7月14日は家内の○十○回目の誕生日でした。
『自分の誕生日を(パリ祭が行われる)パリで過ごしてみたい!!』
このセリフ、結婚当初から何回言われた憶えがありませんが、結婚生活を3年、5年と過ごしていくうちにだんだん言われなくなっていったのは『そうは言ってもあまりに実現性に乏しいよな・・・』という家内の諦念の表れだったということでしょう。
それもそのはず、当時の私の仕事で7月は1年の中で最も忙しい時期の一つ。
長期休暇が期待できる夏休みは8月の10日前後から。
逆立ちしても7月のこの時期に“パリ”なんぞに居られる訳がなかったのですから・・・。
当時の私に言える精一杯のセリフは『そうだねぇ・・・行けたらいいよねぇ・・・』とまさに“適当な”相槌を打つことだけでした。
しかし“一念巌も通す”の格言通り。
家内の強い思いは、遂に会社の人事をも動かし、気がつけば家内の“願望”がもう手を伸ばせばそこに届く所にまで近づいているじゃありませんか!!
そして昨年の7月14日、いよいよ念願の7月14日パリ祭へ!
と2012年の年明け早々にフライトチケットを入手し満を持していたはずなのに・・・それなのに・・・
嗚呼無情・・・
バルセロナ生活はたった2年でピリオド、念願の7/14まで僅か2週間と迫りながら、私達は涙のごとく雨が降りそぼるデュッセルドルフの地に移ってきたのでした。
フライトチケットは格安で入手していた為キャンセルはきかず、全て紙くず・・・。
そんな壁を乗り越えて2013年7月14日、ついにパリ行きが実現したのですから、家内の感慨も一入だったのではないでしょうか。
しかし考えてみれば、デュッセルドルフからパリまでは、今や車で僅か500㎞。
近いとはいえ飛行機以外でのパリ行きは考えられなかったバルセロナ時代から考えれば、じつに容易にパリに行けるようになったということです。
気を取り直して今年の7月14日にその計画を立てるまでには、大して時間がかかりませんでしたが(笑)
今回の計画は、例によって7月13日(土)の夜中に家を出る“夜逃げ方式(と我々は呼んでいます・・・)”で早朝のパリ入り。
13日は美術館とサロン・ド・テを巡ってで過ごし、14日はパリ祭でのパレード見学。15日の朝パリを出て戻ってくるというものでした。
◆7月13日(土)
午前3時にデュッセルを出てほぼ計画通り、午前8時30分頃パリ市内に到着しました。
今回の宿泊は第二区のアパートメントホテルを借りたこともあって、その近くの公共駐車場に車を停めます。パリの中心地区に近いとあって、一体どのくらいかかるのか若干不安はありましたが、24時間で33ユーロとか。安くはありませんが、まあ想定の範囲内ともいえる値段でした。
私達がアパートメントホテルを借りるのは初めてです。
どんなところかと思っていましたが、コンパクトに部屋がまとまっており、清潔で非常に快適でした。これで割安かつ利便性の高い場所にあるのなら文句はありません。
まず最初はオルセー美術館。
皆さんと同じように私も印象派の絵が昔から大好きで、その殿堂ともいえるオルセーはパリを訪れた時には絶対に外せない場所の一つでした。
思い返せば昨年10月。日本からデュッセルを訪れた両親をベルサイユに連れて行った時、パリにも一瞬だけ立ち寄りましたが、エッフェル塔、凱旋門、シャンゼリゼ通りを歩くので精一杯、とても美術館までは手が回りませんでした。
館内の展示品の写真撮影は禁止の為、絵画自体の写真はありませんが、たとえ撮影OKだったとしても恐らく写真を撮る気にはなれなかったでしょう。
本やカタログ、画集で見る絵と本物との間にある落差は、私にとってはそれ程までに巨大なものだったということです。あとから写真でみても意味がない・・・とそう思わせる程のオリジナルの迫力でした。
印象派の巨匠達の作品の中で、以前オリジナルを観たことのある作品は幾つかあります。
セザンヌのプロヴァンス地方の風景画、ゴッホの「星降る夜、アルル」、モネの「日傘の婦人」などなど。
学生の頃、上野の西洋博物館で開かれた「印象派とその時代」(だったかな?)にも通ったことを思い出します。実際、件のゴッホのアルルの星空の絵に深く感動したのもこの時のことです。
しかしそれもこれもこのオルセー美術館内で本物の作品群を観る迫力から比べれば小さなことと感じます。オルセーで観るオリジナル作品はそれ程までに素晴らしい経験でした。
特にドガの「踊り子」のパステル画、僕の中のゴッホ観を変えたと言っても過言ではないアルルの星空の絵と“再会”出来たこと。モネの麦わらの連作絵など。ついつい絵の前に立ち尽くしてしまう為、既に若い頃にオルセーは経験済みである家内の歩調に追いつけず、気がつくと私の足は遅れがちです。
さすが超有名美術館だけあって、館内はある程度混雑はしているものの、絵をじっくり観るのに邪魔となる程ではなく、これも東京での展覧会とは大きな違いです。
時間を忘れてしまいそうな3時間でした・・・。
オルセー美術館の余韻はパリらしさを味わえるサロン・ド・テで!と意気込んで向かったのはエッフェル塔を正面に見るトロカデロの側にある「Carette」。
老舗のカフェで数々の賞にも輝いた実績のあるこのお店のスペシャリテ、エクレアを楽しむはずだったのですが。。。。。
エクレアの切れ端を口に運びながら、私と家内の間に何とも言えない沈黙が流れました。
期待が高すぎた?いやいやそれ程無茶な幻想を抱くような年齢でもなし、夢と現実の区別くらいはついているつもりなのですが・・・
まあ、マズイとはいいません。はい。
でも格別美味しいとはとても言えません。
ハッキリ言ってボルドーやトゥールーズの街のケーキ屋さんで食べるエクレアの方が数段美味しいことだけは間違いありません。しかも値段も圧倒的に安くて・・・です。
これは“今回の一番ガッカリ”でした。
パリは東京とは違う。
日本の中で最高のモノが集まるのが東京。
でも地産地消が原則のフランス(ヨーロッパ)ではパリに最高のモノが集まるとは限らない。
たかがエクレアですが、大きな日欧文化の違いを感じてしまいました。
その後は船でセーヌ川をちょっと下ってみました。
気温28度から29℃。日差しの下は暑い陽気でも川下りでは適度な川風が吹いて気分は爽やかです。
オルセー美術館前。
川岸へ降りる為の橋でさえ、何とも言えない優雅なデザインです。
今回のパリ旅行では、随所にこんなパリらしさを発見することが出来ました。
皆さんがパリに魅了される理由が分かりますね。
船は再び岸を離れます。
天気がいいせいでしょう。風が非常に爽やかです。
これだけ周囲の景観が絵になると川下りが人気なのも頷けます。
とはいってもさすがに7月。陽射しはかなり強いので日陰にいないと暑いですね。
サン・ルイ島に行く為、ノートルダム大聖堂前で下船しました。
ノートルダム大聖堂はこちら側から見る方が迫力がありますね。
2日目に続きます。































