財務諸表監査のおいては精査ではなく試査が原則的な方法として考えられている。このことは監査基準でも明文化されている。理由としては以下の4つが挙げられる。

?財務諸表監査の目的
監査はすべての虚偽の表示を発見することは目的にしておらず、重要な虚偽の表示を発見することを目的にしている。よって重要でない虚偽の表示を発見することまでは求められていないので、必ずしも精査による必要はないのである。

?内部統制の存在
大多数の企業には何らかの内部統制が存在しているので、企業の会計記録の正確性や網羅性が保証されている。よって、試査によっても財務諸表全体の信頼性を保証することは可能なのである。

?監査の実施可能性(経済的・能力的・時間的制限)
監査を実施するに際し、金銭的な面での制約を受けるほか、人員や時間等についても制約を受けることになる。従って精査を行うことは物理的に困難なのが通常といえる。

?統計技術と統計理論の発展
統計技術と統計理論が発展し、財務諸表監査が試査の方法によって実施されても精査に劣らない立証結果を確保できることが説得的データにより実証されている為である。