以下のA氏の退職金に係る資料を元に、(1)当期末の対象給付債務、(2)当期の勤務費用発生高を算定する。計算の過程で生じる端数は四捨五入すること。

資料:A氏の勤続年数は33年(56歳)、4年後に定年退職となる。割引率は年4%、現価係数は1年後0.9615、2年後0.9246、3年後0.8890、4年後0.8548とする。

生・・・生存退職金額(生存退職率)
死・・・死亡退職金額(死亡退職率)

1年後:生35,000,000円(10.0%)、死38,100,000円(0.2%)
2年後:生36,200,000円(12.0%)、死39,200,000円(0.4%)
3年後:生37,500,000円(14.0%)、死40,600,000円(0.7%)
4年後:生38,800,000円(61.7%)、死41,800,000円(1.0%)


・解答
問われている数字は「当期末の退職給付債務」と「当期の勤務費用発生高」。まずは前者から。
まずは退職時期ごとの生存・死亡の退職金それぞれに発生率を乗じて、退職給付見込額を算定する。さらに、算定した退職給付見込額それぞれの当期末までの発生額を(1年後なら33/34年、2年後なら33/35年を乗じることで)求める。最後に、時期ごとの当期末までの発生額に、それぞれ対応する現価係数を乗じ、それらを合計することで「当期末の退職給付債務」を算出する。正答は30,340,910。

次に「当期の勤務費用発生高」を求める。
上でも計算したが、まずは発生率を乗じることで年毎の退職給付見込額を求める。すると1年後は見込額3,576,200となる。これは当期末までの勤務33年と、更にもう1年勤務した結果として見積もられている給付額である。つまり全体34年分の見込額なのであるが、このうちの「当期の発生高」は、全体34年のうちの当期1年分の数字である。3,576,200/34年は四捨五入して105,182である。
同様に2年目の、つまり35年勤務した場合の給付見込額は4,500,800である。つまり4,500,800/35年は128,594である。
3年目(36年間):5,534,200/36=153,728
4年目(37年間):24,357,600/37=658,314となる。
ここまでがそれぞれの年度における退職給付見込額を勤務年数で割った数字であるが、これらの数字はそれぞれ1、2、3、4年後の金額である。つまり貨幣価値の変動を度外視しているため、これを考慮する、つまり割引計算を行う必要がある。現価係数については文中に示されている為これを利用してそれぞれの式を以下に示す。
1年後:105,182×0.9615
2年後:128,594×0.9246
3年後:153,728×0.8890
4年後:658,314×0.8548
上のそれぞれの割引計算を行い、合計すると919,421となる。これが「当期の勤務費用発生高」である。