総合原価計算における減損の発生形態は大きく「定点発生」、「平均発生」、「安定発生」に分かれる。この中で平均と安定について混同しがちなので、これらの異同について明確に区別しておきたい。

そもそも平均発生とは、工程の始点から終点に至るまでに減損が平均的に発生し、それ故に加工進捗度を50%として計算するものである。だがこの論拠はあくまで便宜上のものであり、計算上の簡便性を考慮したものである。減損点が生産工程に散在する場合それらの減損量を集計して原価に反映させる、といった手続は、そのコストに見合う便益をおそらく見出せないが為の計算式なのであろう。加工進捗度を常に50%点に置くのも、だから妥当性は欠くもののいずれかに定めなければならない一点を無難なものとしたのだと思う。

さて本題の「安定発生」だが、これは減損が工程を進むにつれて比例的に増加するものである。この為、月末仕掛品の進捗度が如何にあろうと、これには(当然完成品もだが)減損が生じていることとなる。ここまでは、上の平均発生と全く同様の発想・処理である。しかしこと安定発生に限っては、「減損が工程を進むにつれて比例的に増加するものである」という発想については便宜的なものではなく本質である。例えば同一環境で加工される液体の蒸発率などは恐らく安定的な減損が考えられる。
つまり安定発生とは、平均発生の完全な一形態と捉えることが出来ると思う。そしてこのような発生形態をとる減損は『負担割合を厳密に計算することが可能』となる。次のエントリで具体的な計算方法を見ていく。