当期(H23.4.1~H24.3.31)における為替差損益の金額を求めよ。なお為替予約によるヘッジについては振当処理によって会計処理を行う。

資料1.外貨建資産・負債

・売掛金:H3.3.15(HR123)に商品250ドルで販売したことによる。H3.5.25(HR122)に決済されている。

・前渡金:H4.3.20(HR111)に商品90ドルを購入する契約(H4.4.2購入予定)を締結し、このうち40ドルを前払いしたもの

・満期保有目的の債権:H3.4.1(HR119)に185ドルで取得したL社社債(額面200ドル、満期日H6.3.31)であり、取得価額と額面金額との差額は金利の調整額と認められる。当該債権の取得と同時に額面金額200ドルについて、予約相場1ドル=125の為替予約を付した。

・買掛金H4.2.1(HR106)に商品180ドルを購入したことによる。H4.3.1(HR109)に当該買掛金のうち半分について予約相場1ドル=113の為替予約を付した(H4.5.31に決済予定)

・転換社債型新株予約権付社債:H3.10.1(HR115)に払込金額500ドル(平価発行)にて発行したもの。一括法で処理している。当期末までに権利行使はなかった。

資料2.為替相場

前期末:1ドル=120
当期期中平均:1ドル=116
当期末:1ドル=110


~解答~

・売掛金について
250ドルの取得時HR123は30750だが、この取引が前期のものであることに注意。決算をまたぐことで当該債権はCR換算されているからである。よって比すべきは決済時と前期決算時の為替差額である。前期末CR120により30000の債権、決済時CR122は30500の債権。つまり貸方側に500の為替差損益が計上される。

(借)現金預金 30500 (貸)売掛金 30000、為替差損益 500

・前渡金について
前渡金はCR換算しない

・満期保有目的の債権について
185ドルの債権。取得時HR119換算で22015。取得と同時に為替予約を付していることから直直差額は生じない。満期日に返済される200ドル
のFR125は25000。これと取得価額22015との差額2985(債権なので利益)が全額直先差額となり、当期に配分される金額は12ヶ月/24ヶ月の995、即ち為替差益である。

(借)投資有価証券 995 (貸)為替差損益 995

・買掛金について
180ドルの債務の取得時HR106は19080。このうち半分にFR113の為替予約を付しており、もう半分については次期(H24.5.31)に決済される予定である。まず為替予約を付さなかった部分についての処理。負債19080/2=9540に対して決算時CR110×90ドル=9900。為替変動を原因とする負債増加額360は為替差損益である。
(借)為替差損益 360 (貸)買掛金 360
次に為替予約を付した19080/2=9540(取得日2.1)について。予約日(3.1)直物為替相場109は9810の負債。つまり直直差額270は為替差損益である。更に予約日CRとFR113は10170の差額360のうち1/3ヶ月の120が当期分となり為替差損益、残額240が前払費用となる。
(借)為替差損益 390、前払費用 240 (貸)買掛金 630

※以上の振当処理は決算日における一括の仕訳であり、本来は予約日の時点で次の仕訳がなされる。
(借)前払費用 360、為替差損益 270 (貸)買掛金 630
直先差額(利息部分)についてはまだ日数が経過していないため全額が前払費用となる。その後一ヶ月が経過、つまり決算段階に至って初めて次の仕訳が切られる。
(借)為替差損益 120 (貸)前払費用 120

・転換社債型新株予約権付社債について
問題文中より平価発行であり、利息及び当期中の権利行使はないため、分かりやすく借金として考える。借入時500ドル×HR115は57500の負債が、決算時CR110×500ドルは55000の負債に減じている。これは当然に為替変動を原因とするものである為2500の為替差損益が生じている。
(借)社債 2500 (貸)為替差損益 2500

以上より集計される為替差損益は3245(貸方)となる。