繰延資産:既に対価の支払は完了しているが、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用を、その効果が及ぶ期間に合理的に配分するため、経過的にBS上資産として計上される項目

BSやPL等のFSは会計の発想を元に作成されていくが、これらは会社法や税法の影響を受ける。繰延資産はその性質上、実際に物があるわけではなく、また何らかの権利を有するといったものでもない。つまり第三者から見ればなんら価値を有するものではないため換金することができない。会社法は債権者保護の観点から換金価値のないものをBS表示することを嫌う。ゆえに繰延資産としての計上はあくまでも容認されている処理に過ぎず、原則として発生時の費用として処理しなければならない。BSに計上出来る繰延資産は次のものに限られる

・株式交付費
・社債発行費
・新株予約権発行費
・創立費
・開業費
・開発費

~会計処理~
償却方法・償却期間・PL表示

・株式交付費:定額法、3年以内、営業外費用

・社債発行費:(原則)利息法(容認)定額法、社債の償還期間、営業外費用

・新株予約権発行費:定額法、3年以内、営業外費用

・創立費:定額法、会社設立時から5年以内、営業外費用

・開業費:定額法、開業時から5年以内、(原則)営業外費用(容認)販管費

・開発費:定額法その他合理的な方法、5年以内、販管費


※BS上、繰延資産は直接控除して処理する。間接控除することは出来ない。
※繰延資産は換金価値がないため、残存価額をゼロとして計算する


~繰延資産の減損処理~
繰延資産はその性質上、将来にわたって効果が及ぶことを原因に、経過的に処理することが容認されている。その為、支出の効果が期待されなくなった繰延資産は、その未償却残高を一時に償却しなければならない(=繰延資産の減損処理)

(具体例)
・社債を償還した場合の社債発行費
・採用した新技術の利用を中止した場合の開発費
・新規開拓した市場から撤退した場合の開発費