1.H21年度期末に機械30,000を取得した。当該機械については、税務上、取得価額の30%の特別償却が認められており、特別償却準備金は積立てた翌年度より6年間にわたり取崩し、取崩額が益金に算入される。
2.上記機械については、会計上・税務上ともに定額法(残存価額ゼロ、耐用年数6年)により減価償却を行う。
3.税効果会計に適用する実効税率は毎期「40%とする。
[解答]
H21年度
まず注意したい点。会計上は特別償却の処理は行わない。税務上のみ特別償却を行うことで将来加算一時差異を発生させるのが目的であるからである。よって税務上のみ以下のような(イメージの)仕訳が行われる。
(借)特別償却額 9000=損金 (貸)機械特別償却準備金 9000=負債
これにより固定資産の簿価が会計・税務で異なるものになり、将来加算一時差異が生じる。
一時差異は9000、税率40%を乗じて3600が繰延税金負債となる。
なお圧縮記帳と同様に、この繰延税金負債も耐用年数と同年数で取崩される。3600を6年償却であるから一年辺り600である。現段階ではまだ取崩は行わないが、これにより翌期に取り崩される繰延税金負債は流動負債に、それ以外が固定負債に分類される。
(借)法人税等調整額 3600 (貸)繰延税金負債 600=流動、繰延税金負債 3000=固定
この時点で一時差異9000のうち3600については税効果会計を適用した。しかし差額の5400より生じる(会計上のみの)利益の増加分も課税対象から外していかなければならない。これについて一度まとめておく。
まず例として、税率40%、収益1500、費用500、税引前利益が1000だとすると400部分が徴税されることになる。ここで特別償却が行われ、新たに特別償却による費用を500追加すると利益は500、課税額は200となる。
これは全額が損金算入されるため、税率を乗じて40%を繰り延べたとしてもその金額は200であり、残額の300部分については課税対象となってしまう。これでは特別償却の目的から逸れてしまうため、残額300についても特別償却準備金として調整する必要がある。
設例に戻って、一時差異9000と繰延税金負債3600の差額5400部分を課税対象から外していく仕訳が次のものである。
(借)繰越利益剰余金 5400 (貸)機械特別償却準備金 5400
この仕訳によって特別償却の全額を会計上も認識したことになる。
・H22年度
特別償却と圧縮記帳の違いは、税務上も固定資産を減額しないところにある。つまり翌期以降の減価償却費を増加させることによる益金算入は出来ない。このため予め特別償却を行った場合は、特別償却準備金を耐用年数にわたって取り崩すことにより益金算入を行い税額を調整することになる。
ただし税務上の特別償却準備金と会計上の特別償却準備金は異なる金額で計上されていることには注意が必要である。税務上は特別償却の全額が準備金となるが、会計上は特別償却額に税率を乗じた一時差異との差額分が準備金となっている。
説明が長くなったのでもう一度資料提示。機械の取得原価は30,000、残存ゼロ、耐用6年、定額法による減価償却である。
(借)減価償却費 5000 (貸)機械減価償却累計額 5000
固定資産を直接減額していないため減価償却については通常どおりのものとなる。
<税務上の仕訳イメージ>
(借)機械特別償却準備金 1500=負債 (貸)特別償却準備金取崩額 1500=益金
特別償却額=準備金額=9000を機械の耐用年数に渡り取り崩すため一年当り1500の益金を算入する。
これにより、前期段階では流動の将来加算一時差異は解消されたが、さらに翌年に解消される一時差異が1500計上される。つまり流動の繰延税金負債は動かない。前期では流動・固定が1年・5年の割合、1500と7500だった為、繰延税金負債は流動・固定で600と3000であった。今年は1年分が解消された為、流動・固定が1年・4年となる。一時差異は1500と6000、繰延税金負債は600と2400である。つまり固定の繰延税金負債のみ差額が生じている。前期末3000から当期末2400となっているため差額の600の負債を減少させる。
(借)繰延税金負債 600 (貸)法人税等調整額 600
次に会計上の特別償却準備金の取崩しが必要である。
こちらも圧縮記帳とほぼ同様の考え方で解答できる。前期末の機械特別償却準備金残高が5400、これを減価償却の期間にわたり取り崩していくため1年辺りは900の取崩額となる。
