赤裸々に書きすぎて、自分の生活圏まで浮き彫りになってるのではないかと躊躇いながらも、素のまま公開します。本のレビューです。
「すべてはあなたのためだから」
本を読む時は、こんな人いるかな?という視点より、こんな人もいるんだという設定で読むようにしています。私の知らない世界を本の中から体験したいから、いつもまっさらな気持ちで。それでも読み進んでるうちに、周りと重なったりするけど。
私は娘が幼稚園の時代からママ友関係の本でも一冊書きたいと思うくらい、複雑なママ友世界で生き延びてきた。周りに色んな事件や人物像がゴロゴロ散らばっている。
これを考慮した上で、
この本の主人公の性格は、そこらへんにいる強烈なママキャラ二、三人を足して割れば、ありそうな気もする。
決定的な違いは、この主人公は非常に単純で愚か。実際はみんなこんなにアホじゃない。
主人公は自分が信じたいものだけ信じて、見たいものだけを見る。その上、劣等感が凄すぎて、たかが「地味な〜」といわれるだけで、僻むんだよね。
主人公がママ友への憧れと態度がそのまま娘さんたちの関係に現れる。事件が起きる度に、お母さんの収拾の仕方が少しずつ子供を蝕んでいる。いや、厳密には自分の都合のいいように解釈をするだけで、収拾らしい収拾もしていない。
私にはもはや毒物にしか見えないけど、主人公にとっては憧れの存在であるセレブママ友、しかし、主人公の感想を経由せず、起きてる事件だけを見てもこんな感じのセレブ風ママさんは現実にもいる!
現実の世界では、ママ友交際において、ふっと感じる違和感は、気のせいじゃない。序盤の「Dクラスだから、ね」(P53)この一言で、もうこういう人とはOUT!にしないと!(私はそうしてる)
本のタイトルから、終わりの一文までもが、人のせいにしてる人物像を強調している。
私は自分の子を立派に育ってようと思っている。しかし、それは子供のためではない。子供が立派な大人になってもらわないと、10年後の私が困るからである。結果的に子供も恩恵を受けてるけれども、教育は親のためであって、子供のためではないと私は思っている。
この本から、私は何を得たのか。
セレブママさんには近づかなければ、向こうから追ってくることはないけど、一見地味に見えるコンプレックスの塊の普通そうな人の方が、一番避けるべき存在だ。真のサイコパスはこういう人だ。憧れママ友は、主人公に刺されなくて良かったと思っている。
それともう一つ。教育ホラーモノへの免疫を得た。
よって、いつか読んでおきたいと思いながら、受け止める勇気がなかった「母という呪縛 娘という牢獄」を読んでみようと思う。医学部浪人9年目の娘が母親を殺したノンフィクション。