平成9年(1997)ごろから始まった会計ビッグバンとは、日本の会計制度を国際会計基準(International Accounting Standards)に近づける為の大きな潮流である。そこで導入された新基準には、税効果会計、金融商品会計、減損会計など様々だが、ここに含まれるの が退職給付会計である。


「退職給付に係る会計 基準」は企業会計審議会により公表された(※ASBJ(企業会計基準委員会)ではない。そもそもASBJの創設は平成13年(2001)なので、平成9年 時点では存在しない)。
この「退職給付に係る会計基準」は大枠を規定しており、具体的な計算例などは日本公認会計士協 会が「退職給付会計に関する実務指針」の中で公表されている。

余談だが、企業会計 審議会の公表する資料は「~に係る・・・」、日本公認会計士協会の公表する資料は「~に関する・・・」となっている(たしか)。日本における会計基準(あ るいは監査基準)の設定主体は、原則的な部分を企業会計審議会、具体的な部分を日本公認会計士協会となっている。

企業会計審議会における監査基準の設定方法はパプリックセクター方式、日本公認会計士協会はプライベートセクター方式と呼ば れる。企業会計審議会のパブリックセクター方式とは、各監査関係者の代表者で構成された公的な審議機関が設定主体となっており(日本においては金融庁の諮 問機関である企業会計審議会)、各監査関係者の代表が集まり基準を設定することで、いかなる監査関係者からも受け入れられる、つまり公正妥当性を有してい ると言える。公正妥当であるがゆえに各監査関係者の利害調整機能をも果たすが、反面フットワークは重く実践可能性に欠ける場合もある。

これを補完的に補うのが日本公認会計士協会のプライベートセクター方式による監査基準の設 定であり、これは監査人自身が主体となるため実践可能性を有する。また実際に現場の監査人による設定であるので監査環境の変化に柔軟且つ迅速に対応でき る。しかしこちらは監査人自身が設定主体であるがゆえに公正妥当性や利害調整機能に欠けるおそれもある。

話が大幅にそれたので、退職給付会計の具体的な計算法は次エントリにて。