1.H21年度期首に備品45000を取得した。会計上は残存価額ゼロ、耐用年数を4年とする定額法により減価償却を実施するが、税務上の法定耐用年数は6年である。
2.税効果会計を適用する実効税率は40%とする。
[解答]
今回の問は一時差異を把握することである。一時差異に税率を乗じることで「法人税等調整額」を算出することができる。これはPLの調整項目であり、相手勘定はBS調整項目である「繰延税金資産or負債」となる。
算出にはPLに着目する方法とBSから着目する方法がある。一応両者を見比べていくが、今後実質的に使用する解法は「BSから算出」する方法である。理由については後述。
まず減価償却費の金額が会計と税務では異なる数値となっている。
これは、企業がある備品を何年間使用するのかを想定し、これに基づいた耐用年数から費用を導くが、資産ごとの耐用年数は(税務上)法律に定められている。おそらくは耐用年数を設定する差異に、企業の恣意性が介入する余地があり、例えば耐用年数を以上に長く(或いは短く)設定することで企業がある会計期間の費用を操作してしまうことを問題とした法定かと思われる(全部想像だけど)。
さて、もう一度会計上・税務上別のDEP及び備品の簿価のリストだが
このようになっている。会計上のDEPが費用、税務上のDEPが損金である。
今回は費用が損金を上回っている。つまり税務よりも会計の方が利益が少なく見積もられるわけである。言い換えれば税務上の課税所得が会計上の税引前当期純利益を上回ることになる。
つまり会計上の計算に基づいて算出される(=利益×実効税率)税額よりも、税務上の計算に基づく税額(実際に支払うのは当然こちらである)が大きい。
これは税金を前倒しで納付することとイコールであり、ここで「繰延税金資産」が発生する。この繰延税金資産、つまり前払いした税金が幾らになるのか、を計算する為に以下でPL、BSの両面から処理を見ていく。
~H21年度~
・PLに着目した解法
会計上の費用11250>税務上の損金7500
差額の将来減算一時差異が3750発生。
将来減算一時差異3750×税率40%=繰延税金資産1500を計上
ここで用語の復習。
一時差異には2つの種類がある。将来的に課税所得を減額(=法人税等を減額)する効果を持つ将来減算一時差異と、将来的に課税所得を増額(=法人税等を増額)する効果を持つ将来加算一時差異である。
この将来減算一時差異をPL項目である減価償却費の差額から計算した上の解法がPLに着目するやり方である。
・BSに着目した解法
会計上の資産33750<税務上の資産37500
差額の3750が当期末の将来減算一時差異である。
当期末の繰延税金資産は1500(当期将来減算一時差異3750×40%)となる。
計算上の数値が上のPLの例と重複してしまうので少しわかりにくいかもしれない。
~H22年度~
・PLに着目した解法
会計上の費用11250>税務上の損金7500
将来減算一時差異が3750発生
繰延税金資産を1500追加計上
・BSに着目した解法
会計上の資産22500<税務上の資産30000
当期末の将来減算一時差異7500
7500×40%=3000が当期末の繰延税金資産(総額)となる。
前期末に1500を計上しているので、差分の1500を追加計上
H22年度の処理を見ると、BSからの切り口の方が合理的であることがわかる。繰延税金資産の前TB残高の資料は通常持っているはずである。
もう一度先の図表を記すが、
このリストでH22年度のBS差額は会計上の簿価22500と税務上の簿価30000の差額の7500である。この差額に税率40%を乗じて、当期末に計上されているべき繰延税金資産の総額を導くことが出来る。この繰延税金資産の総額と、期首段階における繰延税金資産との差額が期末に計上すべき繰延税金資産および法人税等調整額となるのである。
2.税効果会計を適用する実効税率は40%とする。
| 会計上 | 税務上 | |||||
| 減価償却費 | 簿価 | 減価償却費 | 簿価 | |||
| 21年度 | 11250 | 33750 | 7500 | 37500 | ||
| 22年度 | 11250 | 22500 | 7500 | 30000 | ||
[解答]
