・売価還元法:取扱品種の極めて多い業種(スーパー等の小売、卸売など)における棚卸資産の評価方法である。一般的な実地棚卸と比してコストの少ない簡便法であり、残存する商品原価を集計するのが困難な場合に用いられる。主にコンビニ業界が採用する評価法であり、商品の受け入れ原価の把握はないものの、売価での商品管理は行われており、逆算的に棚卸資産を評価する。なお数量把握の為の実地棚卸は当然不要になるわけではない。そうではなく、実地棚卸が原価によるものではなく売価ベースで行われるということである。
期末商品棚卸高=売価×原価率の算定式で逆算される。また、収益性の低下は当然反映しなければならない。単純化して説明すると、80円で仕入れたものを100円で売っている会社があり、期末の売価による棚卸高が400であれば0.8倍の320が棚卸資産として計上されるわけである。
売価還元法は「平均法」と「低価法」の2つに分類される。
ただし現状で適用すべきは低価法である。これは原価率の算定に際して、商品の値下げを含まないため、結果として売価が大きくなり、反対に原価率は下がることになる。つまり原価率が(平均法より)低い数値で期末資産を計上するため、商品在庫の評価の切り下げを行ったことになるわけである。企業会計に対して慎重になっている風潮の表れとも見ることができるかと思う。低価法による資産の切り下げ額はそのまま商品評価損を意味するからである(これについては後述)
まずは基本的な計算の売価還元平均原価法から(あくまで原則は低価法ではあるが)。今一度確認するが、売価還元方とは期末商品を評価する際の計算法のひとつである。実地棚卸により原価を把握できれば最適ではあるが、売価でしか把握することが難しい場合に適用が認められる処理である。
前提として当期末の棚卸資産の売価は把握している(これは問題上も必須の情報である)。
しかしFSの作成にあたっては当然原価で計上することになる(売価での計上を認めれば、棚卸資産の計上額はそれこそ経営者の言い値である)。この時、棚卸資産に一律の原価率を乗じて棚卸資産の原価を把握する。使用する原価率は当然だが基本的に原価÷売価である。ではこの場合の原価・売価とは具体的にどの部分の数字なのか。原価÷売価をもう少し詳しく言い換えると
期首商品棚卸高(原価) + 当期商品仕入高(原価) ÷ 期首商品棚卸高(売価) + 当期商品仕入高(売価) + (値上げ額-値上げ取り消し額) - (値下げ額-値下げ取り消し額)
となる。売価とは一旦確定してしまえば不動かというと当然そのようなことはなく、値上げや値下げを考慮した上で原価率を算定していく。
ここで売価を変動、つまり値上げや値下げをした場合に(実在量はそのままの)棚卸資産の評価はどのように変化するのだろうか。これはまず数字を考える前に、例えば値下げをするということは商品価値の低下を意味する。商品価値が低下しているということはそのまま期末資産の価値が低下することを表す。つまり売価を大きく値下げすれば棚卸資産の評価も低下し、また売価を上げれば期末資産の価値も高まる。余談だが、もし極端に恣意的な値上げを実行すれば実態以上に資産を計上できてしまう為、監査手続『有形資産の実査』が必要となるのである。
さて、上記を具体的に考えてみる。単純化したモデルで考えてみると、期中の売価が1250、原価が500、売上高が950だったとする。このとき売価ベースでの期末資産は(帳簿上)300であり原価率は0.4である。期末資産の売価300を原価率0.4で還元すると期末資産の価値は120となる(期首商品はないとする)。
次に仕入・売上はそのままに、期中に値下げを行ったと仮定する。上の場合の値入は750だが今回は500、つまり期中の売価は合計で1000である。この場合、原価率は増加(0.5)するものの、売価ベースでの期末資産そのものが減少し(売価1000-売上950=50)、結果として期末資産は値下げ前よりも低く評価されることになる。この計算が売価還元低価法である。後者の計算のみによったものを第一法と言い、これは値下げを鑑みた測定であることから、既に商品評価損を織り込んだ価額と考えることができる。従って第一法においてはPL上、商品評価損は計上されない。
これに対して第二法とは、前者(つまり期末資産120のほう)と後者(期末資産50)両方の計算を行い、それらの差額を商品評価損として計上する。第一法と第二法はそれぞれ「商品評価損を独立して算出しない方法」あるいは「商品評価損を独立して算出する方法」などと表現される。
※追記
低価法の理解が間違っていたので訂正。まず、値下げを控除するか否かを問わず、INPUT売価合計-売上高によって求められる期末資産(売価)は一定である。売価ベースでの棚卸資産は常に値下げも考慮した上での計算であるからだ。
つまり値下げを控除して計算されるのは原価率であって期末資産ではないということである。期末商品の金額は一定。これは絶対である。
値下げを含める=INPUT売価が減少する=原価率があがる。よって値下げを含める(平均法)方が、そうでない場合よりも高い原価率で棚卸資産を評価する=棚卸資産の金額も高くなるということである。
