います。

 

(私の生徒さんのうち二人がタイトルを知っていて、一人は見たことがあるとおっしゃっていました。)

 

 

 

「逆恨み」とはどういう意味でしょうか。

日本語では最初は好きだったのが、逆に正当化されない理由で嫌いになってしまうことを言います。

 

 

英語では「正当化されない」部分が強調され、

unjustified resentment 

と言うようです。

 

 

「死刑判決が下される」は英語で sentence to death と言います。

 

 

コラムにある「被害者参加制度」は被害者が比較的簡単な手続きで裁判に出席することを可能にする制度ですが、被害者の感情的な訴えが裁判官に冷静さを失わせ、被告に不利になるのではないか、といった賛否両論があります。

 

ただ、この被害者の夫は妻の無念を被告の目を見て「青葉さん」と直接語りかけ、被告からこれまでなかなか出てこなかった謝罪の言葉を引き出したのは大きなことだったのでしょう。

 

 

「追悼」は亡くなった方への悲しみを伝えること。

condolenceです。

 

 

 

 

 

そして、今回は、このコラムを英訳してくれてもいいのですが、是非、以下のエッセイにチャレンジしてみてください。

 

 

Should the capital punishment be abolished worldwide?

 

 

capital punishmentはdeath penaltyと同じで死刑です。

日本語でも死刑を最も厳しい刑という意味で極刑という言い方をします。

 

 

欧米や民主国家の多くは死刑が非人道的な刑罰ということで廃止されていますが、日本は国民の8割が賛成(「反対ではない」も含む)しており、死刑制度を維持しています。

それを日本含め世界中で廃止(abolish)すべきかどうかです。

 

 

 

皆さんはどう思いますか?

 

 

とても難しいと思いますが、正解のないことですから自由に直感でも良いので意見を言ってください。

 

 

(女子生徒が廃止すべき、男子生徒は維持して良いという意見が多かったです。)

 

 

私は普段は皆んなの意見に影響を与えたくなかったり、正直「どちらとも言えない」ということが多く、なるべく中立に、自分の意見は言いませんが、今回は言います。

 

 

私は死刑に反対です。

 

 

一つ目の理由はこの動画をみてください。

 

 

3:20から6:20ぐらいまで。

アムネスティインターナショナルの人の英語の発音は聞き取りにくく、内容もあまりないので笑い泣き、キャスターの発言に注目してください。

 

 

袴田被告は冤罪の可能性が高いようです。

 

戦後、他にも死刑判決をされた人が無罪になったことがあります。

 

しかも、検察側が証拠を捏造(偽造)したかもしれないというのですから、信じられません!!

 

 

この動画にあるように、日本は一度逮捕され、有罪になる確率conviction rateが99%と非常に高い。

 

 

警察が優秀とも言えるけれど、逆に逮捕されたのに無罪になってしまうと警察、検察は過ちを認めにくい状況なので、なんとか捕まえた人は犯人にしたいのです。

 

 

自白、 confessionが大切な証拠になってしまうことも問題ではないかと言っています。

厳しい取り調べなどで、やっていなくても「やった」と言ってしまう人がいるようです。

 

 

 

 

私が死刑反対のもう一つの理由は、このコラムにあるように、犯人の残虐な犯行が本人だけの責任ではないと思うからです。

 

 

青葉被告は幼い頃から父親に信じられないような虐待を受けていましたし、その父親も自殺、経済的にも恵まれていませんでした。

 

 

そういう恵まれない人を助けるための日本の福祉が不十分なのではないでしょうか!?

 

 

そうは言っても、大人になれば自分の行動に責任を持たなくてはいけない。

恵まれない環境の中でも必死に努力する人だっています。

 

 

ハリポタ作家JKローリングがハーバードの卒業式で言った有名な言葉

(自分の子育てが間違ってたのではないかと不安になると、この言葉を思い出します笑い泣き笑い泣き

 

I do not blame my parents for their point of view.

There is an expiry date on blaming your parents for steering you in the wrong direction.

(私は両親の価値観を責めはしません。親が間違った方向に子供を導いたと責めるには消費期限があり、もう過ぎているからです)

 

からすれば、本人の努力不足ということになります。

 

 

「廃止すべき」という意見ばかりになってしまうので擁護派の人のためにも、今回の死刑判決の文章を読んでみましょう。

 

裁判長が読む「判決文」、大事な裁判だから新聞に載ってました。

 

裁判官にはどうやってなれるか知ってる?

