こんにちは、
株式会社Lean Stack代表の吹上由樹です。
今日は建設業向けのDXについてお話ししていきます。
建設業のDXは「事務から」始めるのが最短ルート
いきなり元も子もないことを言いますが、建設業の現場は、正直に言うとDXに向いていません。
理由はシンプルで、リテラシーの差、安全配慮、専門性の高さ、そして「現場はスマホを見ない」文化が根強いからです。
にもかかわらず、現場にいきなりシステムを入れて失敗する事例を、私は何度も見てきました。
ではどうするか。
答えは一つ——まずは「事務」から始めること。
これが遠回りに見えて、実は最短ルートです。
いま建設業が直面している現実
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人手不足が恒常化。採用しても定着しにくい。
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高齢化が進み、ベテランのノウハウが個人の頭の中に眠ったまま。
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見積・請求、議事録、訪問記録など“紙と記憶”に依存。
この状態で「現場にAIを入れましょう」と言っても定着しません。
DXは“正論”だけでは進まず、文化と運用が伴って初めて前に進みます。
だからこそ、組織に負荷の少ない「事務」から、小さく確実に成果を出すのが合理的なのです。
事務から始める3つの打ち手
1) 見積・請求の初稿をAI化
過去案件のCSVとフォーマットをフォルダで管理し、AIに「単価参照→小計→税→特記事項」の流れで初稿を作らせます。
人は“確認”に集中。
2時間かかっていた初稿作成は10分に短縮できます。
まずは3案件でROIを測定し、効果を数値で示しましょう。
2) 議事録は“作る”から“出す”へ
訪問や打ち合わせ後の音声を文字起こしし、「決定事項/未決事項/担当者/期限」で自動整形。
下書きをChatworkへ送れば、管理職がどこで何が話されているかを即把握できます。
テンプレを先に決め、過去の議事録3本を“学習用見本”として置いておくのがコツです。
3) 情報の一元化(Notionで集約)
Salesforceやkintone、表計算など散らばった情報を、まずはNotionに「見える化」。
検索と紐づけが効くだけで、ムダな往復が激減します。
将来的にシステムを刷新するにしても、まず“棚卸しと集約”がないと移行が難航します。
ちなみにNotionが正義というよりは、社内の状況から移行しやすいものを選択、もしくは既存のツール一つに集約させるとかでも全然問題ないです。
技術継承は「動画×AI」で資産化する
テキストだけでは、現場の“暗黙知”は伝わりません。
だからベテランの作業を動画で撮り、AIに要点抽出をさせます。
NG例、安全上の注意、確認チェックリストまでセットにして短尺クリップ化。
これを新人教育に使えば、教育期間は6ヶ月→3週間に。
品質の平準化と属人リスクの低減に直結します。
「○○さんしか知らない」は、会社の最大のボトルネックです。
知見を“人”から“資産”へ。
動画は、その最短の橋渡しになります。
ロードマップ:事務 → 現場の順に広げる
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0〜1ヶ月:事務の1業務をAI化(議事録 or 見積)
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1〜3ヶ月:情報の一元化と自動連携(Chatwork通知など)
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3〜6ヶ月:技術継承の仕組み構築(動画×AIで標準化)
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6ヶ月以降:現場DX(進捗・安全・資材最適化)へ段階展開
重要なのは「小さく始め、効果を見せ、横展開する」こと。
現場に導入するタイミングは、社内のDXリテラシーが上がってからで十分です。
焦って“正論”だけで突っ込むより、組織の準備を整えてから行くのが、結局は早いのです。
月1セミナーの狙い
私たちは月に1回、建設業向けにDXセミナーを行っています。
狙いは、押し売りではなく「文化の醸成」と「潜在ニーズの顕在化」。
参加者が自社の課題を言語化し、「まず何からやるか」を決めて持ち帰る場です。
個別相談では、Notionによる一元化や議事録の自動化、動画×AIでの技術継承など、各社の状況に合わせて伴走支援を行っています。
結論、まずは“事務から”でいい
建設業のDXは、現場から始めなくていい。
むしろ、始めてはいけないことが多い。
事務で確実に成果を出し、「やれば変わる」を社内で共有し、合意を得てから現場へ。
それが最短ルートです。
「やるなら、いま」。
最初の一歩は、小さくて構いません。
議事録でも、見積でも、情報の一元化でも。
1つの業務で結果を出せば、次の扉が開きます。
私たちは、その扉を開けるところから伴走します。
ご相談はお気軽に。
まずは、御社にとっての“最初の一手”を設計するきっかけにしていただけますと幸いです。
10/23(木)建設業向けセミナー開催のご案内
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日時: 10/23(木)13:00–14:30(開場12:45)
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形式: リアル(大阪)
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対象: 建設業の経営者・管理職(先着10名、すでに5名ほど決まってます)
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テーマ: 「事務から始めるDX——議事録・見積・一元化の“最短ルート”」
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参加費: 無料
当日の内容:
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建設業の三つの危機と、なぜ“事務から”なのか
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すぐ効く3施策(議事録/見積/一元化)の実践法
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事例共有とQ&A/アクションプラン作成
社内の“最初の一手”を、この1時間で一緒に決めましょう。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
【著者プロフィール】
吹上由樹(ふきあげよしき)
株式会社Lean Stack 代表取締役
📝私の簡単なプロフィール
2021年4月 経済産業省へ入省
2023年7月 経済産業省を退職
2023年9月 株式会社Lean Stack設立
◉弊社HP:https://www.leanstack-buzz.com/
◉YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCpKWNCmxjPHYg6f8t3FaiUA
CursorやGoogle Workspace、NotionAIを駆使し、中小企業における業務効率化を実践。
「アナログ価値最大化のためのAI/DX推進」という信念のもと、中小企業のAI導入支援に情熱を注いでいる。
ご相談はお気軽にどうぞー!!
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