分詞とは、動詞の変化形のひとつ。
過去や現在といった時制を備えながら、
動詞が形容詞の役割をもつように変化したものです。
英文法ではおなじみの現在分詞、過去分詞。
英語では現在分詞は「~している」を意味し、
A girl is sleeping.
のようにbe動詞と合わさって進行形をつくったり、
A sleeping girl over there is my daughter.
のように名詞を修飾したりします。
また、英文法での過去分詞は、
「〜した・〜したことがある」(完了)や、
「〜された」(受け身)の意味を持ち、
I have already read the book.
のように「have」と合わさって完了形を作ったり、
The book is read by many people.
のようにbe動詞と合わさって受動態をつくったり、
This book written by J.D. Salinger is my favorite.
のように、直接、名詞を修飾したりします。
スウェーデン語には、分詞が3つあります。
現在分詞、過去分詞、完了分詞です。
それぞれみていきましょう。
- 現在分詞
英語の「be動詞+現在分詞」で表す進行形のような表現は、ありません。
「〜しているところ」という表現も、現在形で表します。
I am helping you.
→ Jag hjälper (助ける) dig.
He is eating food.
→ Han äter (食べる) mat.
また、「A sleeping girl」のように名詞を修飾する場合は、
多音節動詞(単語の中に母音が1つ以上ある)の不定詞に- ndeを、
単音節動詞(単語の中に母音が1つしかない)の不定詞に- endeを付けます。
※
ちなみに、現在分詞のこの使い方について
スウェーデン人に聞いたら「日常的にはあまり使わない…」とのこと。
a burning fire
→ en brinnande eld
(不定詞: brinna 燃やす)
a walking man
→ en gående man
(不定詞:gå 歩く、行く )
その他、例外のパターンもいくつかあります。
bli (become 〜になる)
→ blivande
例:en blivande fru 将来の妻(婚約中など、見込みがある人)
ha (have 〜を持っている)
→ havande
例:Jag är havande. (妊娠している)
- 過去分詞
過去分詞は、主に、受け身(「〜された」)の形をつくる時に使います。
英語の、
The book is read by many people.
It is a lost book. といった使い方と同じです。
スウェーデン語では、
動詞を過去分詞にするには、単語の語尾を変えます。
過去分詞も、現在形や過去形の変化のパターンと紐づいています。
形容詞の変化と同じく、
かかる名詞の性や数により、形が変わるのが特徴です。
en名詞、ett名詞、複数名詞にかかる場合の変化の例は下記の通り。
1: älska(愛する)
- Jag är älskad. (I am loved.)…en名詞と同じ変化
- Barnet är älskat. (The child is loved.)
- Vi är älskade. (We are loved.)
2a: stänga(閉じる)
- stängd
- stängt
- stängda
2b: läsa(読む)
- läst
- läst
- lästa
3:sy(縫う)
- sydd
- sytt
- sydda
4:struka(打つ)
- struken
- struket
- strukna
なお、受け身(受動態)の文章の作り方は、
次回詳しくみていきます。
- 完了分詞
Erika har varit i Stockholm. エリカはストックホルムへ行ったことがある。
→(現在との関わりの例)
動詞を完了分詞にする時も、単語の語尾を変える必要があります。
過去名詞とは異なり、名詞の性や数の影響は受けません。
- まとめ
なお、これらのルールから外れる動詞もあるので、単語を覚えていく中で、
必ず現在形・過去形・完了分詞になる時の形を確認しましょう。