昨日、神奈川県公立高校入試分析セミナーに参加してきました。
すでのご存知の方もいらっしゃると思いますが、今年から神奈川県公立高校入試が変わます。
(※本サイトでも一部神奈川県公立高校入試についてふれているページがあります。よろしければご参照ください。http://learning-labo.st-community.jp/?p=226)
入試制度(選抜方式)自体が変わり、なおかつ、学力検査問題自体がかなり変化すると予想されています。
これまで神奈川県の高校入試は、中学校3年間の成績(内申点)が非常に大切にされる制度でした。
高校入試では、主に内申点と学力検査の点数で選抜されますが、その選抜基準となる数値の少なくても40%、多くて60%が内申点でした。
全国の他の地域の選抜方式からすればかなり内申点の比率が高い制度といえます。
しかし、それが大幅に変わろうとしています。
昨今の学力低下、ゆとり教育批判の流れから「学習量増加」「競争」などをキーワードにゆとり教育からの脱却というのが教育界の大勢のようです。
そんな流れの中でついに神奈川県も変わります。今年から。
今年度、高校受験が控えている現中学校3年生の方。そのご家族の皆さま。
当然入試が変わるということはご存知だと思いますが、その内容まできちんと把握されてますか?
昨年度までの制度との大きな変更点の一つに「面接試験の必須化」が挙げられます。
昨年度までは「前期選抜」で面接試験が行われていましたが、今年から「前期選抜」「後期選抜」の区分けが廃止され、全員が「学力検査」と「面接試験」を受験することになります。
ネットをはじめ、多くのメディアでは、「一本化」と表現されていますが、県教委の公式見解では「一体化」となっています。
つまり、「前期」がなくなったのではなく、「前期」で行われていた「面接試験」も「後期」で行われていた「学力検査」もすべての人が受験する「前期」「後期」の「一体化」というわけです。
さて、その「面接試験」ですが、選抜基準の数値の比率(これは各学校が決めるもので夏(7月頃)発表予定です。発表され次第本サイトでも情報をUPしていきます。)によっては、1教科の学力検査の点数の1.7倍から最高で15倍にもなってしまいます。
「面接試験」がかなり重視されているといえるでしょう。
皆さん、「面接試験」で問われる相手の話をきちんと「聞く力」、相手の問いかけに対して的確に「話す力」、きちんと磨けていますか?
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さらに、今年度からの変更点に、「学力検査」問題の内容の大幅変更が挙げられます。
これまで神奈川県の高校入試では、教科を問わず多くの問題が選択肢のある「(多肢)選択式」問題でした。
ある一時期、国語の漢字の書き取り問題さえも選択式問題となっていた程です。
また、選択式問題でも、選択肢の作り方によっては大変難易度の高い問題が作れますが、選択肢も非常に易しい作りで、実質2択となってしまうような問題も多く見受けられました。
そんな易しい、受験生にとっては「優しい」問題が大きくその姿を変えようとしています。
端的に言えばその変化は、「記述問題」の増加です。
すでに神奈川県教育委員会から発表されていますが、今年度入試からの予想問題を見る限り次のような変化が予想されます。
※県教委の発表内容、予想問題等は以下のページから確認できます。
是非ご確認ください。
(http://learning-labo.st-community.jp/?p=226)
◇神奈川県公立高校入試学力検査問題変化のポイント◇
①全体として・・・
「思考力」・「判断力」・「表現力」の重視。
これは、近年学習指導要領が改訂されましたが、その学習指導要領の主要なテーマが
「思考力・判断力・表現力の重視」 でありますから、学習指導要領に従った高校入試
も同じテーマであることはある意味当然のことであります。
このテーマはひとつ前の学習指導要領でもテーマとなっていたことなので、ここ10年
以上にわたって日本の教育の主要なテーマとなっているものが「思考力」「判断力」
「表現力」ということになります。
といわけで、自ら考え(「思考」し)、その考え(「思考」)が適切かどうかを自分で
「判断」し、それを的確に「表現」することが求められるようになります。
つまり、各教科の学習内容の知識があり、計算方法などの法則が使えるだけでは歯が立
たないような出題もあり得るということになります。
②各教科の変化について・・・(県教委発表の予想問題より)
英語:2種類の英作文が出題される予定。
いずれも「思考力」と「表現力」が必要な問題です。
単純に与えられた日本語を英訳するというような英作文ではなく、与えられた状
況から自分で「思考」した結果を英語で「表現」しなければなりません。
従来のテストのような問題に向けただけの学習では歯が立たないでしょう。
数学:図形の証明問題の完全証明・式の証明が出題される予定。
これまでも証明問題は高校入試定番の問題でしたが、従来は証明の穴埋めをする
問題でしたので、比較的容易な問題でした。すべて完全に証明を書かなければな
らなくなるということで、難易度は上がりますが、これに関しては、日常の学習
で完全証明をしている学習者にとっては、それほど脅威となる問題ではないよう
です。
