・減損処理の要否は、外貨建取得原価と外貨建時価を比較して判定する。外貨ベースで比較すると50%以下に価値が下落している場合でも、円に換算すると50%以下の下落には達しないということも考えられるが、こういったケースでもあくまで外貨を基準に減損を認識する必要がある。

減損処理は時価を把握できる場合とできない場合により処理が分かれる。

なお以前記したように、減損処理を行うのは、下落した証券の価値の1.回復可能性が認められない場合と、2.回復可能性が不明な場合の二通りである。

設例:時価のあるケース
1.S社の発行済み株式の60%を500ドルで取得した。取得時の為替相場は1ドル=100円であった。
2.保有するS社株式の期末時価は200ドルである。なお時価の回復可能性は認められない。
3.決算時の為替相場は1ドル=140円である。

※このケースでは取得時は500ドル、50000円だが、決算時には200ドル28000円となっている。ここで先に述べたように、円基準では44%の下落だが、あくまで減損要否の判定は外貨基準。500ドルと200ドルを比して考慮する必要がある。

取得時:(借)関係会社(子会社)株式 50000 (貸)現金預金 50000

決算時:(借)関係会社(子会社)株式評価損 22000 (貸)関係会社(子会社)株式 22000
※特損


設例:時価を把握することが極めて困難と認められるケース
1.S社の発行済み株式の60%を500ドルで取得した。取得時の為替相場は1ドル=100円であった。
2.S社株式は非上場株式であり、時価を把握することが極めて困難と認められる。
3.期末直前に入手したS社の貸借対照表は次のとおりである。

諸資産 2000
合計2000

諸負債 1600
資本金 1500
繰越利益剰余金 -1100
合計2000

4.決算時の為替相場は1ドル140円である。

取得時:(借)関係会社株式 50000 (貸)現金預金 50000


決算時
※資料3.より実質価額の計算が必要となる。

実質価額={ 資産(時価)2000 - 負債(時価)1600 } × 60% = 240

500ドルから240ドルに下落(50%以下)しているため、減損処理を行う。この時BSに記載すべき当該証券の金額は240ドル×CR140円の33600円である。これと取得原価50000との差額を減損として認識する。(こちらのケースでも円基準で見ると50%以下の価値の下落はない)

(借)関係会社株式評価損 16400 (貸)関係会社株式 16400