(1)委員会設置会社の誕生
平成15年4月1日より、株式会社は「委員会設置会社」という仕組みを採用することができるようになった。委員会設置会社の特徴は、従来の取締役会の機能を分離したところにある。一般的な取締役会の職務は以下の三つである。
1.業務執行に関する会社の「意思を決定」すること
2.取締役の職務執行を「監督」すること
3.代表取締役の選定及び解職をすること

上記のとおり、取締役会は様々な場面において経営判断を行い、当該判断に基づいて取締役が職務を行っているかを監督する職務までをも担っているが、これは取締役会の負担が大きく、監督機能が事実上形骸化してしまうおそれがある。この為、委員会設置会社という仕組みを採用することができるようになった。委員会設置会社の特徴は以下の三つである。
1.委員会設置会社には執行役がおかれ、本来取締役が決定する事項を大幅に執行役に委任することができる。
2.執行役に権限を委譲することにより、取締役会はその監督に専念することができる。
3.会社の経営における重要事項については社外取締役が過半数を占める委員会に大きな権限を持たせることで、取締役会の監督機能を強化している。

(2)委員会設置会社における取締役会の役割(脳+見張り)
委員会設置会社の取締役会は、会社の業務執行の決定と執行役の業務執行の監督を行う(416条1項)が、一定の重要事項を除いて業務執行の決定を大幅に執行役に委任することが可能である(416条4項)。

1.業務執行の決定は大幅に執行役に委任できる
2.従来は取締役会がその一員である取締役を監督していたが、委員会設置会社の取締役会が監督するのは執行役の業務執行である。従って、監督機能に特化することで、監督を実効性あるものとすることができる。

(3)執行役(委任を受けた事項に関しては、脳+手足)
執行役は取締役会によって選任され、取締役会の委託を受けた事項については会社の業務執行を決定し、委員会設置会社の業務を執行する(418条)。また、委員会設置会社には必ず執行役を置かなければならない(402条1項)。執行役に業務執行権限を与えることにより、業務執行と監督を行う機関を分離し、取締役会の監督機能の強化、業務執行の効率性向上が図られる。

(4)代表執行役(手足+顔)
代表執行役は取締役会によって選定され、委員会設置会社を代表し、業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。通常の株式会社における代表取締役に相当する機関である。

(5)各種委員会
委員会とは、委員会設置会社の取締役会の内部機関であり、指名委員会・監査委員会・報酬委員会のことを指す。各委員会の権限は以下のとおりである。
1.指名委員会:株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する権限を有する
2.監査委員会:執行役及び取締役(会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査をするほか、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定する権限を有する
3.報酬委員会:執行役及び取締役(会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与)の個人別の報酬等の内容を決定する権限をゆうする