今回の問は一時差異を把握することである。一時差異に税率を乗じることで「法人税等調整額」を算出することができる。これはPLの調整項目であり、相手勘定はBS調整項目である「繰延税金資産or負債」となる。
算出にはPLに着目する方法とBSから着目する方法がある。一応両者を見比べていくが、今後実質的に使用する解法は「BSから算出」する方法である。理由については後述。
まず減価償却費の金額が会計と税務では異なる数値となっている。
これは、企業がある備品を何年間使用するのかを想定し、これに基づいた耐用年数から費用を導くが、資産ごとの耐用年数は(税務上)法律に定められている。おそらくは耐用年数を設定する差異に、企業の恣意性が介入する余地があり、例えば耐用年数を以上に長く(或いは短く)設定することで企業がある会計期間の費用を操作してしまうことを問題とした法定かと思われる(全部想像だけど)。
さて、もう一度会計上・税務上別のDEP及び備品の簿価のリストだが
| 会計上 | 税務上 | |||||
| 減価償却費 | 簿価 | 減価償却費 | 簿価 | |||
| 21年度 | 11250 | 33750 | 7500 | 37500 | ||
| 22年度 | 11250 | 22500 | 7500 | 30000 | ||
このようになっている。会計上のDEPが費用、税務上のDEPが損金である。
今回は費用が損金を上回っている。つまり税務よりも会計の方が利益が少なく見積もられるわけである。言い換えれば税務上の課税所得が会計上の税引前当期純利益を上回ることになる。
つまり会計上の計算に基づいて算出される(=利益×実効税率)税額よりも、税務上の計算に基づく税額(実際に支払うのは当然こちらである)が大きい。
これは税金を前倒しで納付することとイコールであり、ここで「繰延税金資産」が発生する。この繰延税金資産、つまり前払いした税金が幾らになるのか、を計算する為に以下でPL、BSの両面から処理を見ていく。
~H21年度~
・PLに着目した解法
会計上の費用11250>税務上の損金7500
差額の将来減算一時差異が3750発生。
将来減算一時差異3750×税率40%=繰延税金資産1500を計上
ここで用語の復習。
一時差異には2つの種類がある。将来的に課税所得を減額(=法人税等を減額)する効果を持つ将来減算一時差異と、将来的に課税所得を増額(=法人税等を増額)する効果を持つ将来加算一時差異である。
この将来減算一時差異をPL項目である減価償却費の差額から計算した上の解法がPLに着目するやり方である。
・BSに着目した解法
会計上の資産33750<税務上の資産37500
差額の3750が当期末の将来減算一時差異である。
当期末の繰延税金資産は1500(当期将来減算一時差異3750×40%)となる。
計算上の数値が上のPLの例と重複してしまうので少しわかりにくいかもしれない。
~H22年度~
・PLに着目した解法
会計上の費用11250>税務上の損金7500
将来減算一時差異が3750発生
繰延税金資産を1500追加計上
・BSに着目した解法
会計上の資産22500<税務上の資産30000
当期末の将来減算一時差異7500
7500×40%=3000が当期末の繰延税金資産(総額)となる。
前期末に1500を計上しているので、差分の1500を追加計上
H22年度の処理を見ると、BSからの切り口の方が合理的であることがわかる。繰延税金資産の前TB残高の資料は通常持っているはずである。
もう一度先の図表を記すが、
| 会計上 | 税務上 | |||||
| 減価償却費 | 簿価 | 減価償却費 | 簿価 | |||
| 21年度 | 11250 | 33750 | 7500 | 37500 | ||
| 22年度 | 11250 | 22500 | 7500 | 30000 | ||
このリストでH22年度のBS差額は会計上の簿価22500と税務上の簿価30000の差額の7500である。この差額に税率40%を乗じて、当期末に計上されているべき繰延税金資産の総額を導くことが出来る。この繰延税金資産の総額と、期首段階における繰延税金資産との差額が期末に計上すべき繰延税金資産および法人税等調整額となるのである。