評価額がある場合の完成品負担・両者負担の計算は、按分後に評価額を差し引くのか、按分前に評価額を差し引くのかが異なる。先に見た両者負担のケースでは、発生原価から評価額を差し引き、のちに按分計算を行った。今回見ていく完成品負担のケースでは、先に按分計算を行い、のちに(当然完成品のみから)評価額を差し引く。
これ以外は通常の仕損計算と同様である。完成品のみに仕損費を負担させるのであるから、按分比は完成+仕損:月末、となる。つまり借方側の数値データを変化させることはない。


下の記事の設例と同じ数値だが、条件が少し異なる。

・設例
1.生産量データ
月初420個(0.5)
当月1680個
月末350個(0.4)
正常仕損140個
完成1610個
※材料は始点投入であり、仕損品評価額は45,080である。計算は度外視法、月末仕掛品の評価方法は平均法を採用する。仕損費は完成品のみ負担とし、その価値は材料に60%、加工に40%依存するものとする。なお正常仕損の発生は工程終点とする。

2.原価データ
材料費:月初268,800、当月1,083,600、合計1,352,400
加工費:月初143,640、当月943,110、合計1,086,750

・解法
まず文中に評価額の価値が依存する原価要素の割合がしめされているが、仕損品の評価額は完成品のみから差し引かれるのであるから、結局は評価額を原価要素に分ける必要は無く、その合計を以って控除額とすればよい。つまり45,080を6:4で分けると、材料から成る価値27,048、加工から成る価値18,032の比になるが、最終的に完成品原価を計算するにあたっては、総原価-月末原価-評価額(合計)の式を立てるので取り立てて原価要素に分解する必要はないということである。

それでは材料費の計算から。まず完成品のみに仕損を負担させるため、材料費合計の1,352,400を完成1610+仕損140=の1750:月末350の比で按分する。当然この形により仕損費は完成品に自動的に賦課される。
1,352,400/2100=644
仕損の実在量を含め、材料費の単位原価は@644である。これをまず月末数量の350に乗じて按分。@644×350=225,400が月末仕掛品に負担させる材料費となる。

次に加工費の按分。こちらも上と同様の手順により
1,086,750/1890=575
575×月末換算量140=80,500
月末原価合計は、材料費225,400+加工費80,500=305,900

以上で月末仕掛品が負担すべき原価の集計は終了である。完成品原価は
総原価2,439,150-月末原価305,900-評価額45,080=2,088,170