SSにおける株主資本以外の項目の表示方法は以下の
・原則:当期変動額を純額表示
・容認:当期変動額を変動事由ごとに表示
である。前エントリでは原則法を書いたので今回は容認法。なお税効果額の表示方法にも以下の二通りがある。
?税効果額調整前の金額を表示し、税効果額を別の変動事由として表示する方法
?税降下調整後の金額を表示する方法
資料は前回のもの(時価のあるその他有価証券のみ)を流用。
(1)時価のあるその他有価証券
?C株式は当期中にその全てを1700で売却している。
?D株式は当期中にその全てを10300で売却している。
?E株式は時価の回復可能性がないため減損処理を行う。
[解説]
まずは解答の当期変動額を主な変動事由ごとに表示(税降下調整前の金額を表示する方法)して、後からそこに至る理路を説明する。
・株主資本等変動計算書(一部)
説明するといっても全く理解できないので、参考書をなぞることにしかならない。
問題としているのはその他有価証券についてのSS表示についてである。その他有価証券から生じる純資産の項目はその他有価証券評価差額金であり、売却損益や減損損失は無関係だと一見思えるが、どうやらそれらの数字と税効果額を加味するとその他有価証券評価差額金の当期変動額が算出されるらしい。
もうひとつ、その他有価証券の売却損益や減損損失、その他有価証券評価差額金の貸借は反転して表示するルールがあるらしい。つまり例えば売却益はマイナス項目、減損損失はプラス項目、といった具合に貸借を逆にする必要がある、とある(参考書に)。
更にもうひとつ、その他有価証券評価差額金は、それ以外の当期変動事由(売却損益、減損損失、税効果額)と、当期変動額との差額から逆算で求め、税効果相当額については前期末残高と当期末残高の差額を1-税率の値で割り戻すことにより算出する、とある。
以上の条件から情報を整理していくと、
1.売却損益
2.減損損失
3.時価評価部分(全体の差額より算定)
4.税効果額(前期末・当期末残高の差額を1-税率で割り戻して算定)
※1~4の貸借を真逆にしてSSに表示
ということになる。以下でひとつずつ適用してみる。
・売却損益
C社株式(取得原価2000)を1700で売却=△300
D社株式(取得原価8000)を10300で売却=+2300
合計=2000
※但し貸借を逆にするらしいので△2000
・減損損失
E社株式(簿価20000)を時価7000に減損=△13000
※マイナス項目はプラス項目に変換=+13000
・時価評価
個別の算定も可能だが、逆算より求めることで効率化できるらしいので保留。
・税効果額
その他有価証券評価差額金の前期末残高600、当期末残高2100であるので当期変動額は1500
前期末・当期末ともに残高は税効果適用後の金額であるため、当期変動額も当然税効果適用後の数字である。ただし今回は税効果調整前の金額を表示する方法を採っているので、適用前の数字に直す必要がある(今回の税率は40%)。
1500は税効果適用後=その他有価証券評価差額金の増加額の60%相当
1500/0.6=2500が時価評価による投資有価証券の増加額(純額)
つまり税効果額は1000である。
※先に説明するのを忘れていたが、
その他有価証券評価差額金が増加していれば、税効果額はマイナス計上され、減少していればプラス計上されるとのことである。
ただし今回はその他有価証券評価差額金は逆算により求める、としているのでどちらにしろこの時点では増加なのか減少なのかは不明であるため、結局のところ個別計算が必要になりそうな気はするが。
※追記
「その他有価証券評価差額金」というのは時価評価による当期の投資有価証券の変動額ではなく、SSの上での前期末残高から当期末残高への変動額が正か負かを問題としているのかもしれない。こちらの解釈が正しければ増加・減少の判定は可能であるから、どうやらこちらの解釈が正解である。はず。
・まとめ
前期末600から当期末2100の残高の変動、差額1500を0.6で割戻して、0.4を乗じることで税効果額を算定、増加のケースなのでマイナス計上すると
税効果額=△1000