(司法試験の仕組みや、3段階ある裁判所の仕組みなども説明しました)

 

 

判決文誰か読みたい人いる??

 

希望した生徒さんに裁判官になったつもりで後半の部分を読んでもらいました。

 

動機の形成に妄想性障害が影響し、犯行の経緯や背景に被告を責められない面がないとはいえないこと、一応の反省の情を示し、改善可能性がないとはいえないことなどを最大限考慮しても、死刑を避ける事情を見いだすことはできず、死刑をもって臨むほかない。

 

 

 

 

死刑廃止賛成、死刑反対の生徒さんの中には

死刑が残酷で、執行する人の精神的ストレスを理由に挙げている人もいました。

 

 

 

絞首刑で、3つのボタンを3人の刑務官が押して誰のボタンが直接繋がっていたかがわからないようになっているシステムを知っていて話してくれた子もいました。

 

 

 

また、他の死刑反対の生徒さんの中に

 

「国が殺人を犯していいのか?」

 

といったような素晴らしい発言してくれる子がいました。

 

 

まさに、ここは私も思っていること。

 

 

いかなる場合も人は人を殺してはいけない。

 

 

私だって自分の家族が殺されたら、犯人を殺したくなるだろうし、自分の代わりに国に殺して欲しいと思う。

 

 

でも、国民はダメで国家が殺人を犯していいのか?

 

 

国家が殺人を犯していい、という考えは戦争を正当化するし、暴力的な考えを生むような気がするし

 

「絶対どんな理由でも人間を殺さない。」というのが、進化した人間の形なのではないかと思う。

 

 

もちろん、正当防衛はどうするのか、ということもある。

 

 

時々戦争のルールについて議論されたりするけれど、そもそも戦争は合法的な殺人な訳で。

 

 

死刑が凶悪犯罪の抑止力になる部分は多少はあるのかもしれない。

無期懲役狙いで殺人は一人までにして、刑務所で一生生活しようとする人もいるのかもしれない。

 

 

でも、「刑務所の方が食事も屋根もあってましだから、そんな甘い罰はNG」というのはおかしい。

 

 

国は全ての国民に最低限の福祉、刑務所よりはましな生活、生活保護を提供すべきだし、生まれてきて良かったと思う国づくりをするべきだと思う。

 

 

今、8割が死刑に賛成という日本人も、情報不足だったり、議論の場がなく、なんとなく。。。ということも多いのではないかと思うので

 

 

色々と議論をした上で、死生観、宗教的価値観なども含め、欧米に影響を受ける必要はなく、きちんと日本人なりの法律を作っていけば良いのではないかと思いますが、皆さんはどうでしょうか。

 

 

ではでは、完成したエッセイを読むのを楽しみにしています。

またねー!!!

 

(実況中継おしまい)

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子供達と話しているうちに

自分自身も色々なことを考えてしまいました。

 

日本は死刑制度はあるけど、戦争は憲法9条に守られまだ関与していない。

欧米は死刑は廃止しているところが多いけれど、戦争をしている。

 

死刑も戦争も「悪いやつは殺していい」という理論です。

 

理想論だけでなく、人類が成熟した社会に進化していって欲しいと思います。

 

While Europe does not justify the death penalty, it does justify wars.

Both are based on the belief that bad people should be killed.

I hope that one day the intelligence of humanity will reach a level where we never kill each other, no matter what.

 

いかなる場合も人を殺すことを合法化してはいけないのであれば

 

「安楽死はどうなるのか?」

 

「死ぬ権利は?」

 

YES・No答えがはっきりしなくて考え続けること

 

いわゆる Negative Capabilityに価値があるのかもしれません。

 

 

議論は尽きないです。

 

「安楽死」も子供達と一緒にいつか取りくみたいテーマの一つです。

 

中学生にはこれまたもっと難しすぎるかなー笑い泣き

 

 

死刑制度に関して(特に私とは逆の賛成の意見を聞いてみたい)でコメント歓迎です!

 

 

 

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最後までお読みくださりありがとうございました。