最近、千夜一夜物語を第一巻だけですが読破しました。
千夜一夜物語について少し書くと、アラビアなどイスラム圏の伝記伝承を物語風にまとめたものです。
内容は庶民が楽しんできたものなので単純な教訓話からかなりエログロなものまで幅広くあります。
露骨とまではいかなくとも、明らかな性描写はそこかしこに見受けられます。
物語の中ではさらりと書き流してあるものの、よくよく考えるとすごい事態だなーと思うところもかなりあります。
また、話の構造として話の中にまた話、さらにその中で別の話が展開するというように、マトリョーシカよろしく物語が立体的な作りになっています。
これはそもそもの筋が毎夜花嫁を迎えては次の日の朝に殺してしまう王様シャーリヤールに対して、大臣の聡明な娘シェーラザードが語り聞かせる物語というところからきています。
話の続きが聞きたい王様は次の日になっても娘を殺せないわけです。
これは当然読者にも有効で、一つの話が終わるまでに長い時間がかかってもついつい先を読み進めてしまいます。
実に上手な構成だなあ、と読みながら感心していました。
たまには文学部出身らしい話題でした。
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