1.当社は共用資産X(帳簿価額:250、正味売却価額:0)を所有している。共用資産Xには減損の兆候が認められる。
2.共用資産Xが将来CFの生成に寄与する資産グループは以下のAからCである。

帳簿価額:・A200 ・B500 ・C300
割引前将来CF:・A0 ・B300 ・C400
回収可能価額:・A0 ・B260 ・C370
減損の兆候:・Aなし ・Bあり ・Cあり

3.共用資産Xを含むより大きな単位の割引前将来CFは980、回収可能価額は900である。

4.共用資産の帳簿価額を各資産(グループ)に配分する場合には、共用資産Xno帳簿価額を資産グループAに20%、Bに50%、Cに30%の割合で配分する。また資産グループについて認識された減損損失は、帳簿尾価額に基づいて共用資産の配分額と資産グループに配分する。

[解答]
共用資産の減損処理は大きく原則容認の方法に分かれている。
原則は『より大きな単位』によるグルーピング、即ち共用資産とそれが関連する複数の資産または資産グループを含む単位での一括処理である。
対して容認される処理は、共用資産の簿価を各資産(グループ)に配分する方法である。

それではまず原則法からstepごとに見ていく。この場合、資料3までの情報で解答することができる。

・step1共用資産を含まない資産又は資産グループごとの減損処理
これは要するに通常の減損処理である。各資産ごとに兆候の把握、損失の認識及び測定を行う。
資料よりAは兆候なしである為この時点でAの処理は終了する。
次にBとCの認識の判定である。各資産の簿価と割引前CFを比すると、Bについては減損損失を認識するが、Cに関しては認識しないこととなる。
最後にBの測定。資産Bの簿価と回収可能価額との差額、240が資産Bに係る減損損失となる。

・step2共用資産を含む『より大きな単位』の減損処理
共用資産Xに関連する資産グループABCのうち、減損の兆候のあったものはBとCであった。しかし、仮にこれら全てにおいて減損の兆候がなかったとしても、共用資産Xを含めた全体として減損の兆候がある場合や、共用資産Xそのものに減損の兆候がある場合、原則処理においては減損の兆候ありとされる。

次により大きな単位としての減損の認識の判定を行う。これはXを含めた全て(ABC)の簿価合計と、全体としての割引前将来CFを比することで判定する。資料よりより大きな単位の割引前将来CFが980、簿価合計は(X+A+B+C)1250であるため、減損を認識する。ここで注意したいのは、順序としては先に個別の減損、つまり上で見たBについて240を算出しているが、step2で行う認識の判定では減損前の簿価(Bでいえば500)を用いることである。
次は減損損失の測定であるが、こちらも『より大きな単位』での回収可能価額と簿価合計を比して測定する。簿価1250-回収可能価額900=より大きな単位での減損損失350となる。

最後に、共用資産を加えることによって算定される減損損失増加額の配分を行う。step1で計算した資産グループBに係る減損損失が240、より大きな単位で計算した減損損失が350。つまり差額の110が共用資産を含めたことによる増加分と見ることが出来る。配分と銘打ってはいるものの、この110を資産Xに負担させるだけである。
(借)減損損失 350 (貸)資産グループB 240、共用資産X 110

※原則法で長くなってしまったので、容認法は次項にまわす