そもそも退職給付会計とは、将来的にほぼ確実に予見される、ある程度大きな支出を財務諸表に適切に反映させ、投資家に対する情報提供をより有用なものとするために導入された(と思います。あとコンバージェンスとか)。これによって、いわゆる「隠れ負債」を解消され、代償に「退職給付引当金」として企業は負債を計上することになる。
つまり骨子は引当金の計上と各期の費用配分であると言える。
ただし退職金に係る引当金であるため、その支払いまでには比較的長い期間を要する場合が多い。この為、多くの金額を見積りによって計上せざるを得ない。例えばある従業員に支払われる退職金は幾らなのか。これは当然何年も前から確定することは難しい為、その金額は見積りである。また、年金資産の運用益や退職給付債務の利息費用なども見積りによる他ない。
見積りである以上はその変更や環境変化に伴う修正を余儀なくされる。
見積りと実際の損益等の間で乖離を認識した場合(概念フレームワークの言葉を借りれば、「投資にあたって期待された成果」が「リスクから解放された投資の結果」に変わった段階で)はそれを差異として計上し、計上された差異は適正な期間に費用配分する(=例えば年金資産の運用収益が見積を大きく下回り損失を出したとする。この損失を決算で一気に費用化するのではなく、数年に渡り緩やかに按分する処理である)。
・差異の種類
?数理計算上の差異
?過去勤務債務
?会計基準変更時差異
学習上は以上の3つを扱う。これらはそれぞれ損失と利益、管理会計風に言えば有利差異と不利差異が考えられる。もう一度年金資産の運用を例に出せば、見積に対して運用益が大きければ有利差異、小さければ不利差異といった具合である。
退職給付会計における差異の学習にあたっては認識(費用化)された差異と見認識の差異をはっきりと意識することが重要である。
例えば年金資産の運用収益低下により200の損失を出した。これを5年間で償却(費用化)する。
最初の時点でこの200の部分を「未認識差異」と言い、これは(T勘定において)年金資産の貸方を構成する。結果として年金資産はこれまでよりも200少なく認識され、退職給付債務との差額である退職給付引当金の計上額は膨らむことになる(損失を出したのだから帰結としては当然である)。
なお年金資産自体はBSで把握されず、あくまで退職給付債務との差額として(退職給付引当金に)のみ表れる。従ってこの場合、未認識差異に対しての仕訳は行われない。未認識差異は費用化したタイミングでのみ(問題上ではほぼ確実に決算時を指す)PLとなる。ただしこの場合も差異についての個別的な仕分けは無く、退職給付費用の算定の中でのみ影響をもたらす(退職給付債務=勤務費用+利息費用-期待運用収益±差異)。
上記の200の損失の話に戻ると、この差異(数理計算上の差異)は認識した会計期間、あるいは翌期から費用化する。従って費用計上を始めるタイミングは任意である。ただし原則としては発生年度に計上し、容認として発生年度の翌期から費用処理を開始する。5年間の定額法による処理を仮定すると一年当りの費用処理額は40であり、これは退職給付債務の算定に際してプラス項目と(つまり費用として認識)する。
さて、具体的な差異の処理方法は別エントリにて見るとして、それぞれの差異の発生原因と費用処理方法およびその開始時期を以下にまとめる。
?数理計算上の差異
発生原因
・見積と実績の相違
・基礎率の変更(※基礎率=退職給付見込額の計算に用いる昇給率や退職率、割引計算に用いる利率、期待運用収益率等)
費用処理方法
・原則:定額法
・容認:定率法
費用処理の開始時期
・原則:発生年度
・容認:発生年度の翌期
?過去勤務債務
発生原因
・退職給付水準の改訂
費用処理方法
・原則:定額法
・容認:定率法
費用処理の開始時期
・発生年度のみ
?会計基準変更時差異
発生原因
・退職給付引当金と退職給与引当金の差
費用処理方法
・定額法(15年以内)
費用処理の開始時期
・会計基準適用初年度
つまり骨子は引当金の計上と各期の費用配分であると言える。
ただし退職金に係る引当金であるため、その支払いまでには比較的長い期間を要する場合が多い。この為、多くの金額を見積りによって計上せざるを得ない。例えばある従業員に支払われる退職金は幾らなのか。これは当然何年も前から確定することは難しい為、その金額は見積りである。また、年金資産の運用益や退職給付債務の利息費用なども見積りによる他ない。
見積りである以上はその変更や環境変化に伴う修正を余儀なくされる。
見積りと実際の損益等の間で乖離を認識した場合(概念フレームワークの言葉を借りれば、「投資にあたって期待された成果」が「リスクから解放された投資の結果」に変わった段階で)はそれを差異として計上し、計上された差異は適正な期間に費用配分する(=例えば年金資産の運用収益が見積を大きく下回り損失を出したとする。この損失を決算で一気に費用化するのではなく、数年に渡り緩やかに按分する処理である)。
・差異の種類
?数理計算上の差異
?過去勤務債務
?会計基準変更時差異
学習上は以上の3つを扱う。これらはそれぞれ損失と利益、管理会計風に言えば有利差異と不利差異が考えられる。もう一度年金資産の運用を例に出せば、見積に対して運用益が大きければ有利差異、小さければ不利差異といった具合である。
退職給付会計における差異の学習にあたっては認識(費用化)された差異と見認識の差異をはっきりと意識することが重要である。
例えば年金資産の運用収益低下により200の損失を出した。これを5年間で償却(費用化)する。
最初の時点でこの200の部分を「未認識差異」と言い、これは(T勘定において)年金資産の貸方を構成する。結果として年金資産はこれまでよりも200少なく認識され、退職給付債務との差額である退職給付引当金の計上額は膨らむことになる(損失を出したのだから帰結としては当然である)。
なお年金資産自体はBSで把握されず、あくまで退職給付債務との差額として(退職給付引当金に)のみ表れる。従ってこの場合、未認識差異に対しての仕訳は行われない。未認識差異は費用化したタイミングでのみ(問題上ではほぼ確実に決算時を指す)PLとなる。ただしこの場合も差異についての個別的な仕分けは無く、退職給付費用の算定の中でのみ影響をもたらす(退職給付債務=勤務費用+利息費用-期待運用収益±差異)。
上記の200の損失の話に戻ると、この差異(数理計算上の差異)は認識した会計期間、あるいは翌期から費用化する。従って費用計上を始めるタイミングは任意である。ただし原則としては発生年度に計上し、容認として発生年度の翌期から費用処理を開始する。5年間の定額法による処理を仮定すると一年当りの費用処理額は40であり、これは退職給付債務の算定に際してプラス項目と(つまり費用として認識)する。
さて、具体的な差異の処理方法は別エントリにて見るとして、それぞれの差異の発生原因と費用処理方法およびその開始時期を以下にまとめる。
?数理計算上の差異
発生原因
・見積と実績の相違
・基礎率の変更(※基礎率=退職給付見込額の計算に用いる昇給率や退職率、割引計算に用いる利率、期待運用収益率等)
費用処理方法
・原則:定額法
・容認:定率法
費用処理の開始時期
・原則:発生年度
・容認:発生年度の翌期
?過去勤務債務
発生原因
・退職給付水準の改訂
費用処理方法
・原則:定額法
・容認:定率法
費用処理の開始時期
・発生年度のみ
?会計基準変更時差異
発生原因
・退職給付引当金と退職給与引当金の差
費用処理方法
・定額法(15年以内)
費用処理の開始時期
・会計基準適用初年度