[設例]
・×2年.2.1に商品300ドルを掛で売り上げた。このときの直物為替相場は1ドル=108円。
・×2年.3.1に上の売掛金について、決済日の×2年.5.31を実行日とする為替予約を締結した。この日の直物為替相場は1ドル=112円、先物為替相場は1ドル=115円であった。
・決算日の直物為替相場は1ドル=120円である。

[解答]
・まずは取引日。300ドルを1ドル=108円で計上。
(借)売掛金 32400 (貸)売上 32400

・次に予約日。この日までの相場変動は、この瞬間の損益となる。300ドル32400円の債券が、予約日3月1日には33600円(1ドル=112円)になっている。増加した1200円は為替差損益である。
さらに直先差額についてもこの日に仕訳を行う。予約日の直物1ドル=112円と先物1ドル=115円の差額。300ドル分なので900円の債券の増加。これについては今日の予約日3月1日から決済日5月31日までの時間に伴って発生する損益(今回は収益)である。よって予約日の時点では収益として認識せずに売掛金の増加のみ認識する。したがってこの900円分は前受収益として計上する。

(借)売掛金 2100 (貸)為替差損益 1200、前受収益 900

売上時に32400円であった売掛金は、為替予約によって34500円となることが確定した(300ドル×FR115円)。したがって、この時点で売掛金は32400として計上すべきである。ただし問題は内訳。売上時から予約日までの相場変動はその時に解決する為替差損益であり、予約日から決済日までの相場の差額(直先差額)は、期間按分する必要がある(一般に問題では決算をまたいでいる)。

・最後に決算日。予約日の3.1から一月が経過して3.31である。直先差額の900円は3.1~5.31までの3ヶ月の期間で按分される。3ヶ月中1ヶ月が経過しているので、300円分は当期の為替差損益とする。

(借)前受収益 300 (貸)為替差損益 300

なおCR120が示されているが、為替予約締結の時点で決算時レートは意味を持たない。

また、仮に予約日の仕訳が未処理である場合、直々差額1200と直先差額900のうち300が為替差損益として一時に計上されるため、以下のような仕訳になる。
(借)売掛金 2100 (貸)前受収益 600、為替差損益 1500

ここでも当初販売時に計上した売掛金32400と、FRで確定した売掛金34500との差額2100が売掛金の増加として認識されていることを確認したい。

さらに、予約時に増加した売掛金2100を全て為替差損益として計上し、決算時点で「当期に帰属しない直先差額」を前受収益として戻しいれる仕訳も考えられる。
・予約日
(借)売掛金 2100 (貸)為替差損益 2100
・決算日
(借)為替差損益 600 (貸)前受収益 600