[設例]
・当期は×1.4.1~×2.3.31まで。
・当期首4.1に500ドルの借入(返済日×4.3.31)を行った。借入時の直物為替相場は1ドル=105円。
・×1.10.1に借入金500ドルについて、返済日を実行日とする為替予約を締結した。この日の直物為替相場は107円、先物は104円。
・決算日(×2.3.31)の直物は110円。
・長期前払費用および長期前受収益について区分掲記は行わない。

[解答]
・まず借入時。これは特に迷いようがない。
(借)現金預金 52500 (貸)借入金 52500

・次に為替予約。この日までの相場変動は直々差額=この日の為替差損益とする。予約日の直物とFRの差額から生じる損益は予約日から返済日に至るまでの(円~ドルの)金利差の調整であるため繰延べる。
直々107×500ドル=53500。1000円の借入金の増加は損失計上。
直先104×500ドル=52000。これと上の53500の差額1500円は「収益の発生の認識」だが、これは予約日に帰属するものではないため前受収益とする。
また、当初計上した簿価52500は最終的に52000となって返済することが予約により確定=借入金500円の減少。
(借)借入金 500、 為替差損益 1000 (貸)長期前受収益 1500

金額の測定はよいとして、貸方の勘定科目「長期前受収益」について。これは問題文中に「区分掲記は行わない」とあるため、1年以内に収益化される(為替差損益に算入される)部分の金額と、それ以外を「前受収益と長期前受収益」に分けないでよい、という意味かと思われる(やや未確認)

・最後に決算日。長期前受収益として繰り延べた金額は、予約日×1.10.1~実行日×4.3.31までの30ヶ月に渡って等しく発生するもの。このうち当期に帰属する部分(10.1~翌3.31までの6ヶ月)を当期の収益に振り返る。
1500÷30×6=300
(借)長期前受収益 300 (貸)為替差損益 300

上記が原則的な仕訳。ただし直先差額は金利調整であることは以前学習した。このため、損益は為替差損益ではなく「利息」の収支とすることもできる(こちらの方がしっくりくる)。

(借)長期前受収益 300 (貸)支払利息 300

ただし収益ではなく費用の減少となっている。やはり借入金から生ずる(有利な)利息調整は、支払利息の減少として処理されるようだ。