こんにちは、
株式会社Lean Stack代表の吹上由樹です。

 


 

【著者プロフィール】

 

吹上由樹(ふきあげ よしき)
株式会社Lean Stack 代表取締役

 

2021年4月 経済産業省へ入省
2023年7月 経済産業省を退職
2023年9月 株式会社Lean Stack設立

 

弊社HP:https://www.leanstack-buzz.com/

 

YouTubeチャンネル:DXできるくん
https://www.youtube.com/channel/UCpKWNCmxjPHYg6f8t3FaiUA

 


はじめに

「社内の情報が、バラバラに散らばっていて、探すのに時間がかかるんです」

 

中小企業の経営者の方から、こんな相談をよく受けます。

 

メールはGmail。

 

ファイルはローカルとクラウドに混在。

 

会議はZoomだったり、電話だったり。

 

タスク管理はExcelだったり、紙だったり。

 

これでは、効率が上がるはずがありません。

 

実は、この課題を一気に解決できるツールがあります。

 

それが、

Google Workspaceです。

 

この記事では、中小企業がGoogle Workspaceをどう活用すれば、チームのコラボレーションが飛躍的に向上するのか、具体的な実装手順をお伝えします。

いま現場で起きていること

まず、現場で何が起きているのか。

多くの中小企業で、こんな課題があります。

 

  • メールで送ったファイルを探すのに10分かかる

  • 複数人で同じExcelファイルを編集すると、バージョンが増えて混乱する

  • 会議の議事録が個人のPCに保存されていて、共有されていない

  • お客様からのアンケート結果が集計できていない

  • タスクが口頭での指示だけで、進捗が見えない

 

これは、まるで──

 

図書館の本が分類されずに積み上げられているようなもの。

 

必要な情報は「どこかにある」のに、「すぐに取り出せない」。

 

その結果、情報を探す時間が、1日の業務時間の20〜30%を占めているという調査もあります。

 

30%ですよ。

 

つまり、8時間労働のうち、2〜3時間が「探す時間」に消えているということです。

本質的な課題の構造

では、なぜこんなことが起きるのか。

 

本質的な問題は、「ツールがバラバラ」だからです。

 

これは、まるで──

料理をするのに、包丁は台所、まな板は倉庫、鍋は別の部屋にあるようなもの。

 

それぞれのツールは便利でも、「連携していない」ことで、かえって非効率になっているんです。

 

Google Workspaceの強みは、ここにあります。

 

Gmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライド、Googleカレンダー、Google Meet。

 

これらすべてが、クラウド上で完全に統合されている。

 

しかも、複数人が同時に同じファイルを編集できる。

 

リアルタイムで情報が共有され、バージョン管理も自動。

 

これが、業務効率を劇的に変えるポイントです。

小さく始める実装手順(今すぐできる)

では、具体的にどう使っていくのか。

 

すぐに実践できる手順を5つ、ご紹介します。


手順1:GmailとGoogleカレンダーでコミュニケーションを一元化(所要時間:初回30分)

担当:全社員
KPI:メール探索時間を50%削減

 

まず、Gmailの強力な検索機能を活用します。

 

「from:田中 見積書」と検索すれば、田中さんから送られた見積書関連のメールが一瞬で見つかります。

 

さらに、メール本文から直接Googleカレンダーに会議を登録できる。

 

「4月5日14時から打ち合わせ」という文章を選択して、「予定を作成」をクリックするだけ。

 

これで、コミュニケーションとスケジュール管理が一元化されます。


手順2:Googleドライブとドキュメントでリアルタイム共同作業(所要時間:初回20分、以降5分)

担当:事務・営業部門
KPI:ファイル探索時間を70%削減、バージョン管理ミスをゼロにGoogleドライブに「共有フォルダ」を作成します。

例:「営業資料」「見積書」「議事録」「顧客情報」

 

ここに、Googleドキュメントやスプレッドシートで作成したファイルを保存。

 

複数人が同時に編集できるので、「最新版はどれ?」という混乱がなくなります。

 

しかも、編集履歴が自動保存されるので、「誤って削除してしまった」という事態も防げます。

 

これは、まるで──

 

チーム全員が同じホワイトボードを見ながら、リアルタイムでアイデアを書き込んでいるようなもの。


手順3:Google Meetでリモート会議を円滑化(所要時間:会議準備5分)

担当:全社員
KPI:会議準備時間を80%削減、遠隔地メンバーとの意思疎通を改善Google Meetは、Googleカレンダーから直接起動できます。

 

予定に「Google Meet」のリンクを追加するだけ。

 

参加者は、時間になったらクリック一つで会議に参加できます。

 

画面共有機能を使えば、資料を見せながら説明できる。

 

リアルタイム字幕機能もあるので、聞き漏らしがありません。

 

会議後は、録画データをGoogleドライブに保存すれば、欠席者もあとから確認できます。


手順4:Googleフォームでフィードバック収集と分析(所要時間:初回15分、以降3分)

担当:営業・マーケティング部門
KPI:アンケート回収率を60%向上、集計時間を90%削減

 

お客様アンケートや社内アンケートを、Googleフォームで作成します。

 

質問項目を入力して、URLを共有するだけ。

 

