将来加算一時差異が生じる場合には以下のふたつが考えられる。

1.圧縮記帳
2.特別償却


ではまず圧縮記帳から見ていく。

・圧縮記帳:企業等の固定資産の取得に際して国から補助金が交付される場合がある。その場合の仕訳は次のようになる。
(借)現金預金 (貸)国庫補助金受贈益
貸方の国庫補助金受贈益は収益である。収益は課税対象だが、税金によって行った補助の部分に課税してしまっては本末転倒になる。これを回避する為の法人税法上(あるいは会計上)の処理が圧縮記帳である。具体的には、受贈した金額相当分について、新たに取得した固定資産の取得価額を減額し損金算入を行う(損金算入、つまりこの部分を税務上の損金と認め、課税対象から外すこと)。

~税務上の処理~
?圧縮記帳:取得価額から圧縮額を控除し、当該圧縮額を損金とする。
?減価償却:取得価額から圧縮額を控除した金額を基礎として減価償却を行う。

~会計上の処理~
※こちらは『直接減額方式』と『積立金方式』のふたつの処理方法がある。
直接減額方式は以前学習した固定資産の圧縮記帳である。結論から言うと、こちらの処理によった場合は税効果会計は不要となる。つまり一時差異は生じない。問題としているのは将来加算一時差異が生じるケースである積立金方式であるが、両方の処理方法を併記していく。

・直接減額方式(税効果会計不要)
?圧縮記帳:取得価額から圧縮額を控除し、当該圧縮額を損金とする。
?減価償却:取得価額から圧縮額を控除した金額を基礎として減価償却を行う。
※見ての通り税務上の処理と全く同一である。

・積立金方式(税効果会計が必要
?圧縮記帳:固定資産を取得価額のままに計上し、圧縮額を費用として計上しない。
?取得価額を基礎として減価償却を行う。
?決算時において、圧縮額から税効果相当額を控除した純額を圧縮積立金として計上する。(圧縮積立金は将来加算一時差異の解消とともに取り崩す)