減損会計の大枠を見ていく。まず以下のような資料が与えられることが多い。
・例:当期末において以下のA、B、Cの各資産グループについての減損の兆候が認められた。
帳簿価額:A200、B250、C300
期首DEP累計:A80、B70、C120
当期DEP:A20、B10、C30
割引前将来CF:A110、B150、C140
正味売却価額:A95、B140、C100
使用価値:A90、B130、C110
前回と重複するが、固定資産の減損会計に際して五つの段階を踏む。この五つをまずは頭に入れたい。1.資産のグルーピング、2.減損の兆候の把握、3.減損損失の認識の判定、4.減損損失の測定、5.減損損失の配分、の五つである。つまり今回与えられる資料の上では1と2の段階は既に終了しており、3の「認識の判定」のプロセスからスタートすることになる。もちろん問いによっては全ての過程を判断する必要があるが、具体的な計算が必要になるのは3~5のステップであるため、学習の比重としてはこれら後半部分にウェイトを置くのが合理的だろう。
それでは「減損の認識の判定」を行う。このプロセスは、『固定資産の簿価と割引前将来CFを比較』して、簿価がCFを上回ってしまった場合、即ち当該資産に対する投資が損失となってしまった資産(グループ)に限り次の段階に以降する。「兆候の把握」が目の粗い網ならば、この「認識の判定」でより細かい篩にかけている。もう一度数値を示すと、
帳簿価額:A200、B250、C300
期首DEP累計:A80、B70、C120
当期DEP:A20、B10、C30
割引前将来CF:A110、B150、C140
正味売却価額:A95、B140、C100
使用価値:A90、B130、C110
簿価200-減価償却累計額80-当期償却費20=100が資産グループAの当期末における簿価である。対してこの資産グループから将来的に見込める(割引前の)収益は110である。つまりこの資産グループAの使用を継続しても10の黒は見込める為、「減損損失の認識はされない」という結論が導かれる。(※ちなみに、この過程で用いられるキャッシュフローが「割引前」なのは、想像に依るが、計算の煩雑性を忌避したものかと思っている。どう考えても割引計算を行った方が正確な数値は把握できるはずだが、それをしない理由としては上記のもの以外は思い浮かばない)
次にBの簿価(現在価値)は250-70-10=170。割引前将来CFは150であり、この時点で170を回収出来ないものと思われる。この段階で減損損失を認識する。そして次の『減損損失の測定』の手続に移行する。
正味売却価額の「正味」とは、売却に要する費用等を差し引いた、売却によって得られる最終的な価値であり、「使用価値」は言葉通りである。ただし使用価値は(本問ではざっくり示されているだけだが)割引後の数字を用いることに注意。そしてこれら売却価値と使用価値の二つの数字のうち、経営者は当然に高額なものを採用するはずであるから、損失測定時にも「簿価-高額な数字」によって計算される。
資産グループBの現在の簿価170-回収可能額140(正味売却価額)=30の減損が測定される。Cは割愛。
・例:当期末において以下のA、B、Cの各資産グループについての減損の兆候が認められた。
帳簿価額:A200、B250、C300
期首DEP累計:A80、B70、C120
当期DEP:A20、B10、C30
割引前将来CF:A110、B150、C140
正味売却価額:A95、B140、C100
使用価値:A90、B130、C110
前回と重複するが、固定資産の減損会計に際して五つの段階を踏む。この五つをまずは頭に入れたい。1.資産のグルーピング、2.減損の兆候の把握、3.減損損失の認識の判定、4.減損損失の測定、5.減損損失の配分、の五つである。つまり今回与えられる資料の上では1と2の段階は既に終了しており、3の「認識の判定」のプロセスからスタートすることになる。もちろん問いによっては全ての過程を判断する必要があるが、具体的な計算が必要になるのは3~5のステップであるため、学習の比重としてはこれら後半部分にウェイトを置くのが合理的だろう。
それでは「減損の認識の判定」を行う。このプロセスは、『固定資産の簿価と割引前将来CFを比較』して、簿価がCFを上回ってしまった場合、即ち当該資産に対する投資が損失となってしまった資産(グループ)に限り次の段階に以降する。「兆候の把握」が目の粗い網ならば、この「認識の判定」でより細かい篩にかけている。もう一度数値を示すと、
帳簿価額:A200、B250、C300
期首DEP累計:A80、B70、C120
当期DEP:A20、B10、C30
割引前将来CF:A110、B150、C140
正味売却価額:A95、B140、C100
使用価値:A90、B130、C110
簿価200-減価償却累計額80-当期償却費20=100が資産グループAの当期末における簿価である。対してこの資産グループから将来的に見込める(割引前の)収益は110である。つまりこの資産グループAの使用を継続しても10の黒は見込める為、「減損損失の認識はされない」という結論が導かれる。(※ちなみに、この過程で用いられるキャッシュフローが「割引前」なのは、想像に依るが、計算の煩雑性を忌避したものかと思っている。どう考えても割引計算を行った方が正確な数値は把握できるはずだが、それをしない理由としては上記のもの以外は思い浮かばない)
次にBの簿価(現在価値)は250-70-10=170。割引前将来CFは150であり、この時点で170を回収出来ないものと思われる。この段階で減損損失を認識する。そして次の『減損損失の測定』の手続に移行する。
正味売却価額の「正味」とは、売却に要する費用等を差し引いた、売却によって得られる最終的な価値であり、「使用価値」は言葉通りである。ただし使用価値は(本問ではざっくり示されているだけだが)割引後の数字を用いることに注意。そしてこれら売却価値と使用価値の二つの数字のうち、経営者は当然に高額なものを採用するはずであるから、損失測定時にも「簿価-高額な数字」によって計算される。
資産グループBの現在の簿価170-回収可能額140(正味売却価額)=30の減損が測定される。Cは割愛。