・部門別計算とは
実際原価計算では3ステップでコストを集計する。
?費目別計算:材料費、労務費、経費の実際発生額を計算し、これを直接費と間接費に区分する。
?部門別計算:上で分類されたコストのうち、製造間接費を受け入れ、製造部門費と補助部門費に分けて計算する。
?製品別計算:上で計算された部門費を製品に按分する。

ということで、今見ていくのは実際原価計算の2ステップ目。
原価を部門別に計算する目的は、製品原価を正確に計算すること、およびより合理的に原価管理を遂行することである。製品原価の正確な計算は、BSに幾らの金額で計上するのが適切なのかといった財務会計目的である。一方、合理的な原価管理は、部門ごとの効率性を把握するなど管理会計目的である。

これらをまとめて「原価部門」を定義すると以下のようになる。
原価部門とは、原価の発生を機能別、責任区分別に管理するとともに、製品原価の計算を正確にするために、原価要素を分類集計する計算組織上の区分をいう。

・原価部門の設定
原価部門を設定するにあたっては以下の4つに注意しなければならない。
?作業の性質と原価部門の一致
製品原価の正確な計算のため、原価部門を作業の性質(製造活動の種類)に合致させるようにする。一方で機械生産、他方で手作業による生産を行っている場合、それぞれの清算公邸を別々の部門として設定することがこれにあたる。
?職制上の権限・責任と原価部門の一致
原価部門が原価管理に有用であるために、原価部門をできるだけ権限・責任の区分と合致させる。
?原価計算目的と部門の設定
「原価計算目的」とは財務諸表作成なのか合理的な原価管理なのかといった違い。上の?は前者に、?は後者に有用であるが、いずれを重視するかによって原価部門の設定基準も異なってくる。
?計算の経済性
部門が細かいほど詳細で正確な原価データを入手できるが、細かすぎても計算の手間が大きい。コストパフォーマンスも考慮すべきである。

・原価部門の分類
原価部門は製造部門と補助部門に区分される。さらに製造部門は主経営部門、副経営部門に、補助部門は補助経営部門、工場管理部門に分けられる。

まず大きくは、製造作業が直接行われる製造部門と、製造作業を補助する補助部門に分けられる。
製造部門の中でも、会社の目的たる製品を製造する主経営部門と、副産物の加工や包装品の製造を行う副経営部門に分けられる。
補助部門は、その用役や製品を製造部門に提供する補助経営部門と、工場全体の管理業務等を行う工場管理部門とに分けられる。

以下のような例が挙げられる。

~製造部門~
・主経営部門:機械加工部、切削部、組立部、仕上部
・副経営部門:副産物加工部、包装品製造部

~補助部門~
・補助経営部門:修繕部、動力部、運搬部
・工場管理部門:材料部、企画部、工場事務部