ここまでをSSに沿って表示すると
となる。当期変動額の内訳は変動事由ごとにしめされており、税効果額以外の貸借は逆に表示されている。さらにその他有価証券評価差額金の当期変動額(時価評価部分)は
売却+減損+時価評価+税効果=当期変動額、となるように逆算で求めるわけであるので、
△2000+13000△1000+時価=1500
時価評価による変動は△8500(但しこれは貸借を逆にしたものであるので、実際にはその他有価証券評価差額金は増加している)
これにより、SSにおける株主資本以外の項目の表示方法のうち、容認による「当期変動額を主な変動事由ごとに表示」する方法の中で、税効果調整前の金額を表示する方法は以下のようになる。
この資料の変動事由のうち税効果額以外のプラスマイナスは逆になっているため、利用者は税効果以外を脳内で反転させて読み取るのだろうか?なんだか使用しにくそうな資料な気がするが。
・原則:当期変動額を純額表示
・容認:当期変動額を変動事由ごとに表示
である。前エントリでは原則法を書いたので今回は容認法。なお税効果額の表示方法にも以下の二通りがある。
?税効果額調整前の金額を表示し、税効果額を別の変動事由として表示する方法
?税降下調整後の金額を表示する方法
資料は前回のもの(時価のあるその他有価証券のみ)を流用。
(1)時価のあるその他有価証券
| 取得原価 | 前期末時価 | 当期購入額 | 当期末簿価 | 当期末時価 | |
| A株式 | 6,000 | 6,000 | 6,500 | ||
| B株式 | 10,000 | 12,000 | 10,000 | 13,000 | |
| C株式 | 2,000 | ||||
| D株式 | 8,000 | 9,500 | |||
| E株式 | 20,000 | 17,500 | 20,000 | 7,000 |
?C株式は当期中にその全てを1700で売却している。
?D株式は当期中にその全てを10300で売却している。
?E株式は時価の回復可能性がないため減損処理を行う。
[解説]
まずは解答の当期変動額を主な変動事由ごとに表示(税降下調整前の金額を表示する方法)して、後からそこに至る理路を説明する。
・株主資本等変動計算書(一部)
| 評価・換算差額等 | ||||
| その他有価証券評価差額金 | ||||
| 前期末残高 | 600 | |||
| 当期変動額 | ||||
| その他有価証券の売却による増減 | △2,000 | |||
| その他有価証券の減損処理による増減 | 13,000 | |||
| 純資産の部に直接計上されたその他有価証券評価差額金の増減 | △8,500 | |||
| 税効果額 | △1,000 | |||
| 当期変動額合計 | 1,500 | |||
| 当期末残高 | 2,100 | |||
説明するといっても全く理解できないので、参考書をなぞることにしかならない。
問題としているのはその他有価証券についてのSS表示についてである。その他有価証券から生じる純資産の項目はその他有価証券評価差額金であり、売却損益や減損損失は無関係だと一見思えるが、どうやらそれらの数字と税効果額を加味するとその他有価証券評価差額金の当期変動額が算出されるらしい。
もうひとつ、その他有価証券の売却損益や減損損失、その他有価証券評価差額金の貸借は反転して表示するルールがあるらしい。つまり例えば売却益はマイナス項目、減損損失はプラス項目、といった具合に貸借を逆にする必要がある、とある(参考書に)。
更にもうひとつ、その他有価証券評価差額金は、それ以外の当期変動事由(売却損益、減損損失、税効果額)と、当期変動額との差額から逆算で求め、税効果相当額については前期末残高と当期末残高の差額を1-税率の値で割り戻すことにより算出する、とある。
以上の条件から情報を整理していくと、
1.売却損益
2.減損損失
3.時価評価部分(全体の差額より算定)
4.税効果額(前期末・当期末残高の差額を1-税率で割り戻して算定)
※1~4の貸借を真逆にしてSSに表示
ということになる。以下でひとつずつ適用してみる。
