こんにちは、
株式会社Lean Stack代表の吹上由樹です。
社労士事務所向けDX支援「ヨハクル」
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はじめに
今回は、かなり構造的な話をします。
「給与計算を一番さばいていたスタッフが、辞めた」
この一言で、事務所が一気に立ち行かなくなる。
こういう光景、見てきた事務所が両手じゃ足りません。。。
慌てて求人広告を出しても、応募は来ない。
残ったメンバーでなんとか回そうとするも、そもそもその会社の給与計算ルールが、どこにも残っていない。
気づけば所長も深夜まで給与計算の画面を覗き込んでいる。
そんな現場、一度や二度は見聞きしたことがあるんじゃないでしょうか。
これ、担当者が根性ないから起きてるわけじゃないんですよ。
社労士事務所の構造上、給与計算という業務は、1人辞めただけで事務所ごと崩壊するようにできているんです。
今回は、なぜそんな歪なことが起きているのか。
そして、なぜこの業務だけが他と"別格"で扱われるべきなのか。
ここを一気に言語化します。
実は、給与計算は社労士業務の中で"別格"である
まず、ここから入らせてください。
社労士事務所の業務って、ざっくり4つに分かれますよね。
就業規則の作成、助成金の申請、各種手続き業務、そして給与計算。
この4つ、並列に見えますが、実はまったく性質が違うんです。
とは言うものの、先生方からすると当たり前だとは思いますが。
就業規則は、作成依頼があったときに発生する。
助成金も、要件に合う顧問先がいるタイミングでしか発生しない。
手続きも、入退社や法改正のタイミングでスポット的に動く。
全部「スポット業務」なんですよね。
いつ発生するか、読めない。
売上は月々でブレる。
一方で、給与計算はどうでしょうか。
毎月、必ず、全顧問先で発生する。
これ、社労士の業務の中で唯一の"ストック業務"なんですよ。
スポット業務は、取れればラッキー、取れなきゃ0円。
でも給与計算は、顧問先が1社ある限り、来月も、再来月も、1年後も、必ず売上を運んでくる。
事務所の売上の"底"を支えているのは、間違いなく給与計算です。
ということは、ここをどれだけ効率的にさばけるかで、事務所全体の売上の天井が決まるんです。
給与計算1件に4時間かかる事務所と、1時間で終わる事務所。
単純計算で、受けられる顧問先の数が4倍違います。
給与計算は、社労士事務所における"売上の心臓"です。
だからこそ、ここが止まると、事務所ごと止まる。
他の業務と同じ感覚で扱っていい領域ではありません。
"給与計算の一番強い人"が辞めた瞬間、事務所は崩れる
で、ここからが、本題です。
給与計算の担当者が1人辞めただけで事務所が崩壊する理由は、この業務が以下の3つを同時に抱えているからなんですよね。
ひとつ、毎月必ず発生すること。
ふたつ、全顧問先で発生すること。
みっつ、専門性がめちゃくちゃ高いこと。
助成金担当なら、来月の申請がない月は穴埋めが間に合う。
就業規則担当なら、次の依頼まで少し時間的な猶予がある。
でも給与計算は、担当者が辞めた翌月には、全顧問先分の締め日が問答無用でやってくるんです。
「ちょっと待って」が、効かない。
しかも、給与計算って「ただ数字を入力する仕事」じゃないんですよね。
この会社の住宅手当は何円、締めは20日、支給は月末、この手当は課税か非課税か、経理担当はこのフォーマットじゃないと受け取ってくれない。
その全部が、担当者の頭の中にしか残っていないんです。
紙にも、マニュアルにも、どこにも書いていない。
これが致命傷すぎます。
で、その担当者が、ある日「辞めます」と言う。
その日はある日突然やってきます。
残された所長とスタッフで
「あの会社のルールどうなってたっけ」
「先月の計算はどうやってた」
と手探りで進めるしかない。
当然、求人広告を打ちます。
広告費だけがどんどん飛んでいく。
仮に応募が来たとしても、給与計算を任せられるレベルの人材は、社労士業界全体で取り合いです。
すぐには採れない。
採れたとしても、その会社独自のルールをゼロから教え込まないといけない。
戦力化まで3〜6ヶ月はかかります。
その間の穴を、誰が埋めるのか。
結局、所長です。
所長の時間が潰れる。
新規提案も、顧問先のフォローも、全部止まる。
1人辞めただけで、ここまで崩れる。
これ、ただ運が悪いだけの話じゃなくて、給与計算というストック業務が完全に属人化してしまっている、構造の問題なんですよ。
それでも事務所が動けない、本当の理由
「いや、うちはまだ大丈夫だから」
多くの所長が、心のどこかでそう思っています。
でも、これが一番危ないんですよね。
実際に給与計算担当が辞めて崩壊した事務所も、辞める前日までは「回っていた」事務所ですから。
「回っている」のは、たまたま今日までの話なんです。
そして、もっと深刻な問題があります。
業務が逼迫してからDXしようとしても、もう体力が残っていないということ。
