・有価証券の分類と評価
分類とは有価証券の保有目的別による4区分のことを指し、評価とはBS計上額の算定についてである。
そもそもなぜ有価証券を保有目的別に区分する必要があるかについて説明する。
企業の財務データは投資家に対して開示される。というと極端な気もするが、概念フレームワークでは企業活動を「投資の束」と捉え、情報の提供先を投資家であると見ている。ディスクローズの目的を「情報提供」であると断じて、利害調整は副次的機能に位置づけられている。
一応書いておくと、BS等の投資家が利用する財務諸表の表示科目には「売買目的有価証券」、「その他有価証券」などは存在しない(つまり仕訳上もこういった科目はないわけである)。それでも有価証券を保有目的別に区分して、そこから生じる損益を振り分けるのは、そもそもの投資の目的が異なると考えられているためである。
ここからはほとんどが概念フレームワークに基づいた説明になるが、概念フレームワークでは「投資」を最重要視して、さらに二分している。すなわち「金融投資」と「事業投資」である。さらに「投資を行う主体」についても株主なのか、或いは企業なのかを明確にして考える必要がある。
まず最初に設立の段階で株主が出資を行う。これは紛れも無く金融投資であって、呼んで字の如く金銭を融通している(現物の場合もありうるけど)。そして全ての投資に共通して言えることは「利益を得ることを目的としている」ということである。そもそも投資家の投下した金銭が生み出す利益効率が市中金利を下回るのであれば、それこそ銀行預金でもしていた方がマシである。
株主は企業に投資を行い、企業はその金銭をさらに事業投資して利益をあげるという構造を第一に理解する必要がある。つまり企業内にあるキャッシュは、形を変えてなんらかの対象に投資することを常に要求されているのである。株主からの投資であるキャッシュを寝かせていたのでは企業の存在意味がない。投下資本には原理的に交換欲求が備わっている。そこで企業はキャッシュを商品に替え、それを売却して利益を生み出す。あるいはキャッシュで工場を建て製品の製造を行い、工場を建てるのに費やしたキャッシュを回収して更にそれを上回る収益を獲得する。この「仕入れた商品」や「建てた工場」は株主の投資が企業の判断によって形をかえたものである。概念フレームワークではこれを「投資のポジション」と表現する。投資した自らの金銭が形を変えて現在どのようになっているのか。大雑把に言えばこれはBSの資産の部を指す。つまり第一に株主が企業に投資を行い、第二に企業が別の何かに投資を行う。経済に限って言えば、やはり企業は利益をあげることを目的として活動しているのである。概念フレームワークによれば、企業活動は「投資の束」と表現される。
さて二番目の投資、つまり企業の行う投資は通常「事業投資」である。仕入れや固定資産の取得などがそれである。ただし企業も「金融投資」を行う場合も考えられる。とは言え、証券会社や大手商社など社内にトレーディング部門を持つような企業でもない限り、金融投資はハイリスクであるため普通は行われないが。さて、この企業が行う金融投資を有価証券の購入と置き換えて考えてみる(貸付金とかではないという意味)。
少し論点が入り組んできたというか、上手く整理できないので一旦話を変えます。本エントリは「有価証券の分類と評価」であり、最終的にはどういった金額で有価証券を計上するか、また有価証券を分類する基準がどいういった観点から分けられるかが知りたいのである。
財務会計においては、開示資料は投資家が利用するために作られている。つまりFS作成に際して投資家の利便性を考慮した構造になっているということが言える。投資家の利用するBSでの有価証券の表示科目は、?売買目的有価証券=「有価証券」、?満期保有目的の債権=「投資有価証券」or「有価証券」(一年基準)、?子会社株式及び関連会社株式=「関係会社株式」or「子会社株式」・「関連会社株式」、?その他有価証券=「投資有価証券」or「有価証券」となっている。これらは保有目的別の分類である。つまりこの?~?の金融投資は保有目的が異なるのである。
先にも書いたが、最終的な金融投資、あるいは事業投資の目的は利益をあげることである。だから?~?の金融投資はどれも企業が自らに利すると判断した結果の投資である。ただしそれぞれは利益のあげ方がことなる。説明するまでもないが、売買目的ならば市場価格の有利な変動に基づく利益獲得であり、満期保有目的の債権ならば(恐らく市中金利よりも優良な利率で倒産リスクもないと判断した上での)利息によるキャッシュの獲得を目的としている。くり返すが、これらは利益獲得を共通の目的としつつも利益獲得に至るプロセスが異なる。
