各構成要素の基本的な処理

1.照合勘定
これは前の記事でも触れたが、照合勘定は本店を基準に確実に相殺するということ。本店の支店勘定が100円、支店の本店勘定が1ドルだったとしよう。これは債権債務が生じた時点では1ドル=100円のレートで、貸借が一致していたとしても、CRが1ドル=110円となっていては照合勘定が相殺できない場合がある。この為、支店側の(未達処理後の)照合勘定はすべて本店を基準として、単純に本店に一致させる処理を行う。

2.売上原価
原則としてはすべてを発生時の為替相場で換算することが求められる。
しかし実際は次のように換算することが多い。
・期首商品棚卸高=HR換算
・当期商品仕入高=AR換算
・期末商品棚卸高=HR換算

3.棚卸資産
上で述べたように、棚卸資産はHR換算する場合が多い。しかし収益性の低下に伴う簿価切り下げにより外貨建正味売却価額が付されている場合がある。正味売却価額、すなわち時価はもちろん期末時点のものだが、時価とHRではタイミングが一致しない。このため、棚卸資産を時価評価している場合にはCRを適用することがある(HRと原価(=取得時の価額)はタイミングが一致している)。

4.固定資産
・取得原価=HR
・減価償却累計額=HR
・原価償却費=HR
これはまあそのまま。DEPは取得原価を使用にともなって取り崩していく手続なので、ここにARやCRを適用する余地はない。



・在外支店の財務諸表項目の換算手順
まず絶対に抑えておきたいのが、最初にBSを換算して、次にPLを換算するという手順。在外支店の利益は、純利益ではなく包括利益によって求められる。BSの差額を当期純利益として、この数字をそのままPLの末尾に記載する。このときPLに生じた差額はすべて為替差損益として処理する。