(借)機械特別償却準備金 900 (貸)繰越利益剰余金 900
2.上記機械については、会計上・税務上ともに定額法(残存価額ゼロ、耐用年数6年)により減価償却を行う。
3.税効果会計に適用する実効税率は毎期「40%とする。
[解答]
H21年度
まず注意したい点。会計上は特別償却の処理は行わない。税務上のみ特別償却を行うことで将来加算一時差異を発生させるのが目的であるからである。よって税務上のみ以下のような(イメージの)仕訳が行われる。
(借)特別償却額 9000=損金 (貸)機械特別償却準備金 9000=負債
これにより固定資産の簿価が会計・税務で異なるものになり、将来加算一時差異が生じる。
一時差異は9000、税率40%を乗じて3600が繰延税金負債となる。
なお圧縮記帳と同様に、この繰延税金負債も耐用年数と同年数で取崩される。3600を6年償却であるから一年辺り600である。現段階ではまだ取崩は行わないが、これにより翌期に取り崩される繰延税金負債は流動負債に、それ以外が固定負債に分類される。
(借)法人税等調整額 3600 (貸)繰延税金負債 600=流動、繰延税金負債 3000=固定
この時点で一時差異9000のうち3600については税効果会計を適用した。しかし差額の5400より生じる(会計上のみの)利益の増加分も課税対象から外していかなければならない。これについて一度まとめておく。
まず例として、税率40%、収益1500、費用500、税引前利益が1000だとすると400部分が徴税されることになる。ここで特別償却が行われ、新たに特別償却による費用を500追加すると利益は500、課税額は200となる。
これは全額が損金算入されるため、税率を乗じて40%を繰り延べたとしてもその金額は200であり、残額の300部分については課税対象となってしまう。これでは特別償却の目的から逸れてしまうため、残額300についても特別償却準備金として調整する必要がある。
設例に戻って、一時差異9000と繰延税金負債3600の差額5400部分を課税対象から外していく仕訳が次のものである。
(借)繰越利益剰余金 5400 (貸)機械特別償却準備金 5400
この仕訳によって特別償却の全額を会計上も認識したことになる。
・H22年度
特別償却と圧縮記帳の違いは、税務上も固定資産を減額しないところにある。つまり翌期以降の減価償却費を増加させることによる益金算入は出来ない。このため予め特別償却を行った場合は、特別償却準備金を耐用年数にわたって取り崩すことにより益金算入を行い税額を調整することになる。
ただし税務上の特別償却準備金と会計上の特別償却準備金は異なる金額で計上されていることには注意が必要である。税務上は特別償却の全額が準備金となるが、会計上は特別償却額に税率を乗じた一時差異との差額分が準備金となっている。
説明が長くなったのでもう一度資料提示。機械の取得原価は30,000、残存ゼロ、耐用6年、定額法による減価償却である。
(借)減価償却費 5000 (貸)機械減価償却累計額 5000
固定資産を直接減額していないため減価償却については通常どおりのものとなる。
<税務上の仕訳イメージ>
(借)機械特別償却準備金 1500=負債 (貸)特別償却準備金取崩額 1500=益金
特別償却額=準備金額=9000を機械の耐用年数に渡り取り崩すため一年当り1500の益金を算入する。
これにより、前期段階では流動の将来加算一時差異は解消されたが、さらに翌年に解消される一時差異が1500計上される。つまり流動の繰延税金負債は動かない。前期では流動・固定が1年・5年の割合、1500と7500だった為、繰延税金負債は流動・固定で600と3000であった。今年は1年分が解消された為、流動・固定が1年・4年となる。一時差異は1500と6000、繰延税金負債は600と2400である。つまり固定の繰延税金負債のみ差額が生じている。前期末3000から当期末2400となっているため差額の600の負債を減少させる。
(借)繰延税金負債 600 (貸)法人税等調整額 600
次に会計上の特別償却準備金の取崩しが必要である。
こちらも圧縮記帳とほぼ同様の考え方で解答できる。前期末の機械特別償却準備金残高が5400、これを減価償却の期間にわたり取り崩していくため1年辺りは900の取崩額となる。
(借)機械特別償却準備金 900 (貸)繰越利益剰余金 900