1.当社の会計期間は4.1~3.31
2.H21.4.1に借り入れ期間5年、年利率変動金利KIBORプラス年0.5%という条件で100,000の変動借入を行った。
3.H21.4.1の借入と同時に次の条件で金利スワップ契約を締結した。
・想定元本:100,000
・変換条件:変動金利年LIBORプラス0.5%を受け取り、固定金利年2%を支払う
・受払日:年1回3.31
・期間:5年間
4.支払利息及び金利スワップの受取金利には1年前の変動金利の水準が適用される。H21.4.1におけるLIBORの水準は年1.2%であった。
5.決算日における金利スワップの時価は-1200であった。
6.税効果会計は適用しない。

[解答]
解答は1.ヘッジを適用しない、2.繰延ヘッジ、3.特例処理、の3つに分けて行う。

1.ヘッジ会計を適用しない場合

ヘッジ対象 ヘッジ手段
(変動金利付借入金) (金利スワップ)
約定日 (借)現金預金 100,000 仕訳なし
(借入日) (貸)借入金 100,000
受払日 (借)支払利息 1700 (借)支払利息 300
(利払日) (貸)現金預金 1700 (貸)現金預金 300
決算日 仕訳なし (借)金利スワップ評価損益 1200
(貸)金利スワップ 1200

※受払日の金利スワップは受取1700と支払2000の差分である。


2.繰延ヘッジを適用した場合

ヘッジ対象 ヘッジ手段
(変動金利付借入金) (金利スワップ)
約定日 (借)現金預金 100,000 仕訳なし
(借入日) (貸)借入金 100,000
受払日 (借)支払利息 1700 (借)支払利息 300
(利払日) (貸)現金預金 1700 (貸)現金預金 300
決算日 仕訳なし (借)繰延ヘッジ損益 1200
(貸)金利スワップ 1200


繰延ヘッジは手段に係る損益を対象の損益認識時点に調整して繰り延べる処理である。受払日時点での損益認識は調整するまでもなく今回は一致している。この為、受払日の処理はヘッジを適用しない場合のそれと同一のものとなる。今回は受払日と決算日が一致するケースだが、借入金には決算日における処理はない。対して金利スワップは決算段階で評価損益を計上するため、これを繰り延べる必要がある。この部分こそがヘッジを適用しない場合との相違点であり、本来PL項目であった金利スワップ評価損を、繰延ヘッジ損益(評価換算差額等)としてBS項目に留保しておくのである。

3.金利スワップの特例処理を適用した場合
※ここがメインの論点
変動金利付借入金と金利スワップを一体と見做し、固定金利付借入金として処理する。LIBOR1.7%の支払と受取が同時に行われるわけであるから、相殺されたものとして処理するわけである。

約定日:(借)現金預金 100,000 (貸)借入金 100,000

受払日:(借)支払利息 2000 (貸)現金預金 2000

決算日:※特例処理においては金利スワップの時価評価を行う必要はない。