新しいツールを導入するには、業務の棚卸しが必要です。
ルールを明文化する時間も必要です。
最初のうちは精度を調整しながら、何度もPDCAを回していく。
これ、余裕がないとできない作業なんですよ。
給与計算に追われて残業続きの事務所が、急にそんな時間を捻出できるわけがない。
DXって、「回っているうちにやる」から効くんです。
「回らなくなったらやろう」って、一番やっちゃいけない発想なんですよね。
回らなくなった事務所は、まず人の穴埋めにリソースを吸われる。
採用コストも跳ね上がる。利益は削れる。
新しい投資どころじゃなくなります。
「あの時やっておけばよかった」——そう思った瞬間には、もう打てる手がほとんど残っていない。
回っているうちにDXした事務所で、実際に起きたこと
ここで、弊社が運営している「ヨハクル」の成果事例を出します。
ちなみに「ヨハクル」は"業務に余白を作る"で「ヨハクル」です笑。
「回っているうちにやる」という判断をした事務所で、何が起きているのか。
給与計算:工数80%カット、ヒューマンエラーはゼロに
ある法人さんでは、給与計算の工数を80%カットすることに成功しました。
これまで2週間かかっていた処理が、2日で終わる。
しかも、これまで起きていたヒューマンエラーが、ゼロになった。
ゼロですよ、ゼロ。
人間が手作業でやっている限り、どれだけ気をつけてもミスは出ます。
当たり前なんです。
疲れていれば、なおさら。
でも、仕組みに落とし込んだ瞬間、ミスの温床そのものが消える。
顧問先の信頼は守られ、事務所内の空気も一気に軽くなる。
助成金申請:1ヶ月の研修で工数が半分以下に
別の社労士法人さんでは、1ヶ月の集中研修を通じて、助成金申請の工数が半分以下まで圧縮されました。
1ヶ月ですよ。
わずか1ヶ月です。
これまで3時間かかっていた書類チェックが、1時間強で終わる。
浮いた時間は、顧問先への提案や新規受注に回せる。
まさに革命です。
就業規則:ほぼ即日本出しできる体制に
就業規則も、ひな形を引っ張ってきて延々と修正を重ねる運用から、完全に脱却しました。
ヒアリング情報をベースに、業種ごとのルールや必須文言が、すでに仕組みの中に整理されている。
結果、ほぼ即日でポン出しできるレベルまで持ってこれる。
お客様からすれば、納品スピードが段違い。
事務所からすれば、1件あたりの工数が劇的に減る。
これらの事例に共通しているのは、「回っているうちに、腰を据えて仕組みを作った事務所」だということなんですよね。
逼迫してからの追い込みで生まれた成果じゃない。
余裕があるうちに着手したから、こうなった。
これから残るのは、給与計算を"資産化"した事務所だけ
ここまで読んで、察しはついていると思います。
これから生き残るのは、給与計算のノウハウを人ではなく、仕組みの中に蓄積できた事務所です。
担当者の頭の中ではなく、AIとシステムの中に、各顧問先のルール、計算ロジック、例外対応が全部入っている。
この状態にさえ持っていけば、1人辞めても業務は止まりません。
採用も、「ゼロから教え込む」のではなく「仕組みを使えるようになればいい」だけになる。教育コストも激減する。
属人化していた給与計算が、事務所の資産に変わる。
この変化は、一度やりきってしまえば、以降ずっと効いてきます。
逆に、ここを変えなかった事務所はどうなるか。
担当者が辞めるたびに崩壊リスクに怯え、採用に追われ、広告費を溶かし、売上の天井がどんどん下がっていく。
静かに、でも確実に、縮小していきます。
この2つの事務所の差は、これから加速度的に開いていきます。
もうこれは誇張とかではなく、確実に起こることです。
まとめ
「給与計算の担当者が1人辞めて、事務所が崩れる」。
これ、担当者が弱いから起きる話じゃないんです。
毎月必ず発生する、全顧問先で発生する、専門性が高い——この3つが揃った業務を、属人化したまま放置している構造そのものが、崩壊の原因です。
そして、社労士事務所の売上の"心臓"は、他でもない給与計算にある。
ここの効率化を後回しにしたまま売上を伸ばす方法は、もうありません。
だから、今やるしかない。
回っているうちに、やるしかない。
「回らなくなったら考える」は、事務所経営において一番取り返しがつかない判断です。
次の時代に残るのは、給与計算を人の頭から仕組みへと移しきった事務所だけ。
静かに、でも確実に、事務所の明暗は分かれていっています。
明るい道を選択されたい事務所さん、法人さんはぜひお気軽にご相談ください。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
「うちも回ってるうちにDXを進めたい」
「属人化した給与計算を、どう仕組みに落とし込むか具体的に相談したい」
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それでは、また次の記事でお会いしましょう。