前回は発起人、発起設立、募集設立について説明した。
今回は「定款」について。

株式会社の設立手続は、?定款の作成、?出資の履行、?機関の配置、?設立登記、の4つに分けてみることができる。会社が誕生する瞬間は、?の設立登記が終わった段階と言える。

これらの過程を経て設立される株式会社だが、会社法は「発起設立」と「募集設立」のふたつを認めている。違いは「発起人以外に設立時発行株式を引き受けるものがいるか否か」である。つまり定款作成の段階では、発起設立と募集設立の両者に共通する手続きであることをしっかりと認識したい。

さて、上で会社設立の4ステップを書いたが、いずれを欠いても法的に会社の設立は認められない。このあたりは当然、会社法によって規定されている。具体的には会社法の「第二編(株式会社)、第一章(設立)、第二節(定款の作成)」に記載がある(26~30条くらい)。

念のため条文をかいつまんで見てみると、

26(定款の作成)

?:株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

※定款がないと会社設立は法律で認めません。発起人全員のサインがないとこれも認めません。(署名=自筆サイン、記名押印=自分の名前を書く、印刷する、自分の名前の書いてあるスタンプを押す等+印鑑)

?:(要約)紙の書類じゃなくてデータもありです。


27(定款の記載または記録事項)

※定款はその記載する内容によって、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3つに分けられる。絶対的記載事項とは、これを欠くと定款そのものが無効となるもの。相対的記載事項とは、定款に記載がないと効力が生じないもの。任意的記載事項とは、どちらでもよいものを指す。
絶対的記載事項は全部で6つ。そのうち5つはこの会社法27条を根拠としている。

?目的(飲食店経営、雑貨の輸入および販売とか)
?商号(会社の名前)
?本店の所在地(所在地なので克明な住所である必要はない。~~県~~区とか)
?設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
?発起人の氏名又は名称及び住所(名称とは発起人が法人の場合。これにより発起人が明らかになる)

以上の5つが27条。これに「発行可能株式総数」を加えた6つが絶対的記載事項であり、このいずれかを欠くことがあれば、それは定款として認められない。なお発行可能株式総数は「公証人による定款の認証」の段階では確定させる必要はないが、



さて以前も学習したが、定款は「発起人全員の署名・押印(または電子署名)」を要する。内容については発起人または発起人会の決議(多数決)が決定する。こうして作成された定款は、しかし公証人の認証を受けなければ法的に認められない。

30
?:第26条1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

公証人とは、作成された定款に違法な内容が含まれていないことなどを法的に認める公的な機関(だと思います)。

以上が定款の概論および絶対的記載事項について。次回は相対的記載事項等について。