式の証明に関しても、県入試ではあまり出題例がないというだけで、日常の学習
で取り組んでいる内容ですので、大きな問題は感じられません。
ただし、普段から、このような数学で出てくるコトバを使う問題(文章問題や
証明など)が苦手でなかなか克服できないままいる学習者にとっては、大変厄介
な問題でしょう。
そういった方は特に念入りに文章問題全般の学習をする必要があります。
※当塾の「基礎講座」では数学(または算数)の文章問題も視野に入れた
授業です。
コトバを数式に表す方法や逆に数式をコトバで表すことについて考えて
いきます。
これはまさに「論理」について考えることです。
「論理的な文章」や「論理的な思考」も「基礎講座」の主要なテーマです。
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国語:説明文の要約・作文が出題される予定。
これまでも説明的文章でほぼ1題が要約問題のような「記述」問題でした。
これが唯一の「記述」問題と言っても良い問題だったのですが、それが若干難易度
があがった完全な要約問題となる予定です。
さらに、これまで出題の見られなかった「作文」が導入されます。
予想問題では150程度の意見文が出題例として挙げられています。
この作文はかなり難しいもので、近年の全国学力調査や国際的な学力調査でも日本
の生徒の多くが苦手だと指摘されているものです。
具体的には、予想問題をご覧いただければ分かりますが、「根拠を伴った意見文」
です。
英作文やこの後お話しする社会の問題と同様、文系教科では、自分が「どのように
考える」かと同時に「なぜそう考える」かという理由や根拠を求められています。
これも、あまりなじみのないもので、学校では若干触れることはあってもなかなか
十分な時間は割けてはいないでしょうし、県の高校入試を目指す塾では、入試で
問われなかった内容ですから、あまり重要視してはいないかもしれません。
つまり、これまではほとんど学習が進められていない内容・形式の問題ですので、
それなりの学習をしておかなければ、全く手が出せないということもあり得ます。
理科:記述問題が出題される予定。
これまで理科も選択問題がほとんどでしたので、「記述」問題が増加するという
ことに注意する必要があります。ただし、これはそれほど大きな問題とはならない
変化のようです。
数学もそうでしたが、理系教科はある意味「決められた」「正答」に向かっていく
というスタンスは変わらないものですから、答えを選択肢から選ぼうが、記述で
書こうが、本質的には大きな違いはありません。
ですから、これまでの学習であいまいになっていた部分、選択肢で選ぶことができ
るという状態から、記述して説明できる状態にするという段階まで学習を進めてい
けば良いと思われます。
社会:説明記述問題が出題される予定。
社会に関しても、重要事項を暗記しておけば済むという問題がほとんどでしたが、
今回の変化の中ではもしかしたら一番劇的な変化をしているかもしれません。
予想問題をご覧いただければ分かりますが、与えられたデータを読み取ること、
そのデータに基づいた予測を立てること、が求めれています。
社会科の学習として、図表の読み取りや総合的学習のようなテーマ学習、調べ
学習は経験している人が多いと思いますが、入試にそうした視点が持ち込まれた
ことはほとんどありません。
学校で、こうした学習を継続的に実践されていなければ、こうしたタイプの
問題にはなかなか立ち向かえません。
以上、神奈川県公立高校入試の変化のポイントについて、大きく2点お話をしました。
①面接が全員必須になり、しかも、かなり重視される可能性がある、ということ。
②「前期」がなくなり、全員「学力検査」を受ける必要があるが、その内容は従来の県高校
入試とは比べ物にならないほど難易度があがる。
さらに、その変化のポイントは「思考力」「判断力」「表現力」端的に言えば、「記述
問題」が増加する、ということ。
さぁ、皆さん準備はできていますか?
今年受験生の方はもちろん、現中1生、中2生、はたまた小学生の皆さんも、今度神奈川県公立高校入試を受験する可能性のある方、
自分にはなくてもご家族、ご兄弟、ご親戚、ご近所さんにそういった心当たりがある方、
是非ともまず「情報収集」をして下さい。
自分はどんな「敵」と戦うことになるのか、作戦はそれから立てるものです。
ご自身の状況やどのような学習を進めていけば良いのか、なかなか分からないという方はお気軽にご相談下さい。
私たち学習塾ラーニング・ラボ横浜天王町教室は、「「塾」がいらなくなるようになる塾」を目指しております。
自分の学習を自分自身で進めていけるようになるためのお手伝いをさせて頂くのが私たちの仕事です。
入会するしないは別問題。
学習者のあなた自身が、どんな風に、どんな風な、学習を進めていけば良いか、についての相談は随時大歓迎です。
ご相談、お問合せは電話(045-337-3155)、FAX(045-337-3156)、
メール(l-labo(アットマーク)st-community.jp)にて受付でございます。
近隣の方は、直接ご来塾下さっても構いません。
授業等ですぐにご案内が出来かねることもありますが、予めご了承ください。
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