1減損の兆候
2減損損失の認識の判定
3減損損失の測定

~1.減損の兆候~
意義:資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象
減損の兆候なし=減損損失を認識しない
減損の兆候あり=減損損失の認識の判定へ

減損の兆候の具体例
・ある資産(グループ)の営業活動から生ずる損益又はキャッシュフローが継続してマイナスとなっている、またはその見込みがある。
・ある資産を使用する範囲や資産のグルーピング方法について変化が生じ、それにより当該資産(グループ)の回収可能価額を著しく低下する、またはその見込みがある。
・資産または資産グループが使用されている事業に関連して経営環境が著しく悪化したか或いは悪化する見込みである。
・資産又は資産グループの市場価格が著しく下落。

~2.減損損失の認識の判定~
・減損損失の認識の判定:減損の存在が相当程度に確実な場合に限って減損損失を認識することが適当であることから、減損損失を認識するかどうかの判定は、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュフローの総額と帳簿価額を比較することによって行う。
これがどういうことかというと、割引前将来キャッシュフローは、将来の収益予測モデルのひとつであるが、割引後のそれよりも高い金額で見積もられる。割引前の(企業側に有利な)予測ですら発生すると思しき減損は、その後の割引後の予測ではより確実に減損が見込まれるはずであるからである。つまり割引前のキャッシュフローで以って減損認識の判定を行うということは、より厳格な閾値を適用することに他ならない。
・将来キャッシュフローの見積方法:将来キャッシュフローの見積方法としては、『最頻値法と期待値法のいずれも適用できる』規定となっている。最頻値法は、例えばある資産から生成されるキャッシュフローの候補が幾つかある中の最も生起し得る確率の高いものを選び取ることである。

割引前将来キャッシュフローの見積期間
『将来キャッシュフローはその見積期間を制限されている』。あまりに長期間に渡る将来キャッシュフローの見積は不確実性が高くなる。というより短期的にすら予測の困難な複雑系であるため、これが長期に渡ればその精度は更に低下する。また、土地等の非償却性資産の生み出すキャッシュフローは使用期間が無限になりうるため、適正な数字を得ることができない。このような理由から、『割引前将来キャッシュフローの見積期間は最長で20年』となっている。


・割引前将来キャッシュフローの見積期間=主要な資産の経済的残存使用年数or20年(いずれか短いほう
※主要な資産=資産グループの将来CF生成能力にとって最も重要な構成資産

(1)経済的残存使用年数≦20年の場合
割引前将来CF=経済的残存使用年数までの割引前将来CF+経済的残存使用年数経過時点における正味売却価額

(2)経済的残存使用年数>20年の場合
割引前将来CF=20年目までの割引前将来CF+20年経過時点における回収可能価額
例:経済的残存使用年数25年の資産から生成される将来CF
この場合は20年目までの割引前将来CFを集計。さらに回収可能価額とは、21年目以降のCFを20年目まで割引計算を行い得られるCF+25年経過時点の正味売却価額