※つづき
分類とは有価証券の保有目的別による4区分のことを指し、評価とはBS計上額の算定についてである。
そもそもなぜ有価証券を保有目的別に区分する必要があるかについて説明する。
企業の財務データは投資家に対して開示される。というと極端な気もするが、概念フレームワークでは企業活動を「投資の束」と捉え、情報の提供先を投資家であると見ている。ディスクローズの目的を「情報提供」であると断じて、利害調整は副次的機能に位置づけられている。
一応書いておくと、BS等の投資家が利用する財務諸表の表示科目には「売買目的有価証券」、「その他有価証券」などは存在しない(つまり仕訳上もこういった科目はないわけである)。それでも有価証券を保有目的別に区分して、そこから生じる損益を振り分けるのは、そもそもの投資の目的が異なると考えられているためである。
ここからはほとんどが概念フレームワークに基づいた説明になるが、概念フレームワークでは「投資」を最重要視して、さらに二分している。すなわち「金融投資」と「事業投資」である。さらに「投資を行う主体」についても株主なのか、或いは企業なのかを明確にして考える必要がある。
まず最初に設立の段階で株主が出資を行う。これは紛れも無く金融投資であって、呼んで字の如く金銭を融通している(現物の場合もありうるけど)。そして全ての投資に共通して言えることは「利益を得ることを目的としている」ということである。そもそも投資家の投下した金銭が生み出す利益効率が市中金利を下回るのであれば、それこそ銀行預金でもしていた方がマシである。
株主は企業に投資を行い、企業はその金銭をさらに事業投資して利益をあげるという構造を第一に理解する必要がある。つまり企業内にあるキャッシュは、形を変えてなんらかの対象に投資することを常に要求されているのである。株主からの投資であるキャッシュを寝かせていたのでは企業の存在意味がない。投下資本には原理的に交換欲求が備わっている。そこで企業はキャッシュを商品に替え、それを売却して利益を生み出す。あるいはキャッシュで工場を建て製品の製造を行い、工場を建てるのに費やしたキャッシュを回収して更にそれを上回る収益を獲得する。この「仕入れた商品」や「建てた工場」は株主の投資が企業の判断によって形をかえたものである。概念フレームワークではこれを「投資のポジション」と表現する。投資した自らの金銭が形を変えて現在どのようになっているのか。大雑把に言えばこれはBSの資産の部を指す。つまり第一に株主が企業に投資を行い、第二に企業が別の何かに投資を行う。経済に限って言えば、やはり企業は利益をあげることを目的として活動しているのである。概念フレームワークによれば、企業活動は「投資の束」と表現される。
さて二番目の投資、つまり企業の行う投資は通常「事業投資」である。仕入れや固定資産の取得などがそれである。ただし企業も「金融投資」を行う場合も考えられる。とは言え、証券会社や大手商社など社内にトレーディング部門を持つような企業でもない限り、金融投資はハイリスクであるため普通は行われないが。さて、この企業が行う金融投資を有価証券の購入と置き換えて考えてみる(貸付金とかではないという意味)。
少し論点が入り組んできたというか、上手く整理できないので一旦話を変えます。本エントリは「有価証券の分類と評価」であり、最終的にはどういった金額で有価証券を計上するか、また有価証券を分類する基準がどいういった観点から分けられるかが知りたいのである。
財務会計においては、開示資料は投資家が利用するために作られている。つまりFS作成に際して投資家の利便性を考慮した構造になっているということが言える。投資家の利用するBSでの有価証券の表示科目は、?売買目的有価証券=「有価証券」、?満期保有目的の債権=「投資有価証券」or「有価証券」(一年基準)、?子会社株式及び関連会社株式=「関係会社株式」or「子会社株式」・「関連会社株式」、?その他有価証券=「投資有価証券」or「有価証券」となっている。これらは保有目的別の分類である。つまりこの?~?の金融投資は保有目的が異なるのである。
先にも書いたが、最終的な金融投資、あるいは事業投資の目的は利益をあげることである。だから?~?の金融投資はどれも企業が自らに利すると判断した結果の投資である。ただしそれぞれは利益のあげ方がことなる。説明するまでもないが、売買目的ならば市場価格の有利な変動に基づく利益獲得であり、満期保有目的の債権ならば(恐らく市中金利よりも優良な利率で倒産リスクもないと判断した上での)利息によるキャッシュの獲得を目的としている。くり返すが、これらは利益獲得を共通の目的としつつも利益獲得に至るプロセスが異なる。
※つづき