以下の項目を学習
1.繰越欠損金
2.税率の変更
3.繰延税金資産の回収可能性
ではまず繰越欠損金から。
・繰越欠損金
(1)意義
ある会計期間に損失を出してしまった企業は一般的に、翌期に劇的に改善されることは見込めないはずである。ほとんどの場合当期の赤字は翌期の窮状に繋がることから、税制上、一定期間の優遇措置が認められる。税務上、欠損金は発生年度の翌期以降7年間にわたって繰り越すことができる。この繰越期間中にプラスの課税所得が生じた場合には、繰越欠損金と課税所得を相殺することができる。
例として、当期に500の赤字が出ており、翌期の課税所得が800だとする。この場合500部分は相殺され、実際に課税対象となるのは差額の300部分だけとなる。
(2)繰越欠損金の取扱い
繰越欠損金は将来の課税所得を減額する効果を有する為、将来減算一時差異に準じて取り扱う。具体的には、税効果会計を適用し『繰延税金資産』を計上する。
※実際には会計上と税務上で、資産・負債の差異は生じないため、繰越欠損金は一時差異には該当しない。
(3)繰越欠損金に係る繰延税金資産の表示区分
繰越欠損金に係る繰延税金資産は、特定の資産・負債に関連するものではないため一年基準が適用される(流動or固定資産)。
[設例]
1.H21年度において税務上の欠損金が10000生じた。
2.H22年度以降は十分な課税所得が生じると予想されており、H22年度に4000、H23年度に8000の課税所得が生じる見込みである。
3.H22年度において4000の課税所得が生じたため、繰越欠損金と相殺する。なお税率は40%とする。
[解答]
・H21年度
繰越欠損金は将来減算一時差異に準じて取り扱う。将来の税額を免除する、企業側に有利な効果、つまり繰延税金資産を計上することになる。
なお繰越欠損金は一年基準を適用するため、翌期の課税所得と翌々期以降の課税所得を区分する必要がある。
翌期の課税所得は4000、本来であれば税率40%の1600が課税額となる。しかし(7年以内であれば)10000までの課税所得と欠損金は相殺される。10000のうち翌期の相殺が4000と見込まれる為、この部分が流動資産、残額が固定資産となる。
(借)繰延税金資産(流動) 1600、繰延税金資産(固定) 2400 (貸)法人税等調整額 4000
・H22年度
一年基準より、上の仕訳の固定2400が流動となる。ただし前期に流動であった1600は当期に解消される為、差額部分を計上する。少し分かりにくいので、以下に前期および当期の一時差異を示す。
前期
将来減算(流動):4000
将来減算(固定):6000
当期
将来減算(流動):6000
将来減算(固定):0
これにより、流動の差額は2000、固定の差額は6000である。
税率を乗じて流動800の増加、固定2400の減少となる。
(借)繰延税金資産(流動) 800 、法人税等調整額 1600 (貸)繰延税金資産(固定) 2400
1.繰越欠損金
2.税率の変更
3.繰延税金資産の回収可能性
ではまず繰越欠損金から。
・繰越欠損金
(1)意義
ある会計期間に損失を出してしまった企業は一般的に、翌期に劇的に改善されることは見込めないはずである。ほとんどの場合当期の赤字は翌期の窮状に繋がることから、税制上、一定期間の優遇措置が認められる。税務上、欠損金は発生年度の翌期以降7年間にわたって繰り越すことができる。この繰越期間中にプラスの課税所得が生じた場合には、繰越欠損金と課税所得を相殺することができる。
例として、当期に500の赤字が出ており、翌期の課税所得が800だとする。この場合500部分は相殺され、実際に課税対象となるのは差額の300部分だけとなる。
(2)繰越欠損金の取扱い
繰越欠損金は将来の課税所得を減額する効果を有する為、将来減算一時差異に準じて取り扱う。具体的には、税効果会計を適用し『繰延税金資産』を計上する。
※実際には会計上と税務上で、資産・負債の差異は生じないため、繰越欠損金は一時差異には該当しない。
(3)繰越欠損金に係る繰延税金資産の表示区分
繰越欠損金に係る繰延税金資産は、特定の資産・負債に関連するものではないため一年基準が適用される(流動or固定資産)。
[設例]
1.H21年度において税務上の欠損金が10000生じた。
2.H22年度以降は十分な課税所得が生じると予想されており、H22年度に4000、H23年度に8000の課税所得が生じる見込みである。
3.H22年度において4000の課税所得が生じたため、繰越欠損金と相殺する。なお税率は40%とする。
[解答]
・H21年度
繰越欠損金は将来減算一時差異に準じて取り扱う。将来の税額を免除する、企業側に有利な効果、つまり繰延税金資産を計上することになる。
なお繰越欠損金は一年基準を適用するため、翌期の課税所得と翌々期以降の課税所得を区分する必要がある。
翌期の課税所得は4000、本来であれば税率40%の1600が課税額となる。しかし(7年以内であれば)10000までの課税所得と欠損金は相殺される。10000のうち翌期の相殺が4000と見込まれる為、この部分が流動資産、残額が固定資産となる。
(借)繰延税金資産(流動) 1600、繰延税金資産(固定) 2400 (貸)法人税等調整額 4000
・H22年度
一年基準より、上の仕訳の固定2400が流動となる。ただし前期に流動であった1600は当期に解消される為、差額部分を計上する。少し分かりにくいので、以下に前期および当期の一時差異を示す。
前期
将来減算(流動):4000
将来減算(固定):6000
当期
将来減算(流動):6000
将来減算(固定):0
これにより、流動の差額は2000、固定の差額は6000である。
税率を乗じて流動800の増加、固定2400の減少となる。
(借)繰延税金資産(流動) 800 、法人税等調整額 1600 (貸)繰延税金資産(固定) 2400