非常に重要な設例である。

1.H21年度
?期中にA社株式(その他有価証券)を10,000で取得した。
?H21年度期末におけるA社株式の時価は9,000であった。

2.H22年度
H22年度期末におけるA社株式の時価は12,000であった。

3.税効果会計に適用する実行税率は毎期40%とする。

[解答]
全部純資産直入法と部分純資産直入法に分けて解答する。

全部純資産直入法
・H21年度期末
(借)その他有価証券評価差額金 600、繰延税金資産 400 (貸)投資有価証券 1000
・H22年度期首
(借)投資有価証券 1000 (貸)その他有価証券評価差額金 600、繰延税金資産 400
・H22年度期末
(借)投資有価証券 2000 (貸)その他有価証券評価差額金 1200、繰延税金負債 800

部分純資産直入法
・H21年度期末
(借)投資有価証券評価損 1000 (貸)投資有価証券 1000
(借)繰延税金資産 400 (貸)法人税等調整額 400
・H22年度期首
(借)投資有価証券 1000 (貸)投資有価証券評価損 1000
※税効果会計に係る仕訳の洗替は行わない。というより繰延税金資産の取崩は行わない。
そもそも繰延税金資産・負債は法人税を調整するための科目である。法人税等調整額は繰延税金資産・負債の期首と期末の差額より生じる。ここで洗替が行われるのはその他有価証券に関する部分のみである。
・H22年度期末
(借)投資有価証券 2000 (貸)その他有価証券評価差額金 1200、繰延税金負債 800
(借)法人税等調整額 400 (貸)繰延税金資産 400
※H22年度の期末になって初めて「繰延税金資産の期首と期末の残高の差額」を算定できる。