派生金融(現物)商品とも呼ばれるデリバティブ取引には先物、オプション、スワップなどの種類がある。前回は先物取引を決済した場合、あるいは先物を抱えたまま決算を迎えた場合に「損益計上」することについて見た。今回は具体的な数字や仕訳について見る。


・当社はH22年3月1日に債券先物(額面10000、限月H23年6月30日)を額面100につき112で買い建て、委託証拠金800を支払った。

まず「債券」とは社債、国債、地方債などを指す。
「限月」とは満期日だが、この日以前にマーケットで売買することもできる(というか先物取引なので満期償還などの話ではない)。
「買い建て」とは「買予約」のこと。当社は限月までの期間内に、上の債券を100×112で買うことができる契約を交わしたということだ。もちろん買った瞬間の相場でもって反対決済される。つまり相場が112を上回っていれば利益が、下回っていれば損失が計上される。
最後に「委託証拠金」。これ自体は特に計算の必要などもなく、先物取引を契約した段階で証券会社に支払われる保険金のようなもの。これは一連の取引が終了した段階で全額返還される。
とりあえずは買い建ての予約をした時点で減少した現金預金についての仕訳。

(借)先物取引証拠金 800 (貸)現金預金 800

のちに800を受け取る権利なので資産として見れば問題ないと思われる。


・決算日における上の債券先物価格は額面100につき109であった。債券先物の評価差額は切放方式により処理する。

繰り返すが先物では「決算時」と「決済時」に損益が計上される(というか日々投資のリスクから解放されていると捉える)。ここでは相場が109なので、仮に決済を行うならば100×112=11200で購入したものを直ちに100×109=10900で売却することを意味する。

(借)債券先物損益 300 (貸)債券先物 300

損益いずれの場合でも相手勘定として(資産または負債として)債券先物が計上される。また評価損益は切放方式なので、翌期首に戻しいれることはしない。

・H22年5月31日に反対売買による差金決済を行い、委託証拠金とともに受け取った。この日の債券先物価格は額面100につき107であった。

文中に「受け取った」とあるが損失である。この差金決済は言い換えれば11200で10700を買ったようなものなので500の損失が計上される。だたしこの損失のうちの300については前期末に計上済みであるため、決済時に計上される損失は残額の200となる。

(借)債券先物損益 200、 債券先物 300、 現金預金 300 (貸)委託証拠金 800

※訂正
委託証拠金の返還は先物とは別個の取引なので、正しい仕訳は以下の2本に分かれる。

(借)現金預金 800 (貸)委託証拠金 800
(借)債券先物損益 200 債券先物 300 (貸) 現金預金 500