『日本のいちばん長い日』 | 作文・読解力など国語力向上 学習塾ラーニング・ラボ横浜天王町教室のスタッフブログ!

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先日、観てきました。

『日本のいちばん長い日』


毎年この時分になると、
先の戦争のことを回顧し、
戦争関連の話題がメディアを賑わします。

特に、今年は戦後70年を迎える年。

一番の注目は、やはりこの作品でした。


一昨年公開され、先日地上波でも放送された、

『永遠の0』

とはまた違った戦争の描き方で、
実に新鮮な印象でした。


戦争ものといえば、空襲や戦車、戦艦や潜水艦などの戦闘シーンで、
血なまぐさいドンパチをやっているのが鮮明に残ってしまいます。

そうした部分から「悲惨さ」などを心に刻むというのは、戦争を直接知らない私たちにとっては非常に重要な機会となります。


一方で、「悲惨さ」はある意味で当然として、
それだけでない部分にきちんと焦点を当てている作品に触れると、
心に刻まれるものや考えさせられる部分が変わってきます。

先の『永遠の0』も、そう。

何となくこれまで見聞きしてきた戦争もののイメージとは、
やはり一線を画す。

  ※「永遠の0」については以前記事を書いているので、
   よろしければ↓こちら↓をご覧ください。
   http://ameblo.jp/learning-labo/entry-11743302072.html


特に、今回の「日本のいちばん長い日」は、ポツダム宣言受諾の前後、非常に短い期間に焦点をあて、しかし、その濃密な、ギリギリの攻防を描いています。

零戦の空中戦があるわけでも、
戦艦の主砲の砲撃があるわけでもない。

空襲のシーンは一部あっても、
多くの民衆が焼け爛れ痛々しい様子が、
描かれ「悲惨さ」を全面押しするわけでもない。

しかし、何だろう、このズシリとくる感覚は。


戦争は「悲惨」なものである。

どんな言葉をつくしても、
どんな理由をつけても、
そこには人が人を殺め、
ごくごく平凡な「幸せ」が奪われる、
というただその事実がある。

侵略戦争かそうでないか、
政治的、軍事的には重要な論点かも知れないが、
どちらも誰かの血が流れていることに変わりはない。

だから、どんな理由があれ、
積極的にそんな暴挙をすることは、
絶対に反対なわけである。

これは人間だれもが共有できるはずの、
実にシンプルな想いである。


ただし、人間の歴史を紐解けば、
まさに戦いの連続。

こちらはそんな気なくても、
自分たちの利益を貪るため、
一方的に蹂躙しようとしてくるヤカラがいる。
今も昔も。

だから、そういうヤカラからは、
私たちの家族の幸せは守らなければならない。

これもまた実にシンプルな命題である。


かつて、そうして「家族」の幸せを守るため、
自らの命を顧みずに戦った勇士たちがいたこともまた事実である。

そこには純粋に敬意を表さねばならないだろう。

その戦いの上に今があることも事実だから。


戦争ものの作品からは、強烈に「悲惨さ」を感じさせられる。

もちろんそれは大切なことだけど、
あまりにもそれだけになり過ぎてはいないだろうか。

そんなことは分かり切っている。

もう何度も何度も言われなくても、
分かり切っている。


でも、そんな「悲惨さ」の中で、
「家族」がもっと「悲惨」にならないように、
文字通り、体を、命を張った戦いがあったことも、
同時に伝えるべきだろう。

だからこそ「こんなこと」もう絶対やめようね、
って心から思えるはずだ。

「日本の戦争責任」

とか

「日本が悪いから原爆投下も仕方ない」

とか、それだけに終始した議論では、
先の展望は何も見えてこない。

戦争という過ちは人類が等しく後悔し、反省し、
そういう手段を取らずにすむ方法を考えねばならないはずだ。




この作品では、多くの「家族」を思う人が登場する。

歴史的な事実に基づいて描かれた、実在の人物であり、
セリフなどもご本人が語ったと伝えられる内容だったりもする。

昭和天皇までもが登場されている。


というか、この作品の大きな、大きなテーマは昭和天皇の御聖断および玉音放送である。
(これは予告編等々でも明らかなのでネタバレではないよね!?)

天皇陛下の想い、時の内閣の閣僚の想い、そして、陸軍の青年将校たちの想い。

いずれも表現は違えど、その根本では誰もが国を想い、そこにいる「家族」を想っている。

もちろん武力行使という血なまぐさい形による行動という部分には必ずしも賛成できないが、しかし、我々はそうした純粋な想いもきちんと受け止めないといけない。


さらに、教育に携わる人間としては、
やはり、教育の場面で、
もっと近現代史をきちんと扱うべきだと改めて痛烈に感じた。

こうした想いの連鎖の上に今日があること。

戦後、安全保障や国を、家族を想う思いというものを、
どこか棚上げにしてきてしまったと思う。
日本人は。

もちろん戦後は占領などもあり、
致し方なかった部分ある。

しかし、そうした部分を顧みずに、
経済の部分にばかり目を向け過ぎたことで、
多くの大事なものを失い、
多くの重大な問題を創り出してしまったといえるだろう。

先の戦争は、単に残虐な行為としての戦争を、
それとして反省する対象であるだけでなく、
現在、顕在化している多くの今日的な問題を顧み、
未来を創るために振り返るべき対象なのでしょう。

そうした生の素材として、
教育の現場でも扱うべきだと強く思います。


恥ずかしながら私自身も最近はこの手の話題に関心を持ち、
見聞きするようにはしていますが、
それでもやはりまだまだ知らないことだらけ。

これまでいかに一義的で、
バイアスのかかりまくった情報を与えられていたのか、
気付く機会が増えてきました。

何もそれは先の戦争を美化することでも、
日本人の行ったことを正当化することでもない。

一方的に歪められていたことを、それと気付き、
では、そこから私たちは何を学ぶのか、
これから私たちは何をするべきなのか、
そうした当たり前のことを考えるスタートラインに、
やっと立てるようになったという程度のことです。

そうした当たり前のことが、当たり前にできるように、
特に、子ども達とともにそれができるように、
大人の一人として努めていきたいものです。





いやーそれにしても、
天皇陛下という存在がいる日本。
素晴らしいですね。

もちろんそこに強さだけでなく、弱さもあるのでしょうが、
いずれにしても、天皇という存在を頂いているこの国は、
世界中見渡しても、なかなかに素敵だと思います。

「やっぱり日本人で良かった」

そんな当たり前?なことも確認できました。





最近、時期的なことなのか、この手の話題ばかり書いている気がします。
でも、大事なことだから。教育ということにも密接に関わることなので。

ぜひ、他の記事もごらんください。
何かお感じになられたことがあればぜひメッセージをお願いします。

 ※↓これまで書いた記事↓
  【永遠の0】
   http://ameblo.jp/learning-labo/entry-11743302072.html
  【安保法制】
   http://ameblo.jp/learning-labo/entry-12054260142.html
  【憲法9条を改正すべきかどうか】
   http://ameblo.jp/learning-labo/entry-12056809348.html


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