・売却損益
C社株式(取得原価2000)を1700で売却=△300
D社株式(取得原価8000)を10300で売却=+2300
合計=2000
※但し貸借を逆にするらしいので△2000
・減損損失
E社株式(簿価20000)を時価7000に減損=△13000
※マイナス項目はプラス項目に変換=+13000
・時価評価
個別の算定も可能だが、逆算より求めることで効率化できるらしいので保留。
・税効果額
その他有価証券評価差額金の前期末残高600、当期末残高2100であるので当期変動額は1500
前期末・当期末ともに残高は税効果適用後の金額であるため、当期変動額も当然税効果適用後の数字である。ただし今回は税効果調整前の金額を表示する方法を採っているので、適用前の数字に直す必要がある(今回の税率は40%)。
1500は税効果適用後=その他有価証券評価差額金の増加額の60%相当
1500/0.6=2500が時価評価による投資有価証券の増加額(純額)
つまり税効果額は1000である。
※先に説明するのを忘れていたが、
その他有価証券評価差額金が増加していれば、税効果額はマイナス計上され、減少していればプラス計上されるとのことである。
ただし今回はその他有価証券評価差額金は逆算により求める、としているのでどちらにしろこの時点では増加なのか減少なのかは不明であるため、結局のところ個別計算が必要になりそうな気はするが。
※追記
「その他有価証券評価差額金」というのは時価評価による当期の投資有価証券の変動額ではなく、SSの上での前期末残高から当期末残高への変動額が正か負かを問題としているのかもしれない。こちらの解釈が正しければ増加・減少の判定は可能であるから、どうやらこちらの解釈が正解である。はず。
・まとめ
前期末600から当期末2100の残高の変動、差額1500を0.6で割戻して、0.4を乗じることで税効果額を算定、増加のケースなのでマイナス計上すると
税効果額=△1000
ここまでをSSに沿って表示すると
| 評価・換算差額等 | ||||
| その他有価証券評価差額金 | ||||
| 前期末残高 | 600 | |||
| 当期変動額 | ||||
| その他有価証券の売却による増減 | △2,000 | |||
| その他有価証券の減損処理による増減 | 13,000 | |||
| 純資産の部に直接計上されたその他有価証券評価差額金の増減 | ??? | |||
| 税効果額 | △1,000 | |||
| 当期変動額合計 | 1,500 | |||
| 当期末残高 | 2,100 | |||
となる。当期変動額の内訳は変動事由ごとにしめされており、税効果額以外の貸借は逆に表示されている。さらにその他有価証券評価差額金の当期変動額(時価評価部分)は
売却+減損+時価評価+税効果=当期変動額、となるように逆算で求めるわけであるので、
△2000+13000△1000+時価=1500
時価評価による変動は△8500(但しこれは貸借を逆にしたものであるので、実際にはその他有価証券評価差額金は増加している)
これにより、SSにおける株主資本以外の項目の表示方法のうち、容認による「当期変動額を主な変動事由ごとに表示」する方法の中で、税効果調整前の金額を表示する方法は以下のようになる。
| 評価・換算差額等 | ||||
| その他有価証券評価差額金 | ||||
| 前期末残高 | 600 | |||
| 当期変動額 | ||||
| その他有価証券の売却による増減 | △2,000 | |||
| その他有価証券の減損処理による増減 | 13,000 | |||
| 純資産の部に直接計上されたその他有価証券評価差額金の増減 | △8,500 | |||
| 税効果額 | △1,000 | |||
| 当期変動額合計 | 1,500 | |||
| 当期末残高 | 2,100 | |||
この資料の変動事由のうち税効果額以外のプラスマイナスは逆になっているため、利用者は税効果以外を脳内で反転させて読み取るのだろうか?なんだか使用しにくそうな資料な気がするが。