回答は自動的にGoogleスプレッドシートに集約されます。

 

グラフも自動生成されるので、結果の分析が一瞬で完了。

 

これまでExcelで手作業で集計していた時間が、ゼロになります。


手順5:Googleタスクでタスク管理を最適化(所要時間:1日5分)

担当:マネージャー・リーダー層
KPI:タスク漏れをゼロに、進捗の可視化

 

Googleタスクは、GmailやGoogleカレンダーと統合されています。

 

メールを開いて、「タスクに追加」をクリックするだけ。

 

期限を設定すれば、Googleカレンダー上に表示されます。

 

チームメンバーにタスクを割り当てて、進捗を確認することもできます。

 

これで、「あのタスク、忘れてました」という事態がなくなります。

1週間レビューのやり方

毎週金曜日、15分だけレビュー時間を設けます。

  1. Googleドライブで今週作成したファイルを確認

  2. Googleタスクで完了したタスクをチェック

  3. 来週の優先タスクを3つに絞る

この習慣をつけるだけで、業務の優先順位が明確になります。


ミニ事例:製造業B社の場合

従業員50名の製造業B社。

 

営業部門の佐藤さん(仮名)は、見積書やお客様情報の管理に苦労していました。

Before

  • ファイル探索:1日30分(月10時間)

  • 見積書作成:1件あたり60分

  • 会議準備:1回あたり15分

  • お客様アンケート集計:月末に2時間

月間の非効率な作業時間:約20時間
 

After(Google Workspace導入2ヶ月後)

  • ファイル探索:1日5分(月2.5時間)

  • 見積書作成:1件あたり30分(テンプレート活用)

  • 会議準備:1回あたり3分(Meet連携)

  • お客様アンケート集計:月末に10分(フォーム活用)


月間の非効率な作業時間:約5時間
 

削減できた15時間を、新規顧客開拓に充てたことで、月間成約件数が20%増加しました。


再現条件

  • Google Workspace Business Starterプラン(月680円/人)を全社導入

  • 初月に2回の社内勉強会を実施(各1時間)

  • 共有フォルダのルールを1ページにまとめて周知

  • マネージャー層が率先して使い、部下に見せる

特別なITスキルは、必要ありません。

よくある落とし穴と回避策

実際に導入してみて、つまずくポイントが3つあります。


落とし穴1:権限設定を理解していない

Googleドライブで共有する際、「閲覧のみ」「コメント可」「編集可」の違いを理解していない。

 

その結果、機密情報が意図せず外部に共有されてしまうリスクがあります。

 

回避策:社内ルールを1ページにまとめる。

 

「顧客情報は閲覧のみ」「社内資料は編集可」など、明確に定義してください。


落とし穴2:ローカルとクラウドが混在する

一部の社員がローカルにファイルを保存し続けると、情報が分断されます。

 

これでは、導入した意味がありません。

 

回避策:「すべてのファイルをGoogleドライブに保存する」というルールを徹底する。

 

最初の1ヶ月は、マネージャーが毎週チェックして、定着させてください。


落とし穴3:無料プランで試して諦める

無料のGoogleアカウントで試して、「容量が足りない」「機能が足りない」と諦めてしまう。

 

でも、ビジネスプランなら、容量もサポートも充実しています。

 

回避策:最初からBusiness Starterプラン(月680円/人)で始める。

 

月680円で業務効率が劇的に変わるなら、十分すぎる投資対効果です。


まとめ:今日やるべきこと3つ

Google Workspaceは、「情報が散らばっている」という課題を根本から解決してくれるツールです。

 

まずは以下の3つから始めてみてください。

1. 無料トライアルを申し込む(所要時間:10分)

Google Workspace公式サイトから、14日間の無料トライアルを申し込んでください。

 

まず、自分で触ってみることが大切です。

2. 共有フォルダを1つ作る(所要時間:15分)

Googleドライブに「営業資料」や「議事録」など、1つだけ共有フォルダを作ってみてください。

 

そこに、今日作成したファイルを保存する。

 

これだけで、効果を実感できるはずです。

3. 次回の会議をGoogle Meetで実施する(所要時間:5分)

次回のチーム会議を、Google Meetで実施してみてください。

 

Googleカレンダーから予定を作成し、「Google Meetを追加」をクリックするだけ。

 

参加者にリンクを共有すれば、準備完了です。

 

小さく始めて、効果を実感してから、全社展開する。

 

これが、失敗しない導入の鉄則です。

 

情報が一元化されることで、あなたのチームは「探す時間」から解放されます。

 

その時間を、本当に価値のある仕事に使えるようになる。

 

お客様との対話、新しいアイデアの創出、チームメンバーとの信頼関係構築。

 

今日から、変わることができます。


 

【著者プロフィール】

 

吹上由樹(ふきあげ よしき)
株式会社Lean Stack 代表取締役

 

2021年4月 経済産業省へ入省
2023年7月 経済産業省を退職
2023年9月 株式会社Lean Stack設立

 

弊社HP:https://www.leanstack-buzz.com/
 

YouTubeチャンネル:DXできるくん
https://www.youtube.com/channel/UCpKWNCmxjPHYg6f8t3FaiUA
 

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