自益権(株主が会社から直接に経済的利益を受ける権利=ことごとく単独株主権)

・株式買取請求権
・株主名簿の名義書換請求権・株券発行請求権
・取得請求権付株式の取得請求
・剰余金の配当請求権
・残余財産分配請求権

共益権(経営参加、または取締役への監督是正権=単独株主権または少数株主権)

?株主総会に関連するもの
・総会召集請求権
・提案権
・議決権
・説明請求権
・累積投票請求権

?取締役等の行為を監督是正するもの
・検査役の選任請求権
・違法行為の差止請求権
・取締役会の召集請求権
・会計帳簿の閲覧権
・特別生産申立権
・株主総会等の決議の取消しの訴え提起権など各種の訴え提起権

?自益権的な性格を持つもの
・各種書類の閲覧等請求権
※これは監督是正目的で行使される場合もあれば、投資判断の材料を得る目的で行使される場合もある。つまり共益権的な性格を持つ場合と自益権的な性格を持つ場合がある。


単独株主権(1株から行使できる=全ての株主に与える必要があり、しかし会社に取って重大な事態には至らないと考えられる権利)

?裁判所からの許可を要するもの

・監査役会議事録の閲覧等請求権
・委員会議事録の閲覧等請求権
・子会社の定款、計算書類等の閲覧等請求権
・子会社の株主名簿、新株予約権原簿、株主総会議事録の閲覧等請求権
・子会社の取締役会議事録の閲覧等請求権
・子会社の監査役会議事録の閲覧等請求権
・子会社の委員会議事録の閲覧等請求権
・子会社の社債原簿の閲覧等請求権
・取締役会議事録の閲覧等請求権

※ここで挙げている単独株主権は全てが書類の閲覧に関するものであり、また9個のうち6個は子会社に関するものである。またここで挙げた単独株主権は全て裁判所からの許可を要する
※取締役会の議事録の閲覧請求権については監査役設置会社又は委員会設置会社においては裁判所の許可が必要であり、それ以外の場合は必要が無い。これは、会社を運営する取締役会に対して株主はそれを監督する立場と考える。しかしこの時、監査役や委員会(=監査委員会)を設置している会社、すなわち会社内部に一定の監査機関が存在する場合は、株主の業務監督に関する権限は後退する。したがって監査役(委員会)設置会社においては、株主が取締役会議事録を閲覧する際に裁判所の許可を要することとなる。

?裁判所からの許可を要しないもの
・定款、計算書類等の閲覧等請求権
・株主名簿、新株予約権原簿、株主総会議事録の閲覧等請求権
・社債原簿の閲覧等請求権
・募集株式の発行、自己株式の処分の差止請求権
・株主総会出席権、議決権
・累積投票請求権
・特別生産開始の申立て権
・略式組織再編行為の差止請求権
・会社の解散命令の申立権
・会社の組織の関する行為の無効の訴え提起権(※これについては以下でさらに項目を列挙)
1.会社の設立向こうの訴え提起権
2.募集株式の発行、自己株式の処分の無効の訴え提起権
3.新株予約権、新株予約権付社債の発行無効の訴え提起権
4.資本金の額の減少向こうの訴え提起権
5.組織変更向こうの訴え提起権
6.吸収合併、新設合併無効の訴え提起権
7.吸収分割、新設分割向こうの訴え提起権
8.株式交換、株式移転向こうの訴え提起権
・株主総会等の決議取消の訴え提起権
責任追及等の訴え提起権
取締役、執行役、清算人の違法行為等の差止請求権

最後に挙げたふたつ(下線部のあるもの)については単独株主権ではあるものの、会社にとって重要な問題となりうるものであるため6ヶ月の保有期間要件がある。ただしこの期間は定款の定めにより短縮が可能であり、公開会社でない場合にはそもそもの保有期間を要しない。


少数株主権(議決権の一定割合以上または一定数以上の株式数を有する株主に限定される権利=強力な権利)
※株主のほとんどの権利は単独株主権であり、まずは少数株主権をしっかりと把握し、そこにないものは単独株主権と理解するのが効率的かと思われる。
※保有期間要件があるものとないものに分かれており、要するものの期間はすべて6ヶ月である。ただしこれは定款の定めにより短縮が可能であり、また公開会社でない場合は不要となる。

~保有期間要件「無し」~
?解散の訴え提起権:議決権or発行済株式数の1/10以上

~保有期間要件「無し」+議決権or発行済株式数の3/100以上~
?会社の業務及び財産の状況の調査のための検査役選任請求権
?会計帳簿・資料の閲覧・謄写請求権
?子会社の会計帳簿・資料の閲覧・謄写請求権

~保有期間要件「有り」~
?株主総会の招集請求権・招集権:議決権の3/100以上

~保有期間要件「有り」+議決権or発行済株式数の3/100以上~
?清算人の解任請求権
?役員(取締役・会計参与・監査役)の解任請求の訴え提起権

?株主総会の招集手続等に関する検査役の選任請求権:議決権の1/100以上

~保有期間要件「有り」+議決権の1/100以上または議決権300個以上~
?株主総会の議題追加請求権
?議案の要領の通知請求権

※共益権の要件は、議決権または発行済株式数のうち1/10、3/100、1/100のいずれか。つまり10%、3%、1%である。?と?については議決権が300個であり保有比率ではない。


最後にまとめると、株主の権利自益権(単独株主権)と共益権があり、共益権には議決権(単独株主権)と監督是正権があり、監督是正権は単独株主権少数株主権に分かれている。つまり株主の権利のうち多くは単独株主権であり、少数株主権に属するのは主に監督是正権である。