分詞とは、動詞の変化形のひとつ。

 

過去や現在といった時制を備えながら、

動詞が形容詞の役割をもつように変化したものです。

 

英文法ではおなじみの現在分詞、過去分詞。

 

英語では現在分詞は「~している」を意味し、

 

A girl is sleeping

  のようにbe動詞と合わさって進行形をつくったり、

 

A sleeping girl over there is my daughter. 

  のように名詞を修飾したりします。

また、英文法での過去分詞は、

「〜した・〜したことがある」(完了)や、

「〜された」(受け身)の意味を持ち、

 

I have already read the book.

  のように「have」と合わさって完了形を作ったり、

 

The book is read by many people.

  のようにbe動詞と合わさって受動態をつくったり、

 

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  のように、直接、名詞を修飾したりします。
 

 

スウェーデン語には、分詞が3つあります。

現在分詞、過去分詞、完了分詞です。

 

それぞれみていきましょう。

 

  • 現在分詞

英語の「be動詞+現在分詞」で表す進行形のような表現は、ありません。

「〜しているところ」という表現も、現在形で表します。

 

I am helping you.

 → Jag hjälper (助ける) dig.
 

He is eating food.

 → Han äter (食べる) mat.

 

また、「A sleeping girl」のように名詞を修飾する場合は、

 

多音節動詞(単語の中に母音が1つ以上ある)の不定詞に- ndeを、

単音節動詞(単語の中に母音が1つしかない)の不定詞に- endeを付けます。
 

ちなみに、現在分詞のこの使い方について

スウェーデン人に聞いたら「日常的にはあまり使わない…」とのこと。

 

a burning fire

 → en brinnande eld

   (不定詞: brinna 燃やす)

 

a walking man

 → en gående man

   (不定詞:gå 歩く、行く )

その他、例外のパターンもいくつかあります。


bli (become 〜になる)

 → blivande 
 

   例:en blivande fru 将来の妻(婚約中など、見込みがある人)

 

ha (have 〜を持っている)

 → havande 
 

   例:Jag är havande. (妊娠している)

 

 

  • 過去分詞

過去分詞は、主に、受け身(「〜された」)の形をつくる時に使います。

 

 英語の、

 The book is read by many people. 

 It is a lost book.  といった使い方と同じです。

 

スウェーデン語では、

動詞を過去分詞にするには、単語の語尾を変えます。

過去分詞も、現在形や過去形の変化のパターンと紐づいています。

 

形容詞の変化と同じく、

かかる名詞の性や数により、形が変わるのが特徴です。

 


en名詞ett名詞複数名詞にかかる場合の変化の例は下記の通り。

 

1: älska(愛する)

 

   - Jag är älskad.   (I am loved.)…en名詞と同じ変化

     - Barnet är älskat.   (The child is loved.)

         - Vi är älskade.   (We are loved.)
 

2a: stänga(閉じる)

   - stängd
         - stängt
         - stängda

 

2b: läsa(読む)

         - läst
         - läst
         - lästa

 

3:sy(縫う)

         - sydd
         - sytt
         - sydda

 

4:struka(打つ)

         - struken
         - struket
         - strukna

 

なお、受け身(受動態)の文章の作り方は、

次回詳しくみていきます。

 

 

  • 完了分詞
完了分詞は、主に、ha(英語のhave)とともに現在完了形を作るときに用いられます。
現在完了形とは、過去に生じたことや行なわれたことの結果や効果が、
必ず現在と何らかの関わりがあることを示します。
 
ha + 完了分詞 = 現在完了形」の例文をみていきましょう。
 
Johan har lagat bilen.  ヨハンは車を修理した。
 →(現在との関わりの例)
   今、その車は動く状態になっている

Erika har varit i Stockholm.  エリカはストックホルムへ行ったことがある。
 →(現在との関わりの例)
   彼女はその経験から、ストックホルムを案内できる
 
Jag har blivit förkyld.  私は風邪を引いた。
 →(現在との関わりの例)
   今、体調が悪い
 

動詞を完了分詞にする時も、単語の語尾を変える必要があります。

 

 

過去名詞とは異なり、名詞の性や数の影響は受けません。

 

 

  • まとめ

 

なお、これらのルールから外れる動詞もあるので、単語を覚えていく中で、

必ず現在形・過去形・完了分詞になる時の形を確認しましょう。