?売買目的有価証券から満期保有目的の債券への変更

まず始めに、満期保有目的の債券への変更は原則として認められない。取得した債権の保有目的を元利金の獲得とするかどうかの意図は取得時に判断すべきものである。つまりこれは極めて例外的なケースであり、売買目的で取得した債券の流動性が極端に低下する等の理由から、当該債券の売却が困難な期間が相当程度生じている場合において認められるものである。当然このときも満期まで保有する能力は問われる。

[設例]
・A社社債を保有している。これは当期首(×1年4.1)に額面10000を9100で取得したもの。満期日は×6年.3.31であり利息はないものとする。
・想定し得ない市場環境の著しい変化により流動性が極端に低下したことから、社債を時価で売却することが困難な期間が相当程度生じたため、×1年9.30に時価の変動により利益を得ることを目的としないことを明らかにして、A社社債を満期保有目的の債券に振り替えた。なおA社社債の時価は7300。
・A社社債の取得差額には償却原価法(定額法)を適用する。

[解答]
保有目的区分の変更は、(その他有価証券からの変更を除き)変更前の区分の処理をまず適用する。

取得時
(借)有価証券 9100 (貸)現金預金 9100
変更時
1.(借)有価証券評価損 1800 (貸)有価証券 1800
2.(借)投資有価証券 7300 (貸)有価証券 7300
決算時
(借)投資有価証券 300 (貸)有価証券利息 300

※変更時は簿価と時価の差額を(変更前の)売買目的有価証券の処理に準じて損益とする。満期保有目的の債券は時価で計上。
※満期保有目的の債券は変更時が取得時である。この時点から満期日までの期間に応じて簿価と額面の差額を(定額法で)按分=2700×6/54ヶ月