反面、低価法は平均法に比して低い原価率によって期末資産を評価するため、必然的に平均法の場合よりも期末資産が低く評価される。そしてこの原価率の差異によって減額された部分を商品評価損として捉えるのである。
期末商品棚卸高=売価×原価率の算定式で逆算される。また、収益性の低下は当然反映しなければならない。単純化して説明すると、80円で仕入れたものを100円で売っている会社があり、期末の売価による棚卸高が400であれば0.8倍の320が棚卸資産として計上されるわけである。
売価還元法は「平均法」と「低価法」の2つに分類される。
ただし現状で適用すべきは低価法である。これは原価率の算定に際して、商品の値下げを含まないため、結果として売価が大きくなり、反対に原価率は下がることになる。つまり原価率が(平均法より)低い数値で期末資産を計上するため、商品在庫の評価の切り下げを行ったことになるわけである。企業会計に対して慎重になっている風潮の表れとも見ることができるかと思う。低価法による資産の切り下げ額はそのまま商品評価損を意味するからである(これについては後述)
まずは基本的な計算の売価還元平均原価法から(あくまで原則は低価法ではあるが)。今一度確認するが、売価還元方とは期末商品を評価する際の計算法のひとつである。実地棚卸により原価を把握できれば最適ではあるが、売価でしか把握することが難しい場合に適用が認められる処理である。
前提として当期末の棚卸資産の売価は把握している(これは問題上も必須の情報である)。
しかしFSの作成にあたっては当然原価で計上することになる(売価での計上を認めれば、棚卸資産の計上額はそれこそ経営者の言い値である)。この時、棚卸資産に一律の原価率を乗じて棚卸資産の原価を把握する。使用する原価率は当然だが基本的に原価÷売価である。ではこの場合の原価・売価とは具体的にどの部分の数字なのか。原価÷売価をもう少し詳しく言い換えると
期首商品棚卸高(原価) + 当期商品仕入高(原価) ÷ 期首商品棚卸高(売価) + 当期商品仕入高(売価) + (値上げ額-値上げ取り消し額) - (値下げ額-値下げ取り消し額)
となる。売価とは一旦確定してしまえば不動かというと当然そのようなことはなく、値上げや値下げを考慮した上で原価率を算定していく。
ここで売価を変動、つまり値上げや値下げをした場合に(実在量はそのままの)棚卸資産の評価はどのように変化するのだろうか。これはまず数字を考える前に、例えば値下げをするということは商品価値の低下を意味する。商品価値が低下しているということはそのまま期末資産の価値が低下することを表す。つまり売価を大きく値下げすれば棚卸資産の評価も低下し、また売価を上げれば期末資産の価値も高まる。余談だが、もし極端に恣意的な値上げを実行すれば実態以上に資産を計上できてしまう為、監査手続『有形資産の実査』が必要となるのである。
さて、上記を具体的に考えてみる。単純化したモデルで考えてみると、期中の売価が1250、原価が500、売上高が950だったとする。このとき売価ベースでの期末資産は(帳簿上)300であり原価率は0.4である。期末資産の売価300を原価率0.4で還元すると期末資産の価値は120となる(期首商品はないとする)。
次に仕入・売上はそのままに、期中に値下げを行ったと仮定する。上の場合の値入は750だが今回は500、つまり期中の売価は合計で1000である。この場合、原価率は増加(0.5)するものの、売価ベースでの期末資産そのものが減少し(売価1000-売上950=50)、結果として期末資産は値下げ前よりも低く評価されることになる。この計算が売価還元低価法である。後者の計算のみによったものを第一法と言い、これは値下げを鑑みた測定であることから、既に商品評価損を織り込んだ価額と考えることができる。従って第一法においてはPL上、商品評価損は計上されない。
これに対して第二法とは、前者(つまり期末資産120のほう)と後者(期末資産50)両方の計算を行い、それらの差額を商品評価損として計上する。第一法と第二法はそれぞれ「商品評価損を独立して算出しない方法」あるいは「商品評価損を独立して算出する方法」などと表現される。
※追記
低価法の理解が間違っていたので訂正。まず、値下げを控除するか否かを問わず、INPUT売価合計-売上高によって求められる期末資産(売価)は一定である。売価ベースでの棚卸資産は常に値下げも考慮した上での計算であるからだ。
つまり値下げを控除して計算されるのは原価率であって期末資産ではないということである。期末商品の金額は一定。これは絶対である。
値下げを含める=INPUT売価が減少する=原価率があがる。よって値下げを含める(平均法)方が、そうでない場合よりも高い原価率で棚卸資産を評価する=棚卸資産の金額も高くなるということである。
反面、低価法は平均法に比して低い原価率によって期末資産を評価するため、必然的に平均法の場合よりも期末資産が低く評価される。そしてこの原価率の差異によって減額された部分を商品評価損として捉えるのである。