2.減価償却費
これも先の商品評価損と考え方は変わらない。
税務上は償却製資産の耐用年数を法定しており、また償却方法についても届出により企業に選択させ、その届出方法の実施を義務付けている。
ここで以下のような場合には、税務上の限度額より会計上の減価償却費の方が大きくなり将来減算一時差異が生じる。

・届出方法が定額法で、会計上採用した方法が定率法の場合
・法定耐用年数より短い耐用年数を会計上採用した場合

※ただしこれらは将来減算一時差異が生じる差異の類型であり、実務上は計算の煩雑化を回避するため、届け出た償却方法や法定耐用年数に従う場合が多い(らしい)。

<設例>
1.H21年度期首に建物128,000を取得した。会計上は残存価額ゼロ、耐用年数を10年とする定率法(年償却率0.25)により減価償却を実施するが、税務上の償却方法は定額法である。
2.税効果会計に適用する実効税率は毎期40%とする。

<解説>
※左が会計上の減価償却費と簿価、右が税務上のものである。

DEP 簿価 DEP 簿価
H21年度 32000 96000 12800 115200
H22年度 24000 72000 12800 102400
H23年度 18000 54000 12800 89600
H24年度 13500 40500 12800 76800
H25年度 10125 30375 12800 64000

まずH21年度の会計・税務それぞれの場合の簿価の差額は19200である。税率を乗じて7680が繰延税金資産となる。
(借)繰延税金資産 7680 (貸)法人税等調整額 7680

次に2年目の差額は30400である。税率を乗じて12160がH22年度期末にあるべき繰延税金資産の残高である。ただし繰延税金資産の期首残高は上の7680であるから、差額の4480がH22年度末の計上額である。
(借)繰延税金資産 4480 (貸)法人税等調整額 4480

H23年度
(借)繰延税金資産 2080 (貸)法人税等調整額 2080

H24年度
(借)繰延税金資産 280 (貸)法人税等調整額 280
※この時点での一時差異は36300、繰延税金資産残高は14520である。

H25年度の資産簿価の差額は33625、あるべき繰延税金資産は税率を乗じた13450である。これは期首残高14520と比べて低い数字である。
資産の減少は当然貸方項目であるので、これまでと差額分だけ貸借が逆転する。
(借)法人税等調整額 1070 (貸)繰延税金資産 1070