1.当社の会計期間は4.1~3.31
2.H22.2.1に商品を100ドルで仕入れ、代金は掛(決済日H22.6.30)とした。
3.H22.3.1に上記外貨建買掛金の為替変動リスクをヘッジする目的で100ドルについてH22.6.30を決済日とするドル買い円売りの為替予約を締結した。
4.直物為替相場とH22.6.30を決済日とする先物為替相場の推移は次のとおりである。

直物為替相場 先物為替相場
2月1日 1ドル=103円 1ドル=104円
3月1日 1ドル=105円 1ドル=107円
3月31日 1ドル=106円 1ドル=110円
6月31日 1ドル=112円 1ドル=112円

5.以上を独立処理と振当処理のそれぞれで解答するが、独立処理による場合は為替予約の評価差額を切り放し方式により処理する。

[解答]
独立処理(原則)
ヘッジ対象とヘッジ手段を別個に処理するのが独立処理である
具体的には、買掛金については仕入時の直物為替相場を基準に変動を追ってゆき、決算で損益を認識する。また、決算日の直物為替相場から変動を追ってゆき、決済日にも損益を認識する。
為替予約についても同様に、予約日から決算日、決算日から決済日にかけての相場変動をそれぞれのポイントで損益認識する。
またヘッジ対象とヘッジ手段の損益認識時点は通常の会計処理によっても一致するためヘッジ会計は不要となる。

ヘッジ対象 ヘッジ手段
(外貨建買掛金) 為替予約
仕入日 (借)仕入 10300 仕訳なし
(貸)買掛金 10300
予約日 仕訳なし 仕訳なし
決算日 (借)為替差損益 300 (借)為替予約 300
(貸)買掛金 300 (貸)為替差損益 300
決済日 (借)買掛金 10600 (借)現金預金 500
為替差損益 600 (貸)為替予約 300
(貸)現金預金 12000 為替差損益 200

独立処理は為替予約によりレートを固定しても、決算段階では為替予約について(決済日ではなく)決算時点での先物相場との差額を損益とする。また決済時にも一旦その時点での直物で決済し、そこに為替予約による損益を加減算していく処理が行われる。こうして見ると独立処理の方が煩雑である割には非合理に思える。おそらくは期間配分を厳密にする為にこちらが原則となっており、振当が容認となっているのだと思われる。

・振当処理(特例)

仕入日:(借)仕入 10300 (貸)買掛金 10300

予約日:(借)為替差損益 200、前払費用 200 (貸)買掛金 400

決算日:(借)為替差損益 50 (貸)前払費用 50

決済日:(借)為替差損益 10700 (貸)現金預金 10700
(借)為替差損益 150 (貸)前払費用 150