持分会社における社員の責任は

合名会社=直接無限責任
合資会社=直接無限責任+直接有限責任
合同会社=間接有限責任

となっている。仮に会社が債務を抱えたまま倒産した場合、上の中では合同社員のみが債権者に対して直接責任を負わない。合同会社の社員は、会社設立前に出資を履行しているからである。
合名・合資会社の無限責任社員はそのままだが、合資会社の直接有限責任社員とはどのような責任を負うのか。これは債権者が直接有限責任社員の財産を差し押さえることが出きる点での「直接」だが、その金額は「出資の未履行分を限度」としている点で「有限」なのである。


・社員の責任の変更があった場合
考えられるのは合資会社のみである。4つの会社の形態の中で、合資会社のみ唯一有限責任社員と無限責任社員が混在しているからである。
この合資会社の社員の責任範囲が「有限から無限に」、あるいは「無限から有限に」変更された場合、変更前または変更後の債務をどのように負担するのか。

結論から言えば、会社法では100%債権者を優先する規定になっている。つまり、有限から無限への責任範囲の変更があった場合、その社員が無限責任社員であった期間についての債務であっても、変更後から無限責任を負わなければならない
また、無限から有限への変更があった場合。これは変更登記前に発生していた債務については相変わらず無限責任を負い続けることになる。前回見たように、持分会社において誰が社員であるかは、定款の絶対的記載事項であるし、また合資会社における社員が無限責任社員なのか有限責任社員なのかも絶対的記載事項である。このため、定款変更を行いそれを登記した段階で、法的に責任範囲の変更が認められる。ただし、無限から有限に変更された社員が追っている変更前の債務については、債権者が変更の登記後2年以内に請求しない場合は当該債務は消滅する。

・持分の譲渡
まず「持分」とは何か。これは株式会社における「株式」のようなものである。つまりは会社に対して社員の持つ権利や地位を指す。ただし持分会社は株式会社と異なり、出資比率に応じて権利が与えられるのではなく、基本的には出資の多寡に関わらず社員は平等とされている。

この持分を譲渡する場合について。

そもそも持分会社は社員相互の信頼関係を基礎とする会社形態であるから、社員が有する持分の一部または全部を譲渡する場合、他の社員の全員の承諾が必要となるのが原則である。
ただし例外として、持分会社は定款で業務執行社員を定めることができ(相対的記載事項)、業務執行社員でない者が、且つ有限責任社員である場合は、その者の持分の譲渡は、業務執行社員の全員